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factory visit 渡航記 源流を辿る、透明性のあるジュエリー

マザーハウスの海外研修制度「factory visit」。2024年は日本と台湾から15人のスタッフがスリランカ、インドネシア、ネパールの3か国に渡航しました。今回はスリランカに渡航した長屋より、渡航レポートをお送りします。


factory visitとは?

販売国のスタッフが自社工場など生産現場を訪れ、職人たちと触れ合い、生産工程や素材について学びます。また訪れるスタッフは販売国を代表して、
お客様のことやお店のことを伝える等、ミッションを持って現地に向かいます。お互いが学び合い、教え合うことを目的とした研修制度です。

ファクトリービジット参加への思い

こんにちは。ジュエリーマザーハウス大阪本店の長屋です。
私は2024年8月、ファクトリービジットでスリランカに行ってきました。

私は、お店ではもちろん、よりたくさんの方にジュエリーマザーハウスを知っていただきたいという想いがあり、noteの投稿などでジュエリーの紹介を行ってきました。

マザーハウスのジュエリーは、素材の調達から製作から販売まで一貫して行っており、各工程で関わっている沢山のスタッフや職人がいます。だからこそ、現場の声を直接聞き、職人たちのジュエリーづくりへの想いを理解し、発信を通じて彼らの想いと一緒にジュエリーの魅力を届けたい。そんな想いから、今回のファクトリービジットへの参加を決めました。

一貫したプロセスにはいくつもの工程があります。スリランカファクトリービジットでは、素材が生まれる場所からジュエリーになる工房までを辿りました。

素材を探す旅、原石の採掘場へ!

プロセスのはじまり、原石が採掘されている「ラトゥナプラ」という地域に訪れました。ラトゥナプラは、スリランカでも特に有名な原石の産地です。山から流れて川底地下深くに眠る石を掘り起こすように採掘しています。

環境への影響を考慮し、機械での採掘は政府によって規制されていて、アリの巣のように掘られた地下深くから、人力によって泥を引き上げ、1日40袋の泥から、人の目で原石を選別しているそうです

緑に囲まれた採掘場
手作業で原石を選別します

カットを手がける職人たち ~原石からルースになるまで~

主に原石をカットする工房と、ジュエリーに仕立てる工房があり、まずは原石をカットする工房をご紹介します。

「Kobako」の研磨を担当していたのは、パラディークさん。工房では一番歴が長い職人です。「Kobakoはシンプルだからこそ、少しの歪みが全体のデザインを左右してしまいます。正確な立方体にカットすることがとても難しいです。」と話してくれました。
角が欠けやすいため、慎重に角度を調整して研磨していきます

どこから見ても美しい立方体を仕上げるためには、0.1mm以下の調整が必要です。パラディークさんは、技術を磨きながら原石と向き合うことを、心から楽しんで作業している姿がとても印象的な職人でした。

私自身も、ジュエリーが心から好きで、美しいジュエリーとのふれあいを楽しみながらお客様にお届けする仕事をしています。生産国の職人も同じ想いで仕事をしていると知り、とても嬉しく思うと同時に、想いがつまったジュエリーを届けられていることを、とても誇りに思いました。

ルースからジュエリーが完成するまで

次にカットが施された状態の天然石の爪留めや地金の研磨などを行い、ジュエリーに仕上げる工房をご紹介します。私たちの滞在中、新作の「星影」シリーズの制作が行われていました。

星影のジュエリー

星影のデザインで特徴的な「鎬(しのぎ)*」を生み出すため、1mm以下の単位でゴールドを削っていたのが、スジャーニさん。

スジャーニさん「初めてデザインを見たときは簡単そうだと思ったけれど、鎬がまっすぐ美しい形になるようにすることがとても難しいです。」と教えてくれました。*鎬(しのぎ)とは…ゴールドを山形に成形した際に現れる、盛り上がった線のこと。

「ルースを爪留めしたり、ゴールドを磨いたりすることで、ルースが美しいジュエリーに変身します。自分の技術で美しいものを作り出すことができる仕事が、とても楽しいです。」と話してくれました。

ルースがジュエリーになるまでの工程を見学して感じたことは、職人の技術やこだわりがジュエリーの輝きを何倍にも引き立てているということです。

何億年もの地球の歴史と共に生まれた原石が、生活に彩りを与え、人生に寄り添う存在として姿を変えるためには、職人たちの技術と想いが必要なのだと実感しました。

届けたいのは透明性のあるジュエリー

帰国後、お店でキラキラ輝くジュエリーを見る度に、出会った職人たち、現地で見た景色や食べたもの、スリランカで体験したことを思い出します。

線路沿いから見たスリランカの海と夕焼け

今回の旅を通して、マザーハウスのジュエリーが持つ魅力は「透明性」にあるのだと実感しました。

スリランカで採掘された原石を国内でジュエリーにしている、流通経路の透明性。職人の想いを販売スタッフがお客様にお伝えできる、作る側と身に着ける側の透明性。

透明性があるからこそ、職人の想いやこだわりの技術、素材の特徴まで、様々な側面からジュエリーの魅力を発信することができます。今回の出会いや実体験を活かして、より良いブランドづくりを行っていきたいと思います。

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途上国から世界に通用するブランドを「つくる人」に。

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を体現するために、目の前の先入観や常識にとらわれず、常に本質的なことは何かを考え、
生産国、販売国の垣根を超えた仲間と共に、前例のない挑戦を続けてきました。世界に通用するブランドになるために共にマザーハウスで挑戦する仲間を募集しています。


読んでいただいてありがとうございました!マザーハウスをもっといろいろな角度から楽しんでいただける毎日の出来事を、生産地やお店からお届けしていきます!