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クリエイターの声を形に。MOSHのエンジニアが挑む価値創造の現場
みなさん、こんにちは。
MOSHで「エクスプレスチーム」(以下通称:EXチーム)の開発ユニットリーダーを務めているりょう (@liao_0405)です。
前職では、フリー株式会社に5年ほど在籍し、サーバーサイド、フロントエンド、インフラと幅広い技術領域を経験しました。
最終的にはスクラムマスターやエンジニアリングマネージャーとしてチームのリードを担当していました。
フルスタック開発を行いながらマネジメントも担当するという点においては、現職のEXチームでも非常に似たようなアプローチで日々業務にあたっています。
今回は、そんなEXチームの開発体制や、開発組織に求められる姿勢、そしてクリエイターにとっての真の価値を生み出すための開発環境の整え方など、詳しくお伝えしたいと思います。
多様な職能から構成されたEXチーム
EXチームでは、クリエイターの方々にどのような価値を届けられるかを常に考え、機能開発を行っています。
具体的には、現在EXチームでは、クリエイターが自身のスキルやノウハウを次世代に伝える「養成講座」の機能開発をメインに取り組んでおり、直近ではクリエイター独自の動画講座や教材をストックしていける、会員サイト周りの開発を進めています。
EXチームの構成は、プロダクトマネージャー(PM)1名、BizDev1名、そして私を含むエンジニア4名の計6名体制です。
このように、多様な職能からなるEXチームでは、各メンバーがそれぞれの専門性を活かしつつ、時には部門を飛び越えて”越境”しながら価値創造に取り組んでいます。
MOSHの開発組織に求められること
EXチーム、ひいてはMOSHの開発組織において、最も重要視されているのは「スピード感」と「柔軟性」です。これは、私たちが事業を展開している「クリエイターエコノミー」という市場の特性に深く根ざしています。
クリエイターエコノミーは、ビジネスに感度の高い個人が集う経済圏だけにとてもに変化が早く、そして多様なドメインをもつクリエイターが存在する領域です。
そのため、私たちは常にクリエイターの多様なニーズを敏感にキャッチしながら、迅速に対応する必要があります。この環境下で、私が考えるプロダクト開発のビジョンは「顧客のニーズに対して迅速かつ価値のあるソリューションを提供すること」です。(余談ではありますが、講座ユースケースのPMFを特急で進めたいという想いから、「EX(エクスプレス)チーム」と名付けられました。それくらい、スピーディーさが求められています)
そこでMOSHでは、クリエイターとの対話を非常に重視しています。
クリエイターの課題やニーズを丁寧にヒアリングし、それを基に新機能のプロトタイプを作成します。そして一部のクリエイターに実際に使用していただき、フィードバックを受けて迅速に改善を進める。
このようなスモールチームでフィードバックサイクルを早く回していくという、スピーディーで柔軟な開発プロセスを通じて、MOSHのミッションである「情熱がめぐる経済をつくる」の実現に向かって、日々邁進しています。
より具体的な例をあげて、紐解いてみます。
以前MOSHでは、会員サイトのコミュニティ機能がリリースされました。
本機能の開発過程において、ヒアリング当初、多くのクリエイターの方々は「受講生同士の繋がりが少ないこと」のみを課題として挙げていました。
そこで、クリエイターや受講生同士で会話ができるコメント機能のプロトタイプを作成し、一部のクリエイターにご利用いただいたところ、「コメントが届いた際に通知が欲しい」「会員サイトをホーム画面に追加できるようにしたい」など、次々と新たなニーズが浮上したのです。
これらのフィードバックをもとに、現在では「新着コメントの通知機能」や「会員サイトのホーム画面追加機能」として、正式に提供されています。
このように、プロトタイプを実際にクリエイターに使ってみてもらうことで、クリエイター自身も解像度が高まり、新たなニーズを発見することが多くあります。クリエイター自身も最適なワークフローを確立するために日々手探りで試行錯誤をしているため、クリエイターとともにプロダクトづくりに取り組んでいるのです。
このような「クリエイターと共に創る開発プロセス」において重要となってくるのが、職能が異なるメンバー同士で協力し合う、“越境”の姿勢です。
MOSHでは、チーム全体が働きやすい環境の中で、各メンバーが高いパフォーマンスを発揮し、質の高いアウトプットを出せるような体制づくりに注力しています。具体的には、チームメンバーと頻繁にコミュニケーションを取り、最適な開発プロセスを一緒に考えています。毎週の振り返りミーティングでは、「こうすればもっと早くできるのではないか」「ここに問題があるのではないか」といった意見を出し合い、常にプロセスの改善を図っているのです。
それぞれの役割を“越境”をしながらプロダクト開発に向き合うチームの日常をお伝えしていますが、次章ではエンジニア視点から、越境スタンスで進めている開発プロセスの具体例と、そのメリットについてさらに詳しくお伝えします。
▼PM・Biz・エンジニアがチーム一丸となって協力し合っているEXチームの詳しい開発プロセスについては、以下の記事も併せてお読みいただければ幸いです。
商談同席からオフィス訪問まで。クリエイターと直接関われる開発環境
EXチームでは、エンジニアがクリエイターとの商談やインタビューに参加し、彼らのリアルな声をプロダクトに反映させる取り組みを行っています。
私自身も、何度か商談やインタビューに同席し、クリエイターのオフィスを訪問して課題を直接ヒアリングする機会がありました。
通常はBizDevが担うクリエイターとのやり取りに、エンジニアも積極的に“越境”して関わっているのです。
このように、“越境したプロダクト開発”の最大のメリットは、クリエイターを深く理解した上でソリューションを考えられることにあります。例えば、ある商談でクリエイターから特定の課題を解決したいという要望を提示された際、PMやBiz Devメンバーだけでなく、エンジニアである私も技術的な観点からその場でソリューションを提案することができます。
さらに、プロダクトへの反映までにかかる時間についても、その場で具体的な見積もりを提示できるため、迅速なフィードバックが可能です。
通常であれば「持ち帰って検討します」という回答になりがちな場面でも、エンジニアが同席することで、技術的な質問にクイックに応え、エンジニアならではの視点を提供できるのです。
こうした越境した関与が、クリエイターからの信頼獲得にもつながりやすいと考えています。“越境”によるクリエイターとの直接的な関わりは、エンジニアメンバー自身にも大きなメリットをもたらしています。
PMから指示された機能をただ実装するのではなく「なぜその機能が必要なのか」「どのようなクリエイターのニーズが背景にあるのか」を深く理解した上でプロダクト開発に携わることができるのです。
これによって、エンジニアは"WHY"をしっかりと理解し、その視点をもとに"HOW"を考え、より効果的なソリューションを思考することができます。
結果として、より優れたプロダクト開発が実現し、エンジニア自身も納得感を持って開発に取り組むことができるのです。クリエイターと直接関われる開発環境のさらなる具体例として、新機能をリリースした後すぐにクリエイターに使ってもらい、直接フィードバックを得られる点も挙げられます。
例えば、ある機能をリリースした後、クリエイターから「こうした方がより使いやすい」といったフィードバックを受けた場合、それを基に素早く意思決定を行い、プロダクトの修正や改善を行います。
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このようにクリエイターの声が直接エンジニアにも届くような仕組みが根付いていることが、MOSHの大きな強みだと考えています。
単に機能を実装するだけでなく、その機能がクリエイターにどのような価値をもたらすのか、どのように使われるのかを常に考えながら開発を進めることができるのです。
このような環境で働くことは、エンジニアとして非常にやりがいがあります。クリエイターとの密接なコミュニケーションを通じて、私たち自身も常に学び、成長することができるからです。EXチームの魅力は、単にプロダクトを作るだけでなく、クリエイターの方々にどのような価値を届けられるかを思考しながら開発を進めていける点にあります。クリエイターであるクリエイターの課題を深く理解し、それを解決する価値を生み出していく。それがMOSHの開発環境の真髄であり、私たちEXチームが日々追求していることです。
脱・属人化。エンジニアが自律的に動ける開発体制への移行
これまでお伝えしてきたように、クリエイターにとって価値あるソリューションを迅速かつ柔軟に提供することを最優先に考え、高い生産性を実現し、効率的なアウトプットが行えるチーム体制を設計しています。
チームの立ち上げ段階では、PMがタスクを割り振る形で進行していましたが、属人化してしまうという課題も生まれていました。
これを解消するためにまずは開発フローの整備に着手しました。現在ではエンジニア各自がより自律的に動くことができ、そして変化に強い体制が整えられており、開発スピードと質の両面で向上が実現されています。
ここでは、属人化を防ぐための具体的な取り組みをご紹介します。
まずはじめに、PMがプロセス全体を管理するのではなく、エンジニア自身がプロジェクトを管理し、進捗をチェックする仕組みを整えました。
具体的な取り組みとして、Notionを活用した開発ボードを導入し、タスクの進捗が可視化されたことで、チーム全体の連携がより一層強化され、フィードバックも迅速かつ的確に行われるようになりました。
また、1つの機能開発プロジェクトに対して2人以上のエンジニアをアサインすることで、チーム全体で知識を共有しながら開発を進められるようにしました。この取り組みにより、タスクが特定の個人に偏ることなく、スムーズに開発が進行するようになっています。
さらに、要件定義のプロセスを明文化し、PMだけでなく、エンジニア、BizDevメンバーも同じフローに沿って要件定義ができるよう整備しています。これらの取り組みが功を奏し、開発フローが大幅に整備され、プロジェクトの進行がスムーズになったのです。
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MOSHの開発チームでは、アジャイル開発手法のひとつであるスクラムフレームワークを採用していますが、個人的には、スクラム開発に正解の形はないと考えています。そのため、教科書通りに進めるのではなく、チームに最適な形を模索しながら取り組んでいくことが重要だと考えています。現在は、スプリントごとの振り返りを重視し、常に改善点を見つけ、それを次のスプリントに反映させていく方法を取っています。複数の職能が集まるチームが、役割の垣根を越え「越境」してスムーズに連携するために欠かせない要素のひとつが、開発見積もりの精度向上です。
そこでEXチームでは、スプリントごとにタスクの見積もりと実際にかかった時間を記録し、データを蓄積しています。現在では約25スプリント分のデータが蓄積され、チームがどの程度の作業量をどのくらいの期間でこなせるかがより明確になりました。これにより、「この機能を作るのにどのくらい時間がかかるか?」というPMやBizDevからの質問に対して、数値的な根拠を持って回答できるようになっています。
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ここまでいくつかの取り組みを紹介してきましたが、これらの取り組みを通じて、開発チーム全体の生産性が安定し、チームの一体感も強化されました。以前は1人が1つのプロジェクトを抱え込んでしまい、相談する相手もいないという状況が時々ありましたが、現在ではそういった問題も解消されています。結果として、エンジニアがプロジェクトを事実上リードできるようになり、誰が休んでも大きな進捗のダメージが出ないような体制が整いました。
また、開発中に行き詰まった際も、チームで相談し、カバーし合える環境が整っています。これは単なる効率化だけでなく、メンバーの心理的安全性にも繋がっていると感じています。チームメンバーがバックにいるという心強さは、個人のパフォーマンスにも良い影響を与えています。「もし詰まっても、メンバーに相談すれば解決するだろう」という安心感が、より挑戦的な取り組みを可能にしているのです。
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今後の課題と展望
開発フローの整備によりプロジェクト進行が加速する一方、プロダクトの急成長に伴うスケーラビリティの問題も顕在化してきました。現在MOSHは急速に成長しており、それに伴って登録クリエイターの数も増加、また彼らから求められるニーズも多様化しています。
この状況下で、MOSHがどこまで対応すべきかを検討するのが次のステップです。さまざまなジャンルのクリエイターに対して、どのような機能を提供すべきか、そしてどこまで機能を拡張すべきか、今後は慎重に見極める必要があると考えています。
また、プロダクトが急成長していくための新機能開発と、技術的負債返却とのバランスは意識しています。技術的負債にも向き合っていかなければ、新たな機能の開発が困難になるため、長期的な視点での改善が不可欠だと認識しています。直近では、技術的負債の解消に取り組んでいて、特にパフォーマンス問題の解消が社内でホットなトピックの1つです。
さらに、他チームとの連携も強化しながら、課題解決に取り組んでいます。
週に一度、各エンジニアチームメンバー全員が参加するミーティングを開催し、各チームの課題やパフォーマンスの問題について共有・議論しています。
他にも、Slackに専用のチャンネルを設け、日々の小さな改善点も逃さないよう、メンバー各自、責任感を持って取り組んでいます。このように、その時々で浮上する課題に対処しながらも、EXチームとしての今後の展望は変わることはありません。まず、エンジニアリードとして特に重要だと感じているのは、チームの成長です。チームメンバーがやりがいを持って働ける、快適な環境づくりを引き続き推進していきます。そしてチーム一丸となって、クリエイターが自身のスキルや情熱を発揮できるようなプラットフォームを提供し、彼らの成長をサポートしていきたいと考えています。
特に、クリエイターとの近い距離感を活かしたMOSHの開発環境は、他に類を見ない大きな魅力です。 クリエイターの声をダイレクトに反映できるこの環境こそ、エンジニアにとって最大のやりがいではないでしょうか。
クリエイターエコノミーに興味がある方は、ぜひ私たちと一緒に、この新しい経済圏を盛り上げていきましょう!
クリエイターの課題発掘からデリバリーまでをワンストップで担える開発体制、クリエイターのリアルな反応を得られる開発環境、そしてクリエイターにとっての価値に向き合うチーム文化があります。今後も、MOSHならではの "ベストコンボ" な開発体制のもと、クリエイターにとっての価値創出を追求し続けていきます。
クリエイターの可能性を広げるために、MOSHができること、やらなければならないことはまだまだたくさんあります。
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