-選択的シンママ-一目見て決めたドナー
今日は、精子ドナーをどのように探したかについて、より詳細にお話ししたいと思います。
私は、世界最大の精子・卵子バンクであるCryosでドナーを探しました。
きっかけは、『私の半分はどこからきたのか』という本を読んだことです。この本を通じて、子どもが将来、自分の出自を知る権利を守れるようにしたいと考えるようになり、費用は高くなりますが「非匿名ドナー」を選ぶことにしました。
非匿名ドナーを選ぶと、子どもの頃の写真に加え、現在の職業や学歴、家族の病歴や職業、祖父母や両親が亡くなった年齢といった詳細な情報を得ることができます。
価格については、匿名ドナーの場合、平均して250ユーロ程度。一方、非匿名で詳細なプロフィール付きのドナーの場合は、約1,200ユーロ程度となっています。
特に詳細プロフィールがある非匿名ドナーでは、以下のようなドナーの人生観や価値観を知ることができます:
子どもの頃の夢
人生で最も嬉しかったこと、悲しかったこと
好きな映画や音楽
好きなスポーツ(自分でプレイするもの、観るのが好きなもの)
休日の過ごし方
将来の夢や尊敬する人物
お酒やタバコの嗜好(ほとんどのドナーは飲酒や喫煙を控えています)
さらに、「Emotional Test」という評価項目もあり、自己コントロール力や危機対応能力、自己認知力などを数値化したスコアやコメントが含まれています。このテストにより、ドナーがどのような人間性を持っているのかをより深く理解することができます。
私の場合、アメリカの非匿名ドナーで詳細プロフィール付きの条件で検索を行いました。アメリカのドナーは、自宅でのシリンジ法に対応した配送が可能だからです。検索結果には300人以上が表示され、子どもの頃の写真が確認できました。写真の中には、やんちゃそうな笑顔が印象的で心が惹かれる男の子が何人かいました。
ひとりひとりの特徴やEmotional Testの結果を詳しくチェックした結果、最初に「この子、かわいいな」と思ったドナーが、私の希望や価値観に最も合致していることがわかりました。
そのドナーは、おそらく若い学生で理系の専攻をしているようでした。私とは異なる学問的思考を持っている点が魅力的でした。さらに、Emotional Testでは、自己制御力や自己認知力、異なる価値観への対応力、危機対応能力など、すべて高いスコアを記録していました。
「この人が子どもの生物学上の父親だったら素敵だな」と、恋愛感情とは異なるけれど、どこか似たような好意を抱きました。
ドナー検索の過程は、まるでマッチングアプリのようでした。
ただ、マッチングアプリよりも遥かに精密で、その人について深く知ることができる点が新鮮でした。
最終的に、このドナーの精子を購入し、自宅でシリンジ法を試すか、病院で人工授精を受ける予定です。ただ、現状では、日本産婦人科学会のガイドラインにより、同性カップルやシングル女性への施術は公には認められておらず、対応可能な病院は限られています。
近々、そのような病院を訪れる予定なので、実際のプロセスについては、また改めてお伝えしたいと思います。