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鉄筋老人コンクリート?



1.同級生は疾風のごとく

2.bibiriオンパレード

休み明けに老人ホームへ向かった。
聞いていた住所に到着すると、思っていた建物とは異なり、マンションを改装してるような作り。
へぇ、こんな感じなのか今の老人ホームって

ほんとに老人ホームやってんだ。
少しばかり、なぜか嬉しい感情が芽生えた。

入口で迎えてくれた同級生は、白髪まじりではあるものの35年経っても昔のまんまだった。
「久しぶり、元気そうで何よりや。来てくれてありがと,無視されたらショックやったわ、俺の知り合いで頭よくてまじめなん、とみちゃんだけやったから、ほんまありがとな」

半時間ほど事業内容とサポートする内容の説明を受けた。
サポート内容は、事務全般。
週に2.3日。
出勤は、夜でも昼間でもOK
時間単金は1100円

単金は、安いけど何もしないよりはましか。
そうそう、なぜ老人ホームの開設に至ったのかを聞いとかなきゃな

「一つマジに聞きたいんだけど,なぜ老人ホームなの?」
同級生は、一呼吸おいて話はじめた。
「うちのバァちゃん死ぬ時、俺アホやから刑務所に入ってたんよ。1人で亡くなってたんや。
コタツでテレビ見ながら。寂しかったやろな。
ほんま俺アホや。
だから1人でも寂しがらんようにしたんねん」

疑いのない同級生の魂が込められた言葉だった。

決めた。手伝うことに決めた
同級生は満面の笑みで何度も何度も私の手を握りしめた。

今日勤務のスタッフ7名に同級生から紹介された。
「今日から総務部長の通称とみちゃんがきてくれたんや。みんなよろしくやで、とみちゃん一言よろしく」
 スタッフ皆さんの目をみてやる気を見せようと思ったものの、実際近くで皆さんを見ると、とても目をあわせて挨拶などできないような怖さ。
挨拶もカミカミになるほど、頭が真っ白になってしまった。
「よ、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。」と軍隊、いや組織的に7名が声を揃えていったのでさらに驚いた。
 スタッフの一人のおばちゃん(まだ当時名前をおぼえてなかったのでごめんなさい)がチキンのような私に
「あっ、睨んでる顔ではないよ、この顔。みんな真剣に聞こうとしている顔だから」

最後に自称「総務部」と表札のある部屋に通された。
3畳ほどの小さな部屋だったが「総務部」というこの場にそぐわないような企業的な言葉に違和感を覚えたのだが。
まぁ、初日からビビりオンパレードであった。ふぅ~

次回は

3.かけざん戦線



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