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わからへん 教えて! 安心して失敗ができる教室| 中曽根陽子の今月の探究 2024年6月

こんにちは。
中曽根陽子です。

6月1日のメールレターをお届けします。

先月大阪に行ってきました。
今年2回目です。
年初のビジョンボードに「旅するように仕事する」と書いたことが叶っています。
書くと実現するってほんとです。
皆様も書いていますか? もしまだだったらぜひ試して見てくださいね。

今回の旅の目的は、人に会うことと取材だったのですが、とても充実した時間になりました。
やはり、リアルっていいですね。

さて、今日のテーマは「安心して失敗ができる教室」です。
今回の旅の目的の一つでもあった、大阪の小学校のことです。
舞台は、大阪市立大隈西小学校

この学校では、「学び合い」と言って、先生が一方的に教えるのではなく、子ども同士で学び合う時間を大切にしていました。

最近は、グループ学習の時間を設ける学校は増えているので、珍しい風景ではないのですが、
この学校ではどのクラスも、日常的に授業の中で学び合っているのです。

一人で考える時間もありますが、必要に応じて、ペアや3〜4人グループになり、話しをしたり、ノートを見せあったり…、子どもたちの様子を見ていると、主体的に授業に参加していることが分かりました。

この学び合いは、東大名誉教授佐藤学氏が、40年近く前に始めた「学びの共同体」という取り組みの一環で、21世紀型の教育として世界にも広がっているのだそうです。

探究が注目され、グループワークで授業を行うケースも増えています。
また、生徒同士が教え合った方が、教師が一方的に教えるより効果があると言われているのですが、教え合うのと学び合うのは全く違うのだそうです。

佐藤学氏は、著書の中で、こう述べています。
「教え合う関係と学び合う関係は、決定的に違う。教え合うのは、わかっている子どもがわかっていない子どもに一方的に教えるお節介の関係。学び合う関係は、わからない子が『ねえ、ここどうするの?』と質問することから出発するさりげない優しさの関係であり、双方に恩恵をもたらす」

以前見た教え合いの授業では、早く問題が解けた子が、まだ解けない子に教えていたのですが、その時に感じた違和感は、これだったんだと思いました。

でも、「わからないから教えて」と言えるには、安心してそう言える関係が必要です。
この学校では、「わかる人?」ではなく、「困っている人はいませんか?」と問いかけて、わからなさを共有するのだそうです。
 
分からないということは恥ずかしいことではない。分からないことを分からないと言える。そこから本当の学びが始まるということを、子どもたちは理解しているようです。
 
これは、家庭でも同じです。
子どもが分からないと言ってきた時に、「こんなことも分からないの」と言ったら、子どもは分かったふりをするようになります。
 
安心して分からないと言える場所を作ること、それが主体的に学ぶ最初の一歩かもしれません。
 
詳しい内容は、東洋経済education✖️ICTで書いたので、ぜひお読みださい。

中曽根陽子の著書が「子育ての悩みに今すぐ役立つ本10冊」に選ばれました★☆★『成功する子はやりたいことを見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)

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