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こんなクラファンはいやだ!五島合宿レポ

「絶対楽しいよ!」
「ニート割で一ヶ月無料で五島に住めるよ!」
「バイトも紹介するから実質タダだよ!!」
「シェア米もシェアカーもSUPもあるよ!!」

7月30日。
三茶のシェアハウスに帰ってきた私は、立ち込める焼肉の匂いと喧騒の中、クラファンの押し売りを受けていた。

五島牛と伊勢海老のBBQ

その日は「こんなクラファンはイヤだ合宿 in 五島列島」の決起会。
五島を舞台にした合宿のクラファンを成功させるために、企画主であるコバさん・かおるさんご夫婦がモテアマスで赤字覚悟のBBQを行っていた。

クラファン作りにあまり興味もなかった(またお金もなかった)私だが、贅を尽くしたもてなしとふたりの熱い想いを受けてクラファンを支援することに。

その時の私は、ノリで参加したクラファン合宿が、笑いと感動溢れる三日間になるとは想像もしていなかった……

※当記事は、9月21~23日に五島列島のグッドニートハウスで開催された「こんなクラファンはイヤだ合宿in五島列島!」のレポ記事です。
一参加者であるさやの視点で、クラファン合宿の魅力を紐解いていきます。

クラファン合宿の概要

「こんなクラファンはイヤだ合宿in五島列島」とは、クラファンに挑戦したいけど勇気が出ない、アイデアが足りない迷える子羊たちを五島列島のグットニートハウスに集結させ、2泊3日の合宿期間中にそれぞれがクラファンを作りあげ、みんなで夢を実現する……という趣旨の合宿である。

数々のクラファンを成功させてきた精鋭集団「インドからの刺客」を中心とする3名がメイン講師を務める。

講師➀カズキタ

高野 一樹
合同会社モテアソブ三軒茶屋 代表取乱役 / READYFOR クラウドファンディングパートナー

2017年に初のクラウドファンディングに挑戦、目標金額を達成するもリターンの設計を誤り調達金額を上回る支出を計上しある意味失敗する。
以降も幾度となくプロジェクト起案をするものの赤字体質からの脱却は遠い。
会社に所属するクリエイターと共に、現在はREDAYFOR株式会社にてクラウドファンディングパートナー、株式会社CAMPFIREの公式クリエイティブパートナーとして年間10件程度のクラウドファンディングの起案からプロジェクトのプロデュースや具体化までのサポートを行う。

講師➁ぼりさん

大堀 悟
株式会社リバ邸 執行役員 / 株式会社CAMPFIRE 社外パートナー

2016年に初のクラウドファンディングに挑戦。目標金額を開始3時間で達成、最終着地は現金支援も含めて達成率400%弱。
以降も10件以上のプロジェクトを起案するとともに、現在は株式会社CAMPFIREの社外パートナーとして常時30件前後のクラウドファンディングの起案相談を受ける。
■その他:著書「CAMPFIRE解体新書」

講師➂コバ

コバヤシ ヨシトモ
グッドニートカンパニー代表

2021年に初のクラウドファンディングを達成。五島列島福江島に遊ぶように働くニートの楽園「グッドニートハウス」を設立。
クラファンではラスト1ヶ月で200人以上に土下座を繰り返し361万円を集めたものの、リターンの原価設計を間違え手元には100万円程度しか残らず、グッドニートハウスの工事は資金不足で苦悩した。
現在はクリエイティブニート集団の代表としてデザイナー業に従事する傍ら、グッドニートハウスの住人達に仕事を作るべく福江島で奮闘中。

詳しくはクラファンページを参照:

前回の様子はこちら:

合宿の様子

クラファン合宿前日、合宿の舞台であるグッドニートハウスに続々と東京からの刺客(主にモテアマス関係のクラファン支援者たち)が集まってくる。

今回の合宿の支柱となったのは、CAMPFIRE公式パートナーであるぼりさん作、クラウドファンディング起案サポートAICAMPFIREジェネレーター」である。

やりたいことのテーマを設定し、質問に答えていくだけでクラファンぺージを作ることができる。
今回はそのCAMPFIREジェネレーターの試作版を使わせてもらった。

簡単な質問に回答
回答をもとにAIが作成したドキュメント

これといって叶えたい夢があったわけでもない私だが、漠然とやりたかったことがページとして形になってくると、一気に情熱に火がついてくる。

さらに、明確な夢を持ってクラファン合宿に挑んでいる参加者、ノリで参戦したものの合宿中にやりたいことを見つけた参加者、仲間たちがどんどん目標を形にしている姿を見ていると、だんだんと自分がやりたいことが見えてくる。

黙々とパソコンに向かう参加者たち

豪華講師陣による講義

合宿の形式は、講師陣によるクラファン講座→自主作業タイム→クラファン成功者たちによる体験談と、講義とクラファン作成を交互に行っていく。

スケジュール例

他のクラファン参加者のページを見せてもらったり、講師陣にアドバイスを貰いつつ、徐々にクラファンを完成させていく。

グッドニートハウスオーナーコバさんによる
土下座講座(人の心に訴えかける支援の求め方)
「CAMPFIRE解体新書」著者ぼりさん(大堀悟)による
失敗例から学ぶクラファン企画設計
モテアマスオーナーカズキタさんによる
発想の広げ方

やりたいことの芯を深彫りしてくれるコバさん、常識の制約を外して企画の爆発力を高めてくれるカズキタさん、理論的にクラファン設計に落とし込む手助けをしてくれるぼりさん。

それぞれ得意分野の違う三人の講師にアドバイスを貰いながら、アイデアを形にしていくうちに、自分にとっての情熱や譲れないものが研ぎ澄まされていく。

島民も呼んでBBQ、そしてクラファン発表へ

クラファン作成も大詰めを迎えた2日目の夕方は、福江島の人たちも呼んでBBQ開始。
五島牛、伊勢海老、刺身、さざえご飯など五島ならではの豪華なメニューと共に宴会が始まる。

島民たちと乾杯

BBQが終わり、ついに2日間練り上げてきた企画をみんなの前で発表。
美味しい肉と酒で盛り上がったテンションのまま、みんながあたたかい雰囲気で迎えてくれる。

日本の性意識をオープンにするためセクシーグラビア撮影会開催を目指すたんにぃ~
上裸で心もオープンに
自分らしく生きる方法を綴った本の出版を目指すみずきさん
涙ながらに愛について語る
麻雀教室「ま〜ジャングル 世田谷店」開店のため奮闘するそーすけさん
※画像がなかったため看板猫と戯れる姿
五島に音楽スタジオを作るべく奮闘する大介さん。
クラファン企画発表から音楽会へ

恒例の0円クラファンを救え!企画

「こんなクラファンはイヤだ!合宿」は、支援が集まっていないクラファンの実例から、うまく想いが伝えきれず未達成に終わった理由を紐解き、これから挑戦する人たちにより思いが伝わるクラファン作りの仕方を伝えたいというカズキタ・ぼりさんの思いから始まった。

魅力があるにも関わらず、ページの構成不足や発信不足から魅力が伝わっていないせいで支援が集まっていないプロジェクトを講師たちが見つけ出し、代わりに魅力を発信して支援を募る恒例の企画が今回も行われた。

ノミネートされたプロジェクトたちは以下。

必死の床屋のおばさんです。毎月 余裕をもって仕事を続けたい

中野区松が丘で一人で床屋の経営をする「床屋のおばさん」によるプロジェクト。
床屋の仕事を命尽きるまでやり続けたいけれど、売り上げより出費の方が多くて月を追うごとに乗り越えるのがきつくなっていくため、余裕をもって仕事を続けるべく支援を募っていた。

脱サラ鶏プロジェクト  〜曽祖父の思いを受け継いで〜

曽祖父の代から受け継がれてきた牧場を引き継ぐため脱サラして継承した元会社員によるプロジェクト。
1,500円で10個の卵が届くリターンをはじめとして定期便などを用意。
(手数料、送料、原価などを考えるとほぼ利益は出ない設計となっている)

ギタリストであり、ロゴデザイナーである一角を応援しよう!!!

「知名度はないが実力はある」という、ギタリスト兼ロゴデザイナー(芸術家)の一角氏によるプロジェクト。
支援金は一角氏の芸術家としてのサイトを作るために使用される。
リターンは一角氏による「ありがとう」のオリジナルロゴ作成。

奇跡のリアルクラファン達成

クラファン合宿参加者から生まれた熱気はもはや止まらない。

「東京に行きたい!」というクラファンをするため、投げ銭箱を用意してバーを始めたたけし(仮名)の元に、合宿参加者たちから続々と投げ銭が集まる。

自作バーカウンターで投げ銭を乞うたけし

最終的に、壇上で東京行きへの夢を語り、たけし目掛けて現金が飛び交うリアル投げ銭状態に。

最終的に集まった金額は41,407円

スタッフとして参加していた人たちも壇上に上がり出し、「自然と人々が集まる里山を作りたい!」「今年中に結婚したい!」……などなど、秘めていた夢を語った。

自分の中の情熱に真っ直ぐな人々が集まると、その炎がみんなに伝わる。
クラファン参加者たちから広がった炎は、いつのまにかグッドニートハウス全体を包んでいた。

みんなで合唱

3日間の合宿、五島の材料を使った豪華BBQ、リアル投げ銭と大きな盛り上がりを見せたクラファン合宿は、五島に音楽スタジオを作るためにクラファン合宿に参加したミュージシャン・大介さんの演奏により、参加者みんなで合唱で締められることになる。

アメイシンググレイスの合唱

最後に

「こんなクラファンはイヤだ合宿」は、ただ優良クラファンを作るためだけの講義ではない。
自分の中の情熱を形にし、参加者と共に切磋琢磨し、人の夢を応援する・応援される体験をするための合宿である。

私はこのクラファン合宿を通して、周りの人の情熱を支援する側に回る幸せを学んだ。

この記事を読んで、クラファンをするほどの夢がないと思った人も、日々自分や身近な人のちょっとした情熱に力を貸し続けていれば、いつかその支援はあなたに帰ってくる。

そしてやりたいクラファンがある人は、ぜひこのクラファン合宿の要となった講師陣の属するインドからの刺客に依頼してみよう。

追記:合宿参加者たちのクラファン状況

9月21~23日に行われたクラファン合宿からはや一ヵ月、参加者たちによるクラファンが続々と形になっている。

今後クラファン作成を考えている人はもちろん、やりたいことがある人、明確な夢がなくてもなにかしら今の日常に閉塞感を抱えていて、もっとワクワクした人生を送りたいと感じている人は、ぜひ夢と情熱に溢れたクラファンページを覗いてみてほしい。

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