「食事は生命だけでなく心も養う行為」
小さい子どものご飯タイム。
それはどこのご家庭でも、
そして保育園でも、
なかなか負担に感じやすい時間のひとつではないでしょうか。
食器が上手に使えずに食べこぼしがひどかったり、
好き嫌いや食べむらがあって思うように食が進まなかったり、
集中が続かずに遊び食べになってしまったり…。
やっとの思いで食事を終えても、
子どもの手や服は汚れてベタベタ、
テーブルや床は食べこぼしだらけ。
掃除や洗濯まで上乗せ作業として
食事に引っ付いてくるとなると、
負担に感じるのも無理はありません。
ですがこんな食事タイムも
考え方や工夫ひとつでずいぶんと楽になるのです。
子どもも大人も落ち着いてご飯の時間をすごせる
ConoCoの食事介助の工夫をご紹介していこうと思うのですが、
その前にその工夫の根拠となる考え方について
お伝えしようと思います。
ConoCoがご飯の時間に大切にしていること。
それは「食事は生命だけでなく心も養う行為」だと考えることです。
人間は食べ物を食べることによって
身体をつくり生命を維持しますが、
それと同時に心の大切な部分も育てていくのです。
ヒトの赤ちゃんは生まれてしばらくは
自分ひとりでご飯を食べることができません。
他の動物に比べてかなり長い期間にわたって
養育してくれる存在に食事を頼りきらないといけないのです。
そのため自分に食事を与えてくれる人との間に
強い「愛着関係」が築かれやすくなります。
これまでにも何度か書いてきましたが、
この「愛着関係」というものが
子どものすこやかな発達に欠かせないものなのです。
自分の思いをしっかりと受けとめてもらえ、
この人がいたら大丈夫、安心だと思えるような
「愛着関係」でしっかりと結ばれた存在があってはじめて、
子どもは心も体もすこやかに育っていけます。
だからこそ家庭はもちろんこと、
家庭よりもたくさんの子どもたちのお世話を
同時にしなければいけない保育園でも、
食事の時間を雑に扱うべきではないのです。
一人ひとりの子どもと目をあわせ、
同じものに注意をむけて心を通わせながら、
「愛着」を育んでいく。
食事とはそんな時間であるべきだと考えています。
この考え方を前提として
食事の介助の工夫を展開させていくのですが、
詳細は次回につづきます。