やっとエヴァを観たんです。

やっと。
やっと観ましたよ。

新世紀エヴァンゲリオン

ずっと観たい、いや、観なきゃなと思っていたのです。

エヴァって、そうだな、
オタク文化に浸かってなくても「なんかすごいらしい」ということは分かっていて、でも「オタク感が強すぎて本当に自分に楽しめるのか」みたいな感覚が強くてですね。

あと、ロボットアニメだと思ってたので(まあそれも間違いではないのだけど)、それを楽しめるのかどうかの不安もありました。しかしそれは完全な杞憂でした。だってこれはロボットアニメではない。(と私は思う。)

それからもう一つ、アニメ版やら旧劇版やら新劇場版やら、なんかめっちゃ多くね?というイメージ。全部見るのめっちゃ大変そうと思ってた。だから避けてた。
これは半分そうで半分そんなことない。(といっても私もまだ全部は見れておらず、これから旧劇版観ようかなというとこです。)


2年前くらいかな。
新劇場版を何気なーく見始めまして。

「序」で、

え?なにこれ?めっちゃ面白いんですが???

となって、そのまま勢いのまま「破」「Q」と観まして。

まずこれが私としてはすごい。
私は、そのように勢いをもって「映画」というハイカロリーなものを摂取し続けることができるタイプの人間じゃないので、普通に「おもしろかったな〜」程度では連続で映画観ることなんてないんですがね。それがエヴァに関しては一気に観ちゃいました。

で「序破急」という言葉のイメージに引っ張られて3部作で終わりだと思ってたのですが、

「Q」が全然途中で終わったので、混乱して(笑)、調べたら「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」があって、ちょっと期間空いてから観ました。

タイトルややこしすぎるねん。


それで、
ああエヴァいいなぁ、もっとちゃんと観たいなー。アニメ版もいつかは観たいけど、でもどうせこんなに愛されてる作品なんだもん、アニメ版は長いんでしょ。気合い入れないとなかなか観るモードにならないな〜なんて調べずに漠然と思っておったのです。


で、昨年末、ネトフリを徘徊していたら、アニメ版のエヴァを発見。
そしたら26話しかないんですよね。びっくりしたよ。
アニメは1話25分くらいなので、ドラマの1クールくらいのボリューム感。

なんだ、こんなコンパクトなの?
じゃあ観るよ。観ちゃお。
と気軽に見始めまして。

昨日、最終話を観ました。出勤前に。

すげえ終わり方

なんだろう。

とりあえず、私は、
エンドロールが始まった瞬間声出して笑いました(笑)

というか笑うしかなかった。


たまたま私が観てる期間にこんなツイートも流れてきていて。

いやもうほんとに、これ。

「終わり方がとんでもない(どちらかというと悪い意味で)」というのはなんとなく風のうわさで知っていたので、いったいどんなもんなんだ!とむしろ楽しみに観たのです。

というか最終回まで行かなくても、最後の5話くらいで、その「とんでもなさ」はなんとなく理解し始めていたのですがね。
次回予告からどんどん絵がなくなっていくとか。あと数話しか残ってないのにゲンドウが「やっと始まったところだ」てきな台詞を吐いたり。
ああ、なるほど、なるほどね。これはもはやホラーだわ(笑)と思いながら見てました。

ただ。あの後半の畳みかけとあの終わり方があったからこそ、こんなにコンテンツとして盛り上がったんですよね。それはめちゃくちゃ分かった。

そしてそういうメタ視点から見て、めっちゃすごい、すごすぎるな。と。


分からないのに心がざわざわする

最初にちらっと書きましたが、これはロボットアニメではないですね。

ロボットっぽい「エヴァンゲリオン」という物体は出てきますし、それに付随して、横文字の機械の名前やらシステムの名前やらたくさん出てきます。出てくるんですが、それが分からなくても本質はそこじゃないからなんとかなるんですよね。

この「本質はそこじゃない」については、新劇場版から観た私グッジョブと思っていまして。

というのも、新劇場版とアニメ版は全くイコールじゃないとはいえ、大きな設定や雰囲気はニアリーイコールで、特に「序」「破」は、アニメ版と被っている部分も多く。
ということは、おのずと新劇場版のほうはかなりぎゅぎゅっと凝縮して作られているわけです。
その短い時間で、「エヴァンゲリオン」のそもそもの設定などを雪崩のように高速&ハイボリュームに供給されるので、
もう早い段階で「あ、これは理解しきるの無理。というか理解しないでも大丈夫ということでは?」という作品の楽しみ方を会得することができるんです。

これがアニメ版だと「自分ががんばれば理解できるかもしれないスピード感」で供給されるので、アニメ版から観始めると、理解できていない自分を認められなくて途中棄権してしまうかもしれない。本当は分からなくても楽しめるのに。分からないのが正常なのに。

この「分からなくても楽しめる」が、すごいなと感じてます。

タイトルにも入ってる「エヴァンゲリオン」すら、最後まで何なのか明確には語られないんですよ。誰が何の目的でどう動いてるかも雰囲気でしか分からないですよ(これはただ私の理解力が足りないだけなのかもしれないけど(笑))。

このもやを掴むような状況なのに、なぜか心が震えたりするんですよ。ざわざわするんですよ。この感覚がとにかく不思議で。土台が理解しきれないのに、その土台の上で生きてるキャラクターたちを見ていると、なぜか響くものがあるんです。


ロボットアニメではなかった

で、本筋に戻りますが、ロボットアニメじゃないなら何なの、というところですが。

私は、これは完全にメロドラマだと思っています。
人間や人間関係のむき出しの理想を、中二病テイスト全開で恥ずかしげもなく詰め込んだメロドラマ。

なので、言ってみれば「ダサい」と言えてしまえるものですし、その気持ちも分かるし。っていうかぶっちゃけダサすぎるとこもいっぱいあるし。

けれども、私はそれを踏まえてもそのダサさがいいと思うしそれがかっけーーと思うし、この「エヴァンゲリオン」みたいなものを「好き」という人と仲良くなりたいなと思うのです。


声にしびれる

このアニメは声の持つウェイトがとてつもなく大きいなと。

声をあててる皆様は、言わずもがな、全員が全員いまはレジェンド声優で、レジェンドとなられている現在を知った上で見てしまっているので、かなり色眼鏡で見てしまっている自覚はあるのですが、それでもやっぱりすごいです。

この声じゃなかったら、ここまで作品として残らなかったろうと、素人の私でも分かるくらいにすごい。っていうかもう、良い。良すぎる。この声優さんたちが話す日本語が母語として理解できる日本人で本当に良かったと思う。

私はアニメ語れるほどアニメ詳しくないんですが、エヴァって他のアニメよりも、景色とか一角の風景を固定で映してそれに声入れる演出多いですよね?多い…ですよね…?(私はそういう風に感じたんだけどそうでもなかったらすみません)

この演出に関していえばもう、声の力が強いからこそできる演出であって。むしろこれがいいし、もっとくださいとなってる自分すらいて。ミサトさんと加持さんの夜の場面とか、ああああああああああああああ。想像力を掻き立てられるとはこういう状況を言うのですね。あの長さで、動かない映像に声だけ当てたものを地上波で放送してたって想像するだけでぞくっとする。それをやってのける肝の座り方に。

アニメ版後半~最終話に関しては、明らかに作画が間に合わなくなっているのに(笑)、声を乗せさせられている。そのヒヤヒヤする感じが画面越しに云十年の年月を経てもなおこちらにも伝わってきたんですけれども、これ許されたの(当時許されてたのかどうかは知らない)、声優さんたちがこの面々だったからですよね。ぜったい。

あと余談ですが、このメイン声優さんたちが、本編通してわりとずっと、本役とは違う別の声もあててるんですよね。本筋で会話しているメインキャラの裏に流れるアナウンスとかラジオの声とかで。
これいいのか悪いのか分からないんですけど、すっごいそっちに耳が持っていかれて本筋の会話が聞こえないことが多々ありました(笑) だってなんかラジオの声とかテレビの声の内容もなんか微妙にその時々の状況とリンクするような内容が多くて。つい聞きたくなっちゃうんですよ。
この名のない役をあててる方、もちろん他の(当時かけだしだったろう)声優さんたちもいて、エンドクレジットにも名前も出てないくらいだけど、今は有名な方の声が聞こえてきたりするのも楽しいです。

結論じゃなくて過程、考察じゃなくて気持ち

最初の話に戻りますが、物語の結末ですね。

私はアニメ版観ていて、正直、このまま最終回だけ観ないのもありだなと思った。

なんというかこの「エヴァンゲリオン」という作品には、私は、あくまで私は、結論めいたものを全く求めていなくて。

私自身、深いところを全く理解してないし、上部をざらりとなぞっただけなのですが、その楽しみ方が私には合っていると思っていて。

むしろ過程で存分に楽しませてもらったし、これからもその過程を楽しみたくて何度も見返したくなるだろうし、その度に過程を楽しむだろうし。

新劇場版から観たんですが、新劇場版の結末は正直ほっとんど覚えてなくて(また観たいとは思ってますが)。それより途中の高揚感が印象に残りすぎて。

解釈とか考察とか山ほどあるんだと思います。でもそういうの全っ然興味なくて。

これはエヴァに限らず、どちらかといえば私自身の特性でもあるのですが、「いち受け取り手として自分の楽しみ方で自分ひとりが楽しめたらそれでいい」んです。

公になっている「作品」が全てだと思うタイプなので、実はあれにはこういう裏話があって…とかどうでもいいし。むしろその裏話がそんなに表現したいなら作品に入れ込んでくださいなと思ってしまうタイプでして。

知ってたらより楽しいみたいな「嗜み方」が推奨されるようなものも世の中にはありますが、まあでも、そういうマナーやルールもなくふらっと立ち寄った人が「すげえ!!」って思うのが本当に良い作品だろ?と思ってしまうタイプ。(もちろん好きになってから深く掘っていくのはいいと思う)

私はそういう意味でこのエヴァンゲリオンが好きです。理屈じゃなく感覚でフィーリングで好きなんです。とにかく心が動いたんです、間違いなく。



ということで、エヴァ、私は好きです。
エヴァが好きなタイプの人間です。

これから旧劇版観ます。どきどきする。


ところで、私がエヴァを観てるときに、マクドナルドとのコラボが出てきたんですよね。しかもちょうど私が見ているアニメ版のほうの絵でCMとか出てきたんですよね。

なんかときどきこういうことってありませんか。自分とは全く関係ないところで起きていることが、自分の経験と不意に重なること。奇跡的にタイミングが合うこと。

今回のエヴァに関してはあまりにどんぴしゃりでしたが、もっと本質的なところで絡み合うようなことが起きたり、「そういえばこれとこれって」みたいなシンパシーを感じたり。

本を読んだり映画やアニメを観たりゲームをしたり。創作物に触れ合っていて一番楽しいのってこういう瞬間なんだよなー。

シンジ君をまだ食べられていません

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