万年筆/私が好きなもの#1
今日から「私が好きなもの」をひとつずつ書いていこうと思います。
(最近ネガティブ思考になりがちなので…)
毎日とは思っていないのですが、まあほどほどに継続して、短い文章でもいいから書ければいいな。それが自分で見返したときに「好きなものデータベース」になればいいかな、と。
好きなものは、具体的なものから抽象的なもの概念的なものまで。
その日書こうと思ったことを書いていきます。
その瞬間に好きなだけで、すぐに忘れるかもしれないものでも書きます。
好き「だった」ものも書きます。
好きなだけで詳しくないものも書きます。
私が好きなもの#1「万年筆」
今日の、私が好きなものは「万年筆」です。
ヘッダーの画像の万年筆は、私の愛用の、モンブラン社の星の王子様限定バージョン万年筆。(これ目ん玉飛び出るほど高かった、あのときの自分なんでこんな高いの買えたんだろ)
世間的にもじわじわ定着してますよね、万年筆ブーム。
私が使い出したのは、社会人になってすぐぐらいだったと思うので、かれこれ6、7年くらい前になるのかな。
使い始めた理由
覚えてないんですよねーーー!(笑)
文房具は小さい頃から好きで、学校帰りに毎日のように近所の文房具屋さんに立ち寄って、買うわけでもないのにノートやらペンやら色々見ていました。
それではじめ、手帳に凝り出して…多分、高校生くらいからかな。
次に書くもの(筆記具)に興味を持ち始めて、
で、比較的安めの万年筆を何の気なしに買って、なんとなく使ってるうちに、個人的に書き物をするときは基本的に万年筆になりました。
魅力その一。書き味
書き味ってこんなに人の気分を変えるのか、と思いましたね。
まず、万年筆の何がいいって、よく「ぬらぬら」書けるって言われるんですが、それもそう。あと「かりかり」書く感じのものもある。「すらすら」もある。
ただいずれにしても、筆圧があまりいらないので、ざーっと走り書きして頭の中を書き出したいときなんかは万年筆がベストです。
あるいは、ちょっと気取った字を書きたいときも、筆のような「しなり」があるので、下手な字でもボールペンで書くよりも「味」が出る。
魅力その二。沼
ただし、使い始めると、本当に沼でして。
ここのブランドの万年筆が書きやすいらしい、やっぱり金ペン(ペン先がスチールではなくゴールド)は柔らかくて書きやすいよ、コラボ限定○○本万年筆!とか・・・とにかく際限がない。こだわり出したらキリがない。
まずメーカーがたくさん。日本だけでも、パイロット、セーラー、プラチナ。メーカーごとにちょっとずつ特色があります。
海外にも有名ブランドがたくさんあります。
書き味も、その人の好みと使いどきによって色々出てくるので、マイベスト万年筆を探そうと思うと、他人の意見を参考にしても、なーんかしっくり来ない。みたいなことがよくあるんです。
魅力その三。色を愛でる
加えて、万年筆本体だけでなく、インクの種類も山のようにあります。
万年筆は、一般的なものだと、ボールペンのようにインクカートリッジを付け替えるだけでも気軽に使えるのですが、沼にハマると「吸入式」というものを知ることになるのですが。
これがインク瓶から、万年筆の軸にインクをスポイトのように吸入してやって、それで書く、という方法のできる万年筆なんです。
これ、格好良くないですか?インク瓶から吸入しているとき、なんだか自分はとってもインテリな気分になってしまいます。
で、そのインクの種類が、現在もう飽和状態で(笑)。
ご当地インクとか、2022年限定インクとかが、各メーカーから出ていて、さらにその色の名前が全部おしゃれなんですよね・・・。
私が持っているものだと「ほんとの星空」「月夜」「ミッドナイトブルー」「冬将軍」とかですね(もっと持ってるけど)。
インクの色にストーリー性を込めるなんて、なんて卑怯なんだ!と思います。(でも買う)
私は寒色系のインクが好きで、その範囲を出てないからまだましで、暖色系もたくさん展開がありますから、もう追いかけ始めるとキリがないですね。
で、やっぱり本当に、ひとつひとつ微妙に色も粘度も透明度も違うんですよね。同じ「ロイヤルブルー」でもメーカーごとに違う。
インクを混ぜて、自分オリジナルのインクを作れるものまであります。
それから、書いた瞬間と、書いてから1週間経ったときとで、微妙に色味が変わったりする。
この「色」を愛でる、というのはボールペンでは味わえないですね。ボールペンももちろんメーカーや色ごとに特徴はあるんですが、万年筆ほど顕著ではない。
私、絵は描けないんですけど、小さい頃絵の具で色を作ったりするのは好きだったなーと思います。あとはちょっとした資料を作るときも、文字の色とかこだわりがちです。
魅力その四、お金も手間も時間もかかる
いいことばかりではなく、もちろん基本的にはボールペンが圧勝です。
まずコスパは圧倒的に悪い。
安いものでも1本1,000円くらい。高いのだとうん万円、うん十万円します。インクも瓶で買うと2,000円くらいはします。
「ベストなものを見つけられれば一生使い続けられるから、相対的に見れば安いのですよ。だから〈万年〉筆というのです」なーんて綺麗事をいう人もいますが、騙されてはいけません。
ベストなものなんて探せば探すほど分からなくなるんですよ。ひとつ試すと、もうひとつ試したくなる。それが万年筆の世界です。
あと利便性も悪い。
インクの乾きが悪いですし(書いたあとべゃってなりがち)、そのくせペン先は出しっぱなしにしてるとインクが固まり書けなくなる。
雑に扱うとペン先はへしゃげて、インクも割とすぐになくなり、水にも弱いものが多い。
そして時間もかかる。
基本キャップ式なのですぐに書くことができない。
インクを入れるときは慎重に落ち着いて入れないとこぼれますし、たまにペン先を洗ってあげないといけないし。
じゃあなんでそんなものを愛用するのか。
なんというか、万年筆はいきものを育てるような感覚を味わえます。
良い万年筆は、使い込むにつれてペン先がその人の書き癖に馴染んでいくそうです。
また、色々なものを試しながら、愛着をもって、手間暇かけながら、自分に合うものを探してくのも楽しいです。
この、日々の「文字を書く」という至って日常的な行為の中に、ちょっとした愉しみや満足感を生み出せるのが、万年筆の魅力なのかな。と私は思います。
ちなみに私の中の万年筆ブームは、2年前くらいを盛りに今は下火です(笑)
でも使い続けています。
色々なものに手を出しすぎて、ちょっと金銭的に反省をしているので(でも後悔はしていないですよ)、ちょっと悟りの境地に入っています。本当に使うものだけに厳選しようかなとも思ったり。
なかなか悦に入れる趣味なので、おすすめです。