スリッパ。

久しぶりに、思ったことを綴ろうと思った。
高校を卒業して一週間。たまに会う同級生たちは髪色が
明るくなり、耳にはピアスがキラキラと輝いていた。
そんな私も髪は明るくしたし、ピアスも3つ開けた。
それだけで自分がすごく大人になったように感じるし、
あなたに追いつけるような気がしていた。

春から遠くに行ってしまうらしいあなた。

卒業式の日、手紙を渡すためにあなたを探し回ったあの日。
その手紙にはごくごく普通な、あっさりとした別れの言葉が綴られていた。
あなたと過ごした3年間、本当に沢山の事があった。
でもそれをこんな薄い紙に書き込むのは、なんだか思い出たちに失礼な気がしたのだ。
そして、本当に伝えたい事は直接伝えたいとも思っていた。
そういった理由から、とても内容の薄い手紙になってしまった。
そのことを伝えるとあなたは丁寧に封筒を開け、中の便箋を取り出し、それを一気に読み始めた。
いくら内容が薄いとは言え、目の前で読まれるのは気恥ずかしかった。
そして私は「3つ、話したい事がある」と告げ、1つずつ順に話していった。
・お互いの手帳に書き込んでいた過去の約束の確認(これに深い意味はなく、約束というほどでもなかった)、
・連絡先を交換したいということ。
見た目に反して真面目なあなたは、連絡先を交換することを拒んだ。
それを聞いた私は、最後の1つを伝えることをやめた。
最後の日に、これ以上傷つく必要はないと思ったのだ。
最後の1つは、いつかまた会った時に伝えると約束した。
しかし、私は、よほどの奇跡が起きない限りあなたとまた会うことはないだろうと確信していた。

もう会うことがないであろうあなたに、私は最後の賭けに出ることにした。
それが、ここにこれを投稿すること。
私がnoteをやっていることをあなたは知っている。
少しの可能性を、私は信じてみることにした。
もしあなたが、偶然たまたまこの投稿を見つけたのなら、私だと気付いてくれると嬉しい。

もう会えないあなたに、最後に贈りたい言葉は
月が綺麗ですね
この一言に尽きる。

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