
「白浜シンポジウム」で"セキュリティ人材の課題"について熱く語りました。(イベントレポート)
日本は諸外国に比べ、圧倒的に「セキュリティ人材」が不足している現状をご存じでしょうか?
令和二年、総務省の「情報通信白書」で報告されたデータによれば、米国・シンガポールの8割以上の企業が「セキュリティ人材は充足している」と回答したのに対し、約9割の日本企業は「セキュリティ人材が不足している」と回答しています。
図表3-4-5-7 セキュリティ対策に従事する人材の充足状況

このことからも、日本における「セキュリティ人材の適切なキャリアパスの設定」や「セキュリティ人材の育成」に、大きな課題があることが伺えるかと思います。
この記事を読んでくださっている方の中にも、「セキュリティ人材の確保や教育が難しい」と悩まれている方が、いらっしゃるかもしれません。
弊社、エムオーテックス株式会社では、2023年5月26日(木)~28日(土)の3日間、「足りない人材、追いつかない育成、次の一手は?」をテーマに開催された「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」へと参加してまいりました。
昨今、さまざまな企業・組織で足りないと言われている「セキュリティ人材」に関して、弊社の取り組みをお話ししたり、各企業や組織の皆さんの現状や課題についてディスカッションを行いましたので、その様子をレポートします。
■「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」とは
こんにちは!
エムオーテックス(MOTEX)というセキュリティの会社で、サイバーセキュリティの重要性を啓蒙する活動にいろいろ取り組んでいる中本と西井です。

2023年5月26日(木)~28日(土)の3日間、和歌山県で開催された「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」に参加してまいりました。

「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」は1997年に第1回が開催され、今回で27回目を迎えます。
シンポジウムでは、講演やパネルディスカッションなどが行われ、サイバー犯罪の最新動向や時代ごとの課題の深堀り、対策について学び、議論を交わすことができます。また、参加者同士の交流の場としても機能しており、サイバーセキュリティの分野で活躍する人材のネットワークづくりに貢献している歴史あるイベントです。
(この時期タクシーに乗ると「『サイバー犯罪』で(来たので)すか?」と運転手に聞かれるほど、地元に根付いています!)
今年のシンポジウムは、2023年5月26日(木)~28日(土)に「足りない人材、追いつかない育成、次の一手は?」をテーマに開催されました。
※ 詳細はこちら
エムオーテックスは今回、本シンポジウムにプラチナスポンサーとして協賛。「ChatGPTの利活用とセキュリティ」に関する講演や、「セキュリティ人材の確保や育成に関する課題」について、親睦会の実施などをさせていただきました。
■ブース風景

企業ブースにおいては、弊社のマスコットキャラの“組織を守る番猫”「ばんにゃ」がお出迎え。
「ばんにゃ」を皆様にお配りしていましたが、大変人気で、1日目で無くなってしまい、急遽東京から増援の「ばんにゃ」を手配することになりました。

弊社のIT資産管理ツール「LANSCOPE エンドポイントマネージャー(旧名:LanScope Cat)」をご存じのお客様が大半でしたので、今エムオーテックスは「エンドポイントだけでなく、サイバーセキュリティまでカバーしたサービス展開をしていること」を中心にご紹介させていただきました。

■講演(テーマ:自社紹介)
自社紹介パートでは、世間で流行っているChatGPTの利活用とセキュリティについて、中本から会社紹介を交えて講演させていただきました。
エムオーテックスでは、機械学習(AI)を用いたセキュリティプロダクトを多数ご提供しており、攻撃者AI vs 防御者AI の構図が予想されます。
また、弊社でのChatGPTの活用例などもご紹介し、大変多くの方にご清聴いただきました!
講演は、ChatGPTに関してブースまでご質問・ご相談に来てくださった組織のご担当者様が多数いらっしゃり、やはりChatGPTへの世間の注目度が高いことや、組織での活用方法に悩まれてる方が多いことを実感できました。

■BOF(テーマ:人材育成)
人材育成に関するBOF(セキュリティに悩む皆さんとの親睦会)も実施させていただき、西井と前田(西井と同じくプロフェッショナルサービス本部所属のエキスパートです)がファシリテーターを担当しました。
エムオーテックスの人材育成に関する取り組みをお話しさせていただき、皆さまと各社の状況などを議論して、知見を深める内容となりました。
最終的には、30名近くの方にBOF会場に足をお運びいただき、誠にありがとうございました。
エムオーテックス社内の人材育成の概念イメージ

BOFでは、まず、弊社の人材育成制度として、マネジメントコースとスペシャリストコースが存在しており、その要件などを示した資料をお見せしました。
その後は、今抱えている課題などについて参加者の皆さまとざっくばらんに意見交換を行い、大変有意義なディスカッションができたかと思います。例えば、以下のような話題が挙がりました。
・セキュリティ技術者は必要だけど、必要じゃないという考え方
→ ITジェネラリストの延長線上のセキュリティ技術者であるべき
・セキュリティスペシャリストの(トップ人材)の育成
→ 業務時間の60%は自分のスキルアップに使つかわなければ、トップ人材は作れない
・10%ルール(※)による新たな取り組みへの課題
※業務時間の10%を自分自身と会社の未来に向けた投資に使う取り組み
・CISO をはじめとした人材不足
・社外認定資格による厳格なランク付けの限界
などなど、組織において、人材育成は悩みが尽きないテーマであると再認識しました。また、皆様も人材育成について試行錯誤されているという実態をつかむことができました。

■さいごに
白浜は、雄大な景勝地と温泉地ということもあり、大変綺麗な風景や温泉を楽しむことができました。
このような環境の良い場所でのイベントに参加させていただいたことを大変うれしく思います。引き続き、セキュリティ業界にて、社会貢献を続けていきたいと思います。
次回のnoteでは、エムオーテックスで情シスを務める杉村より、昨今重大脅威として注目されている「標的型攻撃のメール訓練」についてお伝えしていきたいと思います。お楽しみに!

【Written by】

■左:中本 琢也(なかもと たくや)
エムオーテックス株式会社 取締役 兼 経営企画本部 本部長
セキュリティやIT活用に関する様々な情報発信を通じてSecure Productivity(生産性と安全性の両立)の実現を目指します。
*詳しい紹介はこちら
■右:西井 晃(にしい あきら)
エムオーテックス株式会社 プロフェッショナルサービス本部
IRコンサルティング部 エキスパート
セキュリティインシデント対応に係る事業に従事。セキュリティ関連の活動を通して、世界平和を目指す。
*詳しい紹介はこちら