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【月刊noo】40にしてまどいまくりすてぃの日々【2024.3月号】

《月刊noo 2024.3月号 目次》
・ごあいさつ ~はじめに~
・ブログ:40にしてまどいまくりすてぃの日々
・リバイバル:HAPPY BIRTHDAY TO ME!  
・お知らせ:モスクワカヌの生前葬の告知
・ごあいさつ ~おわりに~

ごあいさつ 〜はじめに〜

今月は誕生月。
ということで、めでたく40となりました。四十路一丁目デビューです。
お祝いの言葉をくれた方や気持ちをくれた方に、あらためて感謝と御礼を。
40になって、特に何が変わったということもないかと思っていましたが、はっきりくっきり変わったことがありました。それは…健康診断の結果。
体力落ちた!のに!色々とよくない数値があがった!
四十路ということでいい感じの抱負を色々考えていましたが、嫌も応もなくまずは「健康第一」になりそうです…!
ちょっと哀しいですが、変わっていく自分と、世界とを、臆せず圧っせず見つめつつ、いい感じに生きていけたらと思います。

ブログ:40にしてまどいまくりすてぃの日々

日本には「40にして惑わず」という諺や、40歳をあらわす「不惑」という言葉があるけれど、実際に40歳になってみた私からすると、正直ちょっと言いすぎだと思う。
「40にして惑わずでもあらず」とか、「不惑(仮)」とかのほうが、まだちょうどいい。
ただ40年生き延びたからといって惑わずにいられるには、今の世の中は複雑すぎるし煩雑すぎる。選択肢は多いはずなのに、自由にすえる空気はなんだか薄くて、山あり谷ありの人生と折り合える地点を探していまだに右往左往ばかりしている。元気があるときはまだ今夜のご飯のおかずくらいは迷いなく選べるけれど、疲れてくると「総菜を買うか、ふりかけですますか」でハムレットくらい悩んでしまう。
いわんや人生をや、である。

私の40歳は予定していたものとは違った。
人生が予定調和でいかないのは当然のことで、いい悪いじゃなくただ違ったというだけのことだ。
ただ、その予定は私のなかでは美しかった。例えるなら、それは安心と安全を信じて、心安らかにその場にいられるホームのようなもので、私は長い間40歳という未来にそのホームをおいて、そこに帰るのを楽しみにしていた。
その予定がシュワッとしたソーダの泡のようにさっぱりと消えて、だから私は、ある意味で40歳にしてホームをなくしたのだった。こう書くと必要以上に悲壮な感じに読めてしまうが、もともとが夢想の家だし、現実の私は屋根のある静かな家で暮らせているので、別にいま不幸というわけではない。
ただ枯れ葉が枝から落ちるようにごく自然に、一つの夢と季節が過ぎたことを思う。
思っていたようには自由になれなかった。
甘くみていたことは砂の味だった。
むかし信じていたようには信じられなくなった。
私が私であるかぎり叶えられない祈りとともにあってなお私は私のままだった。
それでも別にまだ何も終わっていなくて、人生100年時代なら、自分は折り返し地点にすら立っていない。(何事もなければだけど)

だから私は、自分の未来に新しい家を建てなくてはと思っている。
家のないまま旅をするつもりでいてもよいのかもしれないけれど、今のところ私はやっぱりホームがほしい。
心安くいられるところ。誰もいないところ。誰かがいてくれるところ。あだな夢を見なくてすむところ。甘い夢を見られるところ。信じられるところ。叶えられるところ。
遠いところ。遠いところ。遠いところへ。

「不惑」だなんて、やっぱり私には固い背広のように荷が重い。
いくつになってもどうせ惑うのだと思う。
40にしても100にしても、まどいまくりすてぃ(この言葉遊び覚えてる人いるかな…?昔のビジュアル系バンドの名前にかけたやつ…)だ。
その、生きてる限りまどいまくりすてぃだということだけを一本道のように通して、なるべく遠くまで行ってみたいと思っている。

40歳の誕生日の空

リバイバル:HAPPY BIRTHDAY TO ME!  
(※この文章は2015/03/15に書いたブログの再掲です)

3月13日、31歳のバースデーを迎えました

実家に帰って、氷川台の「シェソワ」で、両親の結婚記念日もかねてディナーこじんまりしたお店ですけど、料理も美味しくて接客もよくて満足。
帰宅してから、メールやFacebook経由できてたたくさんの「おめでとう」メッセージに返信しているうちに日付が変わってて、ああ、幸せものだな~と思いました、自分。

心にかけてくれた皆様に、愛を。

どうもありがとうございます。
ここからは追記。
真面目な話で面白くないです。

30歳になったあたりから、考えていることは、20代の頃は、何かを得たくて、何者かになりたくて動いていたのだけれど、その欲望というか願望は、果たして自分のものだったのかなということ。

劇作家になるなら売れなきゃ、とか、
社会にコミットできないなら出来ない存在なりに上位だと認められなくちゃとか。

そういうことは全て、他人とか、空気みたいな世間とかの価値観で、自分の本当の願い事とは別のものだった。
人の目からみた時に「ちゃんとした正社員じゃないけれどアーティストとして売れてるならいいよね」「なんか変だし私達とあわないんだけど、才能があるなら許せるよね」と言ってもらうための頑張りをしてきた。

免罪符をもらうために一生懸命だったな、と思っています。

でも、もうそんなことのために頑張りたくないよ、という心境です。

許されなくたって、生きてるんだし、書いてるんだし、できたものが世界を揺さぶるものじゃなくても別にいい。

そうやってここ一年くらい、自分の本当の願いについてよく考えていて、その輪郭がけっこうはっきり見えてきたのですが、それがわりと切ないことで、だけど私の気持ちとか考えとは別に、その願いというものは私の魂のわりと近いところに確かに存在していて、私はこれから、それに手をとられて行くのだと思います。

だから、私の30代のテーマは「手放すこと」。

まあ、まだまだやりたい事や行きたい場所、欲望も、握り固めた拳のなかの色んなことがあるから、きっと長くかかると思うのだけど。

生きていくことは、長い長いさよならを言うこと、と書いたのはテネシー・ウィリアムズだったか。
これからの日々を、できるだけ心をこめて「さよなら」を言って生きたい所存です。

今日の日はさようなら。
また明日。

もっと遠くへ。

お知らせ:劇作家女子会。イベント。モスクワカヌ生前葬の告知

40歳にして、生前葬を行うことになりました。
劇作家女子会。が参加する『DEATHフェス』(https://deathfes.jp/program/)内でのイベントにはなりますが、せっかくの生前葬、楽しく意義のあるものにしたいと思います。

イベントは、劇作家の生前葬を通じて、自分が生前表現したもの、戯曲に限らず、手紙やSNSの投稿、スマホで写した写真などの死後の著作権について考える企画です。
どなた様も、ぜひご参列くださいませ。

『劇作家の生前葬~死後の作品の著作権について~』

■日時
2024/04/13 (土)
17:00 - 18:15
※受付開始、開場は開演の10分前となります。

■場所
渋谷ヒカリエ 8 ギャラリー 8/CUBE 3 (渋谷ヒカリエ 8F)
東京都渋谷区渋谷2-21-1

■香典(参加費)
前売り・当日 3000円

■ご予約
ご予約はPeatixからの受付になります。
https://peatix.com/sales/event/3894311/tickets

■イベント内容について
「死後戯曲が残る劇作家を目指す」をスローガンに活動をしている女性劇作家4人のチーム、劇作家女子会。にて、チームメンバーであるモスクワカヌの生前葬を行います。このイベントは劇作家モスクワカヌの生前葬というセレモニーを通して、死後の作品の著作権について考えることを目的としています。

著作権の問題は、創作活動をしているひとだけの問題ではありません。現代において、Lineでのやりとりや、SNSへ投稿した文章、スマホで撮影した写真など身の回りの多くのものが著作物にあたります。死後に自分の作品をどのように残すのか、というのは、今を生きるわたしたちにとって重要なテーマであるといえるでしょう。
どなたさまもどうぞお気軽にご参加ください。

■当日の進行
劇作家モスクワカヌの生前葬というセレモニーを通して、死後の作品の著作権について考える会です。
モスクワカヌと劇作家女子会についての映像鑑賞、モスクワカヌの新作短編リーディングの他、日本劇作家協会の戯曲デジタルアーカイブの企画立案、統括をしている演出家の黒澤世莉さんをお招きし、著作権についての座談会を行います。

・モスクワカヌよりご挨拶

・モスクワカヌと劇作家女子会についての映像鑑賞(映像作:黒川陽子)

・モスクワカヌ作品のリーディング上演
『高橋さんの普通の日』
作:モスクワカヌ
演出:坂本鈴
出演:田実陽子、中谷弥生、サラリーマン村松、坂本鈴

座談会~「死後の作品の著作権について」~
ゲスト:黒澤世莉(旅する演出家)
メンバー:坂本鈴、モスクワカヌ(劇作家女子会。)

劇作家女子会。公式ホームページ
http://gsjoshikai.tumblr.com/

『劇作家の生前葬~死後の作品の著作権について~』

ごあいさつ〜おわりに〜

誕生月ということでバースデー関連の投稿が多めになりました。
節目節目で自分のいまいる位置とか行きたい場所とか棚卸しするのはわりと好きです。
年を重ねるとお誕生日が嬉しくない、という説もありますが、私の場合は大人になってからのほうがバースデーをお祝いしてもらう機会や言葉をもらうことが増えたので、まだまだお誕生日は嬉しく思います。
4月は自分の生前葬!
今月は自分の今やこれまでについて考える月間でしたので、4月のイベントでは「まじめに、真剣に、そして楽しく!」自分の死後について考えたいなと思っています。
よろしければ是非足をお運びくださいませ。




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モスクワカヌ/mosukuwakanu
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