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ゲイとBL好き女が20年近くつるんだ結果
どうやら彼女は17歳の時に、「うちら、30歳になっても互いに独身で、親からなんか言われたら、形だけでも結婚しとこうな」と、あたいに冗談混じりに話したようだ。あたいは正直覚えてない。
この話は、2024年6月26日に発売される、ゲイの周りの女たちに焦点を当てたコミックエッセイ「あたいと焦げない女たち」(KADOKAWA)に書こうと考えたけれど、やっぱり文章で、つらつらと綴りたい気分になるエピソードだったので、ここに記そうと思う。
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まず、拙著『あたいと他の愛』(文藝春秋)にて登場した、腐女子の友達の話をしますわ。
なお当時は「腐女子」という言葉があまり批判されず使われていたのと、あたい自身もなにが問題として論われていたのか不知だったこと、そしてエッセイという形式上当時の会話を再現する為にそのまま使用したけれど、今この言葉を使うなら注釈が必要な言葉であることは前もって伝えておきますわ。
簡単に言うと二次創作だろうとBLだろうと、それを嗜好する人間も、その対象となるセクシュアリティも、なにも腐っていると卑下することはない、ということだ。
さて、本題に入りますわ。
その友達ーーカナコとは高校生の時に出会った。同じ委員会の招集で初めて対面した。いや、それはあくまであたいの主観であって、向こうはすでにあたいのことを本屋(しかもBLコーナー)で立ち読みしてるのを見かけて知っていたようで、初対面時には開口一番「お前BL読むの?」と言ってきたもんだから、めちゃくちゃパニックになったのを覚えている。ぶっちゃけるとトラウマに近い記憶だ。
当時はまだまだ、現実に存在するゲイなんて「オネェ」や「オカマ」のゲテモノキャラでしかメディアで取り扱われていなかったし、地方の片田舎で逃げ場所のない未成年のあたいにとっては「ゲイバレ=死」と言っても過言ではなかった。というか実際ゲイだと発覚したら、母ちゃんに包丁で刺されて殺されていたことだと思うし、文字通りの死活問題だった。
だからカナコに問われた際は、必死に取り繕って「BL漫画は絵が綺麗だから見てた」とか「姉ちゃんが読んでるから見ただけ」「将来教師になりたいから勉強のため(?)」だとかなんとか言って、その場は切り抜けたと思う。いや恐らく切り抜けられてはなかっただろう。向こうもちょっとは「コイツそっちのケがあるのかもしれない」と察したかもしれないね。
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天然温泉旅館「もちぎの湯」
ここはあなたの宿であり、別荘であり、療養地。 あたいが毎月4本以上の文章を温泉のようにドバドバと湧かせて、かけながす。 内容はさまざまな思…
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