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生物学的視点の勧め

最近、マーケティングで行動経済学や進化論の視点を取り入れたものが色々と出てきています。
そもそもマーケティングは生活者の意識や行動の変容を引き起こすのが最終ゴールであり、常に人間行動や心理への深い洞察が必要かとなるものです。
著名な進化生物学者である英国のリチャードドーキンスはその著書、利己的な遺伝子の中で『生物は遺伝子によって利用される"乗り物"に過ぎない』と言っていますが、深い位置では、人間の行動は遺伝子にコントロールされていると言え、遺伝子の働きに逆らわないマーケティングの仕掛けが必要になるでしょう。
例えば鳥取環境大学の小林教授の著書、『利己的な遺伝子からみた人間』によると、人間の基本的な構造が形成された環境のほとんどが現在のアフリカのサバンナと同様の環境であり、現代でもその当時の性質があらゆる面で残っていると言うことです。

具体的には、妊娠時に生じるツワリですが、とても辛いものですが、これも数百年前の環境下では遺伝子が生き残るために必要な機能でした。ツワリの時期は胎児の器官系が作られつつあり、毒素による害を最も受けやすい時期だそうです。一方で胎児は栄養をあまり必要としないらしいのです。草原で暮らしていた先祖様は強い香りがする野生植物は胎児にとって毒になる可能性が高くて、強い香りに反応して、受け付けないようにする仕組みを持った遺伝子が子孫を残しやすく、現代では不要なこの機能がまだ残っているとのことでした。

私は英国の大学院に留学していた時に、ビジネス科目のほか、進化生物学も学んでいましたが、遺伝子レベルでの人間の癖を知ることはマーケティングに深い洞察を与えると思っています。

特にドーキンスの利己的な遺伝子やブラインドウォッチメーカーが参考になりますが、読みやすいという点では小林教授の「利己的遺伝子からみた人間」などを読むことをオススメします。

また、もう少し直にマーケティングに応用したいのであれば、金融日記で有名な藤沢数希さんが進化生物学の理論を基礎とした深い人間洞察による恋愛工学を展開されていますので、こちらを購読することをオススメします。マーケター必須のメルマガです!

今日も暑いですね。午後は近所にかき氷でも食べに出かけます。

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