子どもの名前を決めた話
私事ですが、第二子の名前が決まりました。
「和」 と書いて 「なごむ」 と読みます。
妻と「第n回 名前ブレスト家族会議(nは自然数とする)」
を連日繰り返してきましたが、最後までふたりとも決めきれない。。。
そろそろご近所さんに顔を見せにいく機会も増えてくる。
「まだ名前が決まってなくて…」
と何回も説明するのも心苦しい。
そろそろ決めたい。
そんななか、ふとしたきっかけで 「なごむ」 が思い浮かぶ。
名前選びに厳しい妻も奇跡的に気に入る。決定。
その1時間後に、公民館へ出生届を提出してきました。
親としての役目をまずひとつ完了しました。
最終的に私たちが考慮したのは以下の点でした。
1、名前の響き・語感
2、漢字・言葉の意味
3、口に出したときの言いやすさ
4、近所のひとの覚えやすさ(老若男女問わず)
5、あだ名で呼ぶときになんて呼ぶか
6、成長しておじさん・おじいさんになっても使える名前か
7、中性的な名前 (トランスジェンダーの意識が芽生える可能性も)
8、英語で呼ぶときにどう呼ぶか。そのとき意味をどう説明するか。
9、他のひとや知り合いとかぶらないか
10、google検索したときに何がかかるか
11、顔を見て読んだときに違和感がないか
などなど
子どもの名前に込める想い
いつか、このnoteを、子どもたちも読むかもしれない。
そんなつもりで、子ども向けの備忘録として、書いてみようと思います。
子どもが自分で読むとしたら、
ネットで文章を読める年頃だと想像する。
小学生か中学生ぐらいか。
そのときある程度の漢字は読めるだろう。
反抗期かな。
(ぼくや妻は生きているのだろうか・・・)
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なごむへ。
2020年8月6日。
この日、なごむが生まれてきてくれました。
38週3日、2746g。大きくはないけれど、
しっかり泣き声をあげて産まれました。
「帝王切開(ていおうせっかい)」
という方法で産まれてきたんだよ。
麻酔(ますい)というお薬のおかげで手術中は痛みは少ないのだけど
お腹を切る手術だから、あとで痛みがすごい痛いんだ。
(お腹を切るってすごいよね…)
「自然分娩(しぜんぶんべん)」っていう方法もあるんだけど、
帝王切開もとっても痛いんだよ。
あ、ぼくが痛いんじゃないよ笑。
産むときがんばったのはまりやさん。
痛いのを耐えてくれたのもまりやさん。
(まりやさんはすごいんだよ)
しかも転んで足首を骨折してたから、余計に大変だったんだよ。
(あとで聞いてみるといいよ。きっと笑って話してくれる)
名前は「和 (なごむ)」とつけました。
とっても迷ったけれど、2人で話し合って「和」にしたんだよ。
「なごむ」という日本語はもう知ってる?
「気持ちなどがやわらいで落ち着く」
「おだやかになる」
「なごやかになる」
っていう意味があるんだよ。とてもいい意味の日本語だよ。
英語だとcalm downっていう意味になるかな。
(become friendlyっていう意味もあるよ)
「なごむ」っていう言葉は、
ほとんどの日本人が知ってそうな日本語。
だから、自己紹介をして、聞き返されることはないと思う。よかったね。
(「もてき」は聞き返されまくると思うけど笑)
ただ、「茂木 和」と漢字で書いたら、
「なごむ」と読んでくれるかどうかはわからない笑。
たぶん、「かず」くん、と呼び間違えられることが多いかな。
そのときは「なごむといいます」と丁寧に伝えてね。
「なごみ」とか「のどか」とも読める漢字だから、
「女の子の名前みたい!」と思われることもあるかもしれない。
けど、とってもいい響きの名前なので二人で決めました。(ごめんね)
まりやさんときみを抱っこしながら
『なごむね〜〜〜〜』と言って、早速笑っています。笑
そうして、君は生まれてからずっと、
ぼくたちを和ませてくれています。どうもありがとう。
「(心理的に)和やかになる」という意味がわかりやすいので
みんなに説明するときはこの意味で説明しているのだけど、
他にもいろいろ意味があるのでつたえておくね。
「自分の名前の意味ってなんだろう」と思ったときのために。
まず、ひらがなではなく、漢字にしました。
(長男の「ひなた」は ひらがな。
ひらがなだと、柔らかくて、優しい感じがするんだよ)
漢字だと、かっこいい感じもしたり、
漢字自体にいろんな意味もあるんだよ。
「和」という漢字の意味
「和」という漢字にはいくつか意味があるんだよ。
有名なのだと
①「和風(わふう)」 という言葉があって、
「和」には「日本(Japanese)」という意味があるんだよ。
②「平和(へいわ)」という言葉があって、
「和」には「仲良くする(friendly)」という意味もあるんだよ。
(きみが8月6日という日に生まれたのも何かの縁かもね)
③「和音(わおん)」という言葉があって、
「和」には 「調和する(harmonize)」 という意味もあるんだよ。
(音楽の言葉では、harmonyと言うのをよく使うよ)
④「のどか」という言葉があって、これものんびりして良い言葉なんだ。
(女の子だったら「のどか」にしてたかもね)
思いついたきっかけ
さて、そんな「和」をなんで思いついたかを書いておこうと思う。
名づけたのは2020年8月15日。生まれてから9日目。
その日、日本のお隣の「香港(ほんこん)」という国でへ
アグネス・チョウさんというひとが、つかまったりした話題があったんだ。
デモっていうのをしたりして、若いひともがんばって活動していたんだよ。
そのとき、たまたま「不協和音(ふきょうわおん)」という曲を知って、
聞いたんだよね。
そのときの歌詞がとっても心に残ったんだ。
不協和音を僕は恐れたりはしない
「えー欅坂ー(笑)」と、まりやさんには言われたけど
歌はともあれ、歌詞がいい。
ぼくも今「議員」というお仕事をしていて、
自分の意見をきちんと伝わるように伝えたり、
おかしいことはおかしいと言ったり、がんばっています。
でも、「意見を言うこと自体がおかしい」と言われることもあるし、
本当は仲良くしたいのに、意見がぶつかってしまうこともあるんだよ。
意見を言わない方がラクチンなんだよ。
自分の意見を言うのは勇気が要るし、気に入らない意見を言うと叩かれる。
けれど、おかしいことは、ぼくはおかしいと思う。
それだけ、自分の意見を言うことは大切なことなんだ。
誰も言わないかったら、ずっと変わらない。
誰かが言わないと、ずーーっと変わらない。
未来のために勇気を出して言ったひとがいるから、
今のぼくたちの世界があったりするんだよ。
今、勇気を出すことで、未来の誰かが助かるかもしれないんだ。
自分のためではなく、誰かのために頑張れる仕事。
それができる「議員」という仕事を、ぼくは誇りに思っているし、
大変でも、誰かがやらなきゃいけない仕事だと思う。
そして、思ったことが満足に言えないなら、
この仕事にやりがいは無いんだ。
「話し合う」っていうのはね、
君がこの世界を生きていく上で
避けては通れないことなんだ。
友達と、恋人と、会社のひとと、近所のひとと、お店のひとと。
いろんなところで「話し合う」必要が出てくる。
みんな別々の人間で、別々の考えを持っているからね。
それは「論破する」っていうのとは違うんだ。
「迎合する」っていうのとも違う。
「妥協する」っていうのとも違う。
「沈黙する」「無視する」っていうのとも違うんだ。
「主張する」っていうのとも違う。
「批判する」っていうのとも違う。
「話し合う」なんだ。
そして、「話し合う」ために、
「不協和音を恐れるな」っていう言葉は、
きっといつか君の役に立つはず。
だから、「不協和音」という言葉のなかから、
子どもの名前につかえる文字はないかな…
と、ふと偶然考えたのが、最初のきっかけだったんだ。
ぼくは、学生の頃、
フルートを吹いたりオーケストラっていうところで音楽をしていたから、「不協和音」という言葉にも馴染みもあったんだ。
不協和音っていうのはにごった音で、ちょっと気持ちわるい音。
「きれいな音」とは言えないかもしれない。
けど、音楽にはたいてい不協和音が混ざってる。
不協和音を鳴らしたあとには、きれいな和音がくるんだ。
それを協和音と言うんだよ。(そのとき、気持ちがなごんだりする)
そして、適度に不協和音があった方が、音楽はもっともっと魅力的になる。
不協和音は「必要な音」なんだ。
さて、ぼくが言いたいのは、きみの名前は
「和をもって尊しとなす」 という意味ではないということ。
(このことわざの真の意味も調べてみてね。日本書記説と論語説があるよ)
「誰とでも仲良くするのが一番。
対立を恐れて自分の意見なんか言わない方がいい」
という意味では決してないんだよ、ということ。
大事なのは「不協和音を恐れるな」という意味であり、
「君子は和して同ぜず」という文脈の「和」なんだ。
ラクチンな道ではないけれど、
自分の意見を持って、話し合う。
嫌われることもあるだろうし、うまくいかないこともあるだろうけど
きっと君を応援してくれるひとにも出会えるよ。
そうしてたくさん成功したり、たくさん失敗したら
きっと、君なりに自分の気持ちが表現できるようになる。
そうすれば、君はこの地球上で、もっと自由に生きていけるはず。
だから、その力を磨くといいよ。
これがこの文章で、一番きみに伝えたかったことかな。
とか、ぼくはそんなことも考えながら名前をつけましたが、
まりやさんはもっと感覚的につけてると思う。笑
(まぁ、たいてい、その感覚があっているのだけど)
ともあれ、きみがこの勝手に名付けられた名前を
気に入ってくれたら嬉しいなぁ。
(どうしても気に入らなかったら、いつか改名してね)
ぼくたちは、
「きみが生まれてきてくれたこと」
それだけで、幸せです。
生まれてきてくれてありがとう、和。
元気に元気に、育ってください。
(ひなた。ひなたのことはまた今度ね。笑)
もてきくにお 2020/08/15 23:52
【追伸】
ご近所、お友だちのみなさま。
産後1ヶ月ほどは、妻の身体も大変そうなので
家事や育児などで家族の支えになりたいと思っています。
早くお礼やご挨拶にと思っておりますが、
なかなかうかがえずすみません。
ぼちぼちとお待ちいただければ幸いです。
9月議会ももうすぐです。議員活動も並行してがんばります。
(ぜひ傍聴へ!)
家族仲良く、楽しくいきたいと思います^^
今後とも宜しくお願いします!