モテアマスのつくりかた
*このnoteは、モテアマス三軒茶屋最後の年末を心待ちにする有志達により執筆される『アドベントカレンダー記事』になります。
クリスマスに引き続き、大晦日の12月31日まで毎日1記事ずつ住民たちによる独自のエピソードが公開される新企画です。
モテアマス三軒茶屋の主任カズキタです。
主任の仕事について知りたい方は、こちらをご覧ください。
モテアマス三軒茶屋(以下、モテアマス)が爆破するという情報を住民にみんなに伝えると、怒られたりメンヘラが製造されるんじゃないかとビクビクしてましたが、みんな爆破に向けてダイナマイトを積み上げるかのように用意周到に準備してくれてるのを感じて、早めに伝えられてよかったなと思ってます。
そして、モテアマスが無くなると決まってから、モテアマスの精神を引き継いでシェハウアウスを立ち上げたい!という声がちらほら聞こえてきてます。嬉しい限りですね。
そこで今回は、そんな意識の高い人たち向けにモテアマスのつくりかたを今思いつく限りの主観でお伝えしたいと思います。今後、さらに客観的な情報も含める形でグットニート養成講座第一期卒業生の高橋かずひろが書籍化してくれるそうなので、こちらも乞うご期待。
さあ、いきましょう。モテアマスの作り方。
1.コンセプトに拘りすぎない
これがもっとも重要で、最も陥りやすい罠ですね。
僕が知る限り、個人で運営しているところから大規模に運営しているところまで、コンセプトを持たないシェアハウスというのはほぼ見たことがありません。
クリエイター向けシェアハウス、エンジニア向けシェアハウス、ベーシックインカムシェアハウス、地域とつながるシェアハウス、意識の高いシェアハウス、いろいろありますがモテアマスにはこれといったコンセプトはないです。
コンセプトを立ててうまくいくケースもありますが、コンセプトがあるが故に一緒に住むべき人と住めないケースも出てきてしまう気がします。シェアハウスにおいて大事なのはコンセプトよりも生活や日常であって、それらを犠牲にしてまでコンセプトを守る必要がありますか?
モテアマスにコンセプトがないのは、結果的にそうなっただけです。部屋が持て余しているからモテアマスです!というのが名前の由来。そしてコンセプトは自分の好きな人たちと住む、それだけで十分だと思います。
2.主語を住民にする
これは運営側のリーダーが陥りやすい罠です。
よくやりがちなのは、リーダーが運営方針を決め、掃除当番、内覧の案内など全てにおいてリーダーシップを発揮して管理しきってしまうこと。
これ、リーダーとしては評価されて嬉しいと思うけど、それが目的になってしまってはいけない。運営がうまくいって評価されるべきはリーダーではなく、住民のみんなです。
モテアマスの運営方法はかなり変わってると言われますが、僕はおおざっぱな方向性やそれに合いそうな住民を見つけてきて、なんとなくみんなが心地よい状態を作っていくことをやってます。それがうまくいくように、僕は裏で色々と仕組みを整備している感じです。
イベントだけ立ててあとは何もしない、人だけ集めてあとは何もしない、ものを大量に買ってあとは何もしない、そんな感じで運営しています。ある意味何もしない人ですね。
モテアマスも最初は「カズキタが」という文脈で語られることが多かった印象ですが今はいろいろな場所で、「モテアマスは〇〇だ」「モテアマスに住んでる人こういうの好きそう」といったように、モテアマスが主語になっているんだなと変化を感じています。
住民が主語になることで、住んでいる人たちの動きはより自律的になり、コミュニティ自体をどんどん成長させる方に向かっていく力が生まれると思います。
リーダーは何もしないのが一番。
3.費用対効果を追求しない
費用対効果を追求することが使命となっている経営者、とりわけ不動産事業や数字を追いかける人が陥りがち、というかビジネスとしては当たり前なので、究極に言えば一番大事なことはビジネスとしてやらないということになります。
僕が大事にしているのは、商品ではなく作品を作るという感覚です。
その感覚についてはぼりさんがうまく言語化してくれてるので読んでみてね。
とはいえ、モテアマスは利益が出てないのかというと出てると思いますし、モテアソブでも利益が出ていて、住民に費用を還元する仕組みまで作り上げています。
利益を追求しようとすると、ありきたりなシェアハウスになってしまうので魅力が無くなると思います。単純にベッドの数を増やせば家賃収入は増えるでしょうが、僕がベッドの数を増やすときは、、奴隷部屋を作ります。
部屋の改装に30万円かけて、家賃収入も特に増えませんでした。なんならコロナであんまり良くないよねみたいな話も出てきましたが、詰め込んでました。炎上リスクも上がり続けてました。
ただ、結果として奴隷部屋は観光スポットになって、モテアマスを訪れる人が必ず覗きに来る場所になり、過去には奴隷部屋にどうしても住みたい!という人も現れました。たぶん頭おかしいです。おかしい人は歓迎です。
金の大仏も同じですね。
5万円+送料1.5万円で長野から買った大仏によって入居者が増えると思いますか??増えるわけないでしょう。増えるか増えないか、そんなことよりも大事なのは楽しいかどうか、そして住民のみんなが関われるかどうかです。
あなたはまず、シェアハウスの費用対効果を緻密に考えるよりも費用対効果を考えずに運営ができる方法を考えましょう。
4.普通の人を集客しない
これもみんな陥る罠です。要するに世の中は罠だらけだし、みんな罠にかかりまくってる。気をつけよう。
シェアハウスとか場所を作るとき、みなさんイベントで集客しますよね。
認知度上げたいと考えて、今世の中にニーズがあるキーワードを散りばめたり、インスタの投稿を必死にやって、マーケティングファネルの図を見ながら見込み顧客とか言ってるんだと思います‥そんなこと考えるのやめましょう。意味ないっす。それで来る人はあなたのターゲットではありません。
マーケティングとか考えるのやめて好きなイベントをやりましょう。人が来るとか来ないとかどうでもいいんです。ウケがいいイベントをやると、そこらへんのどうでもいい人がたくさんきます。そういう人たちは住んでほしくないし、なんならクレーマー気質のあるいわゆる消費者です。僕は消費されたくない。
面白い人を呼びたかったら、面白い方法で呼ぶのがおすすめです。過去には、Uberの配達員を何人も集めてそのまま入居させるイベントや、Timeeで清掃スタッフを募集してそこから入居させる試みなどをやってきました。真面目な募集には真面目な人が集まるし、面白い募集には面白い人が集まる、ただそれだけです。
過去にモテアマスがやった、集客無視のイベントの数々を貼り付けて終わりにします。
5.新しいものが常に正しい
これは運営側も住民側も陥りやすい罠です。かなり気をつけないと気づいたらそうなっています、自分より若い世代にとっては自分は常に老害という意識で生きていきましょう。
だんだん疲れてきたので適当に書きます。
古来から、古参vs新参の戦いは変わりませんね。ここで僕からのアドバイスです。
古参の意見は聞くな、新参の意見を聞け。
それだけです。
その理由について少しだけ。
古参が"古参"として意見を表明することは、ある種そのコミュニティにおいてポジションを確立していると考えられます。そして、そのポジションが新参によって脅かされたときに、意見を表明するんですよね。
「最近のモテアマスは違う。昔は良かった。また昔のモテアマスに戻そう」
これは主語をモテアマスにしているだけで、実際に思っていることは
「今のモテアマスに私の居場所がなくなった。新しい勢力やルールを排除してまた私の居場所を取り戻したい」
だったりするんです。
要するに、守りたいのはモテアマスではなく私なんです。
新参からすると昔が良かったなんて言われたら従うしかないし、そんなこと言われたら居心地が悪くなります。そしてこういった状況で古参の意見を取り入れ続けていると、自分たちのポジションを確立して全く変化が起きないコミュニティが完成します。おめでとうございます。
だから、常に新参の意見を受け入れる方が間違いないと考えます。あとは、それに伴う変化を受け入れる度量があるか、そしてリーダーはそれを受け入れられるか。変化を常に受け入れられるかどうかが試されます。
常に新しいものが受け入れられることで、新しい文化が生まれていきます。そして実は、新しい文化が生まれることで、過去へのリスペクトも生まれるのです。
6.好きな人を守る、嫌いな人は弾く
これもみんな陥りがちな罠です。特にSDGsや、多様性を好む属性の人たちはここで疲弊してる気がします。
シェアハウスに住んでる住民と、新しく住民になる人、そしてよく遊びに来る人、たまたま遊びに来た人。
さあ、それぞれの属性がバトルしてしまったとき、あなたは誰を守りますか?
答え:好きな人を守れ
家賃を払ってる、払ってない、昔から住んでる、住んでないそんなの全く気にしなくて良いです、好きな人を守れです。
例えそれが長く住んでる住民であっても、新しい人とどちらかが出ていかなければ収まらない状況になったら、好きな人を守ってください。好きな人を守るために、人を追い出してもいい。
多様性を守りたいと誰もが考える世の中ですが、多様性を守るためには排除も必要です。1人の排除で99人の多様性が守れるのなら、それで十分じゃないですか。
7.〇〇で運営しない
ついにお待ちかね、最後の要素はこちらです。
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