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ヘルプ商店街【毎週ショートショートnote】

「こちらをご提案いたします」
その男は、生真面目そうな外見から想像もできない妙なアイデアを出すと、ペコリと一礼した。

ショッピングモールの進出、店主の高齢化でシャッターが閉じられていく『かわしも商店街』。
起死回生を狙って、活性化アイデアコンテストを開催したときのことである。

「ほかに目新しい案もなかったし」
「やってみるべ」

翌日から『かわしも商店街』は、ひっそりと『ヘルプ商店街』に生まれ変わった。
たとえば。

朝9:30。
開店時間が迫り、シャッターを上げようと試みるが、びくとも動かない。
店主の80過ぎた老婆は、
「これじゃお店が開けられない。誰か助けて」
とおいおい泣き崩れる。

見かねた通行人が店主を助けると、すかさずくす玉が割れ、ファンファーレとともに感謝状が渡される。

似たできごとが、日に何度もあちこちで起きるのだ。
感謝される快感を知った人たちは商店街をウロウロ歩き回り、人通りの回復とともに売り上げもV字回復したのだった。

#毎週ショートショートnote
#ヘルプ商店街

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はんだあゆみ
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。 サポートは、お年玉みたいなものだと思ってますので、甘やかさず、年一くらいにしておいてください。精進します。