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『たことたこやき』
『たことたこやき』というタイトルのついた絵が、
今、保育室に飾られています。
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昨年度の卒園児さんたちのために
おわかれたこやきパーティーをして以来、
たこやきが大好きになった子が描いた絵です。
赤い伸びやかな線に、
ちょぼんとしたいくつかの丸。
描きながら「たこだよ、たこやきだよ」
と教えてくれたそうで、
よっぽどたこやきが嬉しかったんだろうな
ということが伝わってきて、
思わずクスっとしてしまいます。
その絵を描いた子が
お引越しで途中退園することが決まり、
おわかれ会をすることになりました。
おわかれ会のメインメニューは、
もちろんリクエストのたこやきです。
おわかれ会といっても、
当日大人がたこやきを焼いて「はい、どうぞ」では
あまりに味気ないしもったいない。
おわかれ会をむかえるまでに
子どもたちの期待を最高潮にもりあげるべく、
毎日の散歩やあそびのなかに
すこしずつ工夫をこらしていきます。
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お散歩で通る商店街のたこやき屋さんで、
焼いているところを見せてもらったり、
たこやきをつくるためになにが必要か皆でお話して、
いるものをお絵かきしてみたり。
描いた絵はお買い物リストにして、
買い出しお散歩に持っていきました。
リスト片手に百均やスーパーで
おめあてのものを探すのも、
子どもたちにとっては楽しい経験です。
こうしてたこやきパーティーへの期待も最高潮をむかえ、
いよいよ当日。
キャベツを千切りにしたり
たこやきを焼いて返したりは、
まだ小さな子どもには難しいので大人の仕事。
その間、子どもたちは大人がたこやきを焼く様子をまねて、
折り紙とおはな紙で自前のたこやきづくり。
添え物のポテトもいっしょに折りあげて、
本物のほうの完成を今か今かと心待ちにしました。
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いつもは子どもたち一人ひとりの発達の具合にあわせて
少人数ずつご飯を食べていくのですが、
この日ばかりは特別。
みんなでいっしょにいただきます。
待ちに待った、
そしてみんなでワイワイ食べるたこやきは
とっても美味しかったようで、
みんないっぱいおかわりしていました。
良い思い出になったでしょうか。
保育園でわたしたちやお友達とすごすのは、
ほんの数年のわずかな時間です。
でもこうしてていねいに紡いだ思い出が、
すこしでも、そしていつまでも、
子どもたちの心を温めるものになってくれたら…。
そう願っています。