『眠れる森のビヨ』感想~元演劇部の立場から観た感想編~

BEYOOOOONDS主演の演劇女子部『眠れる森のビヨ』の配信、観ました!!!

こんな力作観た後に感想を誰とも語り合えないのしんどっ!!!自分の胸の中にとどめておくのなんて無理!留まらない!!!ってなわけで久々にnoteを開いた次第であります。

今回は高校生の時に演劇部だった自分からの視点で話していきます!一応もっと物語の中心に迫る感想も別の記事で書きたいとは思っております。


そして、先に言っておきますが、ネタバレしかないです。だからこれからDVD発売されてから観るよ~って人は回れ右しましょう。なんの先入観なしに観るのが1番です。







一旦『眠れる森のビヨ』のホームページをはさむよ。








そしてさらにBEYOOOOONDSのホームページもはさむよ~。








さあこれでもうネタバレOK要員しかいませんかね?それでは森ビヨ感想言語化大会前半戦の幕開けだ~!!!



揉める脚本会議

主人公のヒカルは崋山高校演劇部に所属していて、物語の前半では次の大会でやる内容などについての話し合いで始まります。

だけど、荒れに荒れる話し合い。これね、めっっっっっちゃ分かる!!!たぶんどこの学校でもその学校によっての内容の伝統みたいなのはあるんじゃないかなって思うんです。やっぱり自分が後輩の時にその伝統的な内容やっているからこそ、その内容に似たようなものを自分の代の時もしようって自然になるんですよね~。
一方で、新しいジャンルをやるって意見もあるあるです。自分が引っ張る代になるとそれぞれこだわりが出てくるわけなんですよ。だからお互い譲るのも嫌になって、結果とことんぶつかる。その結果何日も…なんてこともあります。


そして、勝ちにこだわるかっていう議論。それも高校演劇をやっているとぶつかる壁だと思います。私の地区は審査員受けがよさそうだなっていう内容がわりと決まっていました。それはたまたまわたしたちの伝統的な内容とも近いものではありましたが、勝ちたいからやるのか創り上げたいからやるのか、結構紙一重で、練習していくうちにだんだん勝つために頑張る!になっていくものなんですよ。自分にも当時の部員にも勝ちたいじゃなくて当日わざわざ観に来てくださったお客さんのためにやろうねってよく言ったのを思い出します。


結果、ヒカルが脚本を書くことになったわけですが、大会の脚本を書くってそこらの凡人が気合だけでできるようなものじゃないんですよ。

高校演劇の大会の上演時間はだいたい40~50分くらい。長くても60分以内かな、確か。その中で起承転結しっかりつけて1本の芯がある脚本を書くってまじで大変。超大変。ヒカルが新入生歓迎公演の短編しか書いたことないよ!?って言ってるけど、本当にそれ。ああいう歓迎公演なんて演劇部を何も知らない新入生が観るんだからせいぜい15~20分程度。もしかしたら5分ぐらいの超短編かも?それを2,3倍ってやばくないですか!?ただ付け足すってだけじゃ間延びしちゃうし内容も伝えたいことも薄くなっちゃいますからね。よく引き受けたわ、ヒカル。

まあ、既成脚本よりかは創作脚本の方が楽な部分もあります。既成だとセリフ1文字の言い回しを変えるのも基本NGですからね。その子が言いやすい言い方や言葉に変えることができるのは創作のいいところではあります。



一触即発の歌唱練習

その後からの歌唱指導。ネネの優しい「ど~う~ぞ」のファンになりそう笑。生徒だけで歌まで作っているとしたらまじですごいな、崋山高校演劇部。

私の学校もそうでしたが、顧問の先生が指導に回らない高校は基本大会期間中に何度も揉めると思います笑。他の部活とかだと先生とか外部の方が監督とかコーチとして生徒より1段上から指示や説教などしてくれるんですが、そういう顧問の先生がいない場合、基本上級生が言わなきゃいけないんですよね。後輩ならまだしも同学年の子、時には先輩にだって。案外1番揉めるのは先輩に注意するときより同級生に注意する時ですね笑。

で、今回も顧問の先生ではなく自分たちでやっていくスタイルなのですね~。同級生相手だと口も悪くなるよね~。自分が言っていることは正しいと思うからこそ、カッとして強い口調になっちゃうんですよね。普通に言ってもお前には伝わらないだろう的な理論です。にしてもノゾミみたいなカッとなると周りが見えなくなってとことん言っちゃう子いるいるってなりました。


ってことで自主練を頑張るツムギ。自分のせいで部全体の足引っ張っているとか地獄でしかない。ヒカル、夢子、ネネが応援に来ます。ネネの「差し入れだよ~」がもう優しすぎる。私もあんな同級生欲しい。全然できないツムギに向かって「私も全然上手く歌えないもん」って言う夢子、絶対クラスで夢子のことめっちゃ嫌っている女子いるんだろうなって感じの子だなと勝手に思っていました笑。
部活でもいるんじゃね!?って思う人いるかもだけど、個人的な意見としては、演劇部って自分をめちゃくちゃさらけ出してやっていくので、いいとこも悪いとこも見すぎて1周回って気にならなくなるんですよね。

ここからダンスも歌もできるようになったツムギまじすげぇ。まあ、同級生がなんだかんだ全員サポートしているってのがでかいですね。


衣装、大道具、小道具とかいろいろ本格的すぎ

あんなドレスとか男役の衣装とかを自分たちで作るってやばいですよね!?これは絶対崋山高校は私立だなぁ。私は公立の高校だったんですけど、部員の人数も少ないしあまり衣装にお金や時間をかけれないんです。できるだけ登場人物は制服で済んだ方がありがたいし、自分で作る衣装よりかは自分のとか親、他の部員の私服で済ますってところですね。

糸車とかあれ、自分たちでつくったんですかね!?大道具とかってわりと自分たちで作るんですけど、やっぱり私立の高校の大道具ってすごくて、ちゃんと本物を持ってきたりするんですよ。すげー!って思いながら観てました。でも糸車ってどこで見つけるんだろうって考えると自分たちでつくるのかな…。

妖精の杖がわりとチープな感じなのは好きです笑。それは高校演劇っぽい。


後、暗黒の妖精が出てくるときの特効すごいですよね。あのレベルのことやっていいって言ってくれる会場側が優しい。高校演劇の大会では専門の人がいるわけでもないので、ダメって言われることも多い気がします。やってみようと思ったこともないので真偽は分かりませんが笑。


それと、照明!照明って何色も使えるわけではないんですよ!照明は基本白でそれに数色のフィルム的なのをつけて色を変えるんです。何色も出せるのは高校側が購入して持参しているってことです。その人1人に照明当てたいってなったら少ない時間で微調整をしていかなきゃいけないから何台も使えませんし。音響もすごいし、やっぱり私立かな。



脚本、演出、役者までやる超人ヒカル

脚本だけでもすごいのに、そこから演出、さらには役者までやり切るヒカル…。いやいや超人すぎんか!?脚本と演出が同じ人ってことは聞いたことがありますが、そこから役者までやるのはめちゃくちゃ大変です。稽古をしていても、自分の演技を自分で客観的に指導することは難しいし、通し練しても演出としての役割をしっかり担えないんですよ!?いやさすがにヒカル考えすぎで死ぬでしょ笑。



地区大会、県大会を突破

地区大会を見事に突破した崋山高校演劇部。地区大会であれほどの拍手もらえるのまじすごい。地区大会に来てくれる人って基本出場校の部員と親御さん、たまに友達ってところなので。大きい地区だとあれぐらい聞こえるものなのかな。

勢いそのまま県大会も優勝。そりゃ上がるわ。そこで奢る山上部長すごくない!?普通そこは顧問の仕事よ。奢ったのがジュースとかでまだほっとしたけど。


個人的に楽しい!いつまでもやっていたい!っていう考え持ったことないんで驚きました。大会期間って基本、「さっさと終わってほしいけど、一生来てほしくないやつ」って感じなんですよ。めちゃくちゃしんどいから、早く解放されたい!って思う反面、まだクオリティーを上げたいから本番来ないで!って気持ちが入り混じるんですよね。今思えば楽しかったなって思いますけど、今考えてもあの頃に戻りたいとは思わないですね笑。あんなに全力でやれたのは高校生だったからであって、今の自分ではもうあそこまで本気で取り組めませんから。


舞台装置軒並み破壊されている事件

これはもう絶望。正直3日しかなかったら諦めるかなぁ…。3日で舞台に設置して役者の人が安心して演じれる状態にまで戻せる?会場の舞台に傷をつけないようにできる?舞台装置を設置するということは絶対な安全がないことにはできません。それに加えて衣装までとか…。

まあこれが夏休みとか冬休みっていうなら3日でできることはあるかもしれないけど…。自分たちができる最高の劇をブロック大会で発揮することができないっていうのはそれはそれでつらいしなぁ。

個人的にどうするんですか!?って詰め寄られている山上部長がめちゃくちゃかわいそう。そんなの1生徒が決めていいの!?って感じじゃないですか。いやいや、そこは顧問の仕事やろ。部活をやる以上顧問は絶対いるんだし。部長ってだけでみんなと同じ高校生なのに壊された舞台装置を前に冷静にいられるわけないでしょうが…。なので、ここでやるべきことはどうするかをみんなで考えたりすることではなく、顧問の先生に伝えることがまず第1ですね。…ってマジレスするところではないと思いますが笑。




私の元演劇部的目線は以上です。おそらくこの先は演劇部目線というよりかは1観客としての感想になっていくと思うので、後編に!


割と長々と書いてしまいましたが、読んでくださりありがとうございました!次も読んでくださるとうれしいです!(次の感想が書き終わることを祈って笑)



P.S.無事書き終わりました!感想とか言いながらただのオタクの端くれの考察ですが、読んでいただけたら嬉しいです!