vol.17謎解き入試まで誕生。多様化する中学入試
日が暮れるのが早くなりましたね。この前、保育園に通う孫が「“秋の日は釣瓶落とし”っていうんだよ」と教えてくれました。保育園の先生に教えてもらったのでしょうが、季節が変わって暗くなるのが早くなったことに、自分で気づいたようです。
釣瓶がなにか分かっていなくて、それを説明するのが大変でしたけれど、そこから、太陽と地球の関係について話が膨らみ、パパが一生懸命説明していました。子どもが興味を持ったタイミングを逃さない! これ大事だなと改めて思いました。
さて、先日NHKラジオの取材を受けました。
テーマは多様化する中学入試。
これまで算国理社の4科入試が主流だった中学入試も、ここ数年でいろいろな入試が行われるようになってきたので、その背景や狙いについてお話しました。
4教科・2教科入試に加えて、公立中高一貫校型の適正検査型入試や、得意科目を選択する入試、最近は英語入試を実施する学校が増えています。これは小学校で英語が教科になった影響ですね。
また、変わったところでは、プログラミング入試、レゴを使って表現するものづくり思考力入試、好きな本についてプレゼンする読書プレゼン入試、グループディスカッションを経て未来シナリオをプレゼンする入試、自分の得意なこと頑張ってきたことをプレゼンする入試などなど、いわゆる新タイプ入試を実施する学校が増えているのです。
来年の入試では、謎解き入試なるものを実施する学校もあります。
これは、グループ形式で45分程度の謎解きをしながら課題を解決し窮地からの脱出を目指す「脱出ゲーム型」で、考察力・発想力、行動力・会話力・洞察力などを測るそうです。
もちろん4科・2科という入試が主流ではあるのですが、2014年と比較すると、昨年の適正検査型(思考力)入試や新タイプ入試の実施校は、38校→147校に増えて、約13000名の受験生を集めました。
特に昨年はプログラミング入試やプレゼン入試を実施する学校が増えたのですが、これは何を示しているのでしょうか。
これまで中学受験というと、習い事もやめて塾に長時間缶詰で勉強しないと合格できないというイメージでしたが、自分の好きなこと得意なことに一生懸命取り組んで、それをきちんと人に伝えられる力や、答えが一つではない課題に対して、自分なりの考えを導き出せる力のある子を欲しいという流れは確実にきているようです。
また、一般入試の問題も思考力を問う問題が増えています。
大学入試の改革が足踏みしているのに対して、中学入試の世界では、社会の変化を見通して、これから必要になる力を問う方向にシフトしているようです。
新型コロナの影響であまり注目されていませんが、今年は学習指導要領も改定され、教育改革元年になるはずでした。学校教育がこれからどう変わっていくのか、変わらないのか…保護者の皆さんも関心を持って見てほしいなと思っています。
放送されたNHKラジオは、1ヶ月間こちらで聞けるそうです。
「私立中で”謎解き“入試導入 背景は」
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=4774_04