初心者でもわかる株式投資術 第9回 分散投資のパターン その2 米国株で分散

諸君、前回の説明で投資信託を見る目が少し養われたんじゃないかな?今日は補足として、米国株式の場合について学ぼう!

俺は株式投資だけでなく、モテる技術も紹介しているので、興味がある諸君はぜひ読んでみて欲しい(自己紹介も第2回にある)。

最近の証券会社(特にネット証券)では、米国株式も気軽に購入できる。口座の資金をドルに換えておく必要はあるが(為替リスクがある)、成長しまくっている超有名な米国企業の株のほとんどは日本の証券口座からでも購入できるだろう。

ただ、今回は米国株式そのものについてではなく、分散投資についての回なので、米国株式の分散投資について説明しよう。やり方は大きく2つある。

・日本で売られている投資信託で米国株式対象のアクティブファンド
 もしくはインデックスファンドを購入する
・米国のETFを(直接)購入する
(ETFは日本版もある)

1番最初のものは簡単だ。投資信託のカタログから米国市場を対象としたファンドを選べばよい。有名なものは多くがインデックスファンドだろう。米国の主要な株式指標は3つある。

・Dow Jones工業株価平均(ダウジョーンズ、通称ダウ)
・S&P500(エスアンドピーごひゃく)
・NASDAQ総合指数(略してナスダックと呼ばれるが市場名でも
          あるので注意)

ダウは米国で上場している米国代表企業30銘柄の平均(の指数化)だ。

S&P500は米国で上場している代表的な企業500社の株価を指数化したものだ。米国株式市場の時価総額の80%を占める非常にインパクトの大きい数値で、米国企業の株価パフォーマンスや市況判断ではダウよりも比較で使われることが多い(ダウは対象企業数が少ないからな)。

NASDAQ総合指数は、ハイテク企業が多く上場するナスダック市場に上場している全株式時価総額を加重平均で指数化したものだ。

日本の投資信託で米国株式に絞った商品がある場合、この3つのどれかと連動するものが多いだろう。「オルカン」で有名な会社も「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を出している。

日本株と米国株でバランスを取りたい向きは、投資信託で日本の日経平均やTOPIX(東証株価指数)と連動するファンドと、上記の米国のインデックスと連動するファンドを合わせて買えば、日米の株式に広く分散することが可能だ。

ここからは、2つめの米国のETFについて説明しよう。ETFとは「Exchange Traded Funds」つまり、"取引所でトレードできるファンド" ということで日本の投資信託に近い(正式な和訳は「上場投資信託」という)。

ETFと投資信託の違いは、簡単に言うとETFは株と同じ作法で売買できる点だ。ETFは取引所で売買されている。一方の投資信託はそういう金融商品を証券会社が販売し(投資家が購入し)、目論見書に沿って彼らが個別に株を購入・運用しているのであって、取引所に例えば「オルカン」という株式が売っているわけではない。

米国株式を直接購入できる証券会社と契約したのであれば、こういうETFを組み込むのも1つの手としてあり得るだろう。ひとつ注意する点としては、日本からは購入できないETFもある。例えば今年話題になったビットコインの現物ETFは何種類かが米国市場で取引されているが、日本からは購入できない。

例えばETFには以下のようなものがある。これは一つの会社が取り扱うETFのごくごく一部なんだが、ざっと見てもいろんなものがあるのが分かるな。普通に投資しする分にはETFが少なくて困るということはないだろう。当然、さっき説明したダウとかS&P500とかナスダックに連動するETFもある。

SSGA社が取り扱うETFの一部抜粋(会社ウェブサイトより)

注目して欲しいのは、REITやゴールドなどの名前が見える点だ。つまり、ETFをうまく使えば、ゴールドや不動産への投資にも使えるし、ここにはないが石油、電力、住宅、金融、小売りなど、様々な業界動向と連動する株式をまるっと保有することができる。もちろん投資信託でも可能ではあるが、投資信託は窓口経由での売買なのでリアルタイムでの売買にはならない。欲しい組み合わせの投資信託が存在しない、もうちょっと独自色を出したいというような向きには、このETFを組み合わせることで自分に合ったポートフォリオを組むことができるだろう。

ちなみにこのETFは日本版も日本市場に流通していてそちらでも対応できる。ただ数えたことはないが、種類でいえば米国市場の方に強みがありそうだ。とはいえ米国ETFは日本市場を対象にしたものはほとんどないし、目論見書的なETFの説明も多くが英語だったりすることもあるだろうから、日本市場のETFを活用するのもありだろう。

最後に言っておくが、米国株式を取引する際には為替リスクが常に存在することを忘れないで欲しい。特に今は円安時代なのでドル建て資産は円だと増えて見える。がしかし、今後は円高に振れることもあり得るだろう。その場合は円建て資産は減る訳なので常に為替は頭に入れておいてくれ。

さて、めぼしい投資信託やETFは見つけられそうだろうか?今回と前回、あと第6回で説明した初回の投資資金の話を組み合わせれば、ほとんどの準備は完了だ。

が、ちょっと待って欲しい。最後に、買い方そのものにも分散する方法があるのだ。次回はそれについて説明したい。

では、また会おう!

注意:この記事および連載は諸君に具体的な投資銘柄を勧めるものでは
   ないし、将来的な投資パフォーマンスを約束するものでもない。
   投資はあくまでも自己責任で行ってくれ。

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