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久しぶりに紙のmtgをやる。(モダンをやってみた話。)
最近、紙のマジック・ザ・ギャザリング(以下、mtg)をやっている。
4年ぶりくらいにやるので、そのリハビリの様子を少しずつ書いている。
スタンダードのデッキを組んだはいいものの、なかなか大会が成立せず、店に行っても無駄足を踏むばかりだった僕は、保険の為に他のフォーマットのデッキも持っておく事にした。
はじめは遊ぶフォーマットを選ぶ所からだが、デュアルランドの類を持っていない為にレガシーの択は早々に消え、実質的にパイオニアとモダンの2択であった。
パイオニアについては過去に一度も調べた事が無かったので、使われているカードも環境のスピード感も分からず、デッキを考えるのが煩わしかった。
なので、昔に見ていてなんとなく知っているっぽいモダンをやってみる事にした。
デッキについては、1年半ほど前に「【ドメインZoo】が勝っている。」みたいな情報を見た事がある。
ドメインZooというデッキ持っていたい気持ちある。
— しきいのあかざわ (@Low_Shikii) June 22, 2021
版図という能力が好きだからこのデッキタイプ昔からずっと憧れあって、仮に僕が本格的にモダンやるならこれ系か青赤系ビートかマルドゥパイロマンサー(既死?)かなと思ってた。
採用カード見たら結構安く組めそうになってるし良いな。
なにやら『モダンホライゾン2』というパックが出て、そこに強力な"版図"持ちクリーチャーが新規収録され、それによって強化されたらしい。
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「2マナ域に5/5と4/4飛行が入る事で、《タルモゴイフ》等の高額カードが無くてもビートダウンができる!!」
「好きな感じのデッキが安いし勝てるなら、とりあえずデッキを考えずにリストをコピーして遊べば良いか。」
そう思った僕は、適当にリストを探したり、カード購入をする事にした。
そうして本格的にモダンのカードを見ていくうちに、ここまでの考えの誤りと沢山の障害に気付く事になる。
唐突に国語の問題を出してみる。
問:作者のいう「考えの誤りと沢山の障害」を最も表している言葉をここまでの文中から9文字で抜き出しなさい。
『モダンホライゾン2』
僕の知っていたモダンというフォーマットは、既にそこには無かった。
久しぶりに見たモダンの世界は、《タルモゴイフ》の価格が2,000円代前半まで堕ち、知らないカードと知らないカードが乱痴気騒ぎしている世界だった。
過去のバイト先の飲み会に誘われて行って、現役バイトの知らない若い子達が、知らない社員の悪口を言って盛り上がっている。
そういった居心地の悪さがあった。
昔はレジで一緒にふざけあったりしていたが、今ではすっかりベテランとなり、若いバイトの子達からおじさん扱いされている樽茂くんだけが申し訳なさそうな顔でこっちを見ている。
「出瑠場くんも波須ちゃんも、ボブさんも、みんな突然辞めちゃったよ。」
彼は、そう言っていた。
盛り上がりの中心に居たのは彼らだった。
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《敏捷なこそ泥、ラガバン》
『モダンホライゾン2』産の1マナクリーチャー。
1ターン目に場に出て、何故かマナ加速をしながらアドバンテージを取っていく謎のクリーチャー。
使っている側は除去でこいつを通せば勝てるし、使われた側は除去でこいつを処理しなければ負ける。
ゲームを終わらせうるクリーチャーが1マナって、高速過ぎでは?
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《残虐の執政官》
『モダンホライゾン2』産の《残酷な根本原理》みたいなクリーチャー。
基本的にコストは踏み倒される。
過去に、《グリセルブランド》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》がレガシー環境の踏み倒し先をほぼ2択にした時の様に、モダンの踏み倒し先をほぼ1択にしている。
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各色に存在する、ピッチスペルの想起エレメンタル。
もちろん『モダンホライゾン2』産。
0マナで序盤を捌きながら、後半は普通にクリーチャーとして性能が高い謎のカード。
特に除去能力を持った上記2枚は、それまでのビートダウンデッキ(主に部族などの並べる系)を否定するのに充分過ぎる。
最初に目についたのはこの辺りだった。
(ちなみに《ウルザの物語》はテキストが見辛くて読めなかった。)
高速、中速、低速とどのレンジにも『モダンホライゾン2』産の度を越えたカードが幅を利かせてお互いを牽制しあっており、さらにその脇を固めるカードも『モダンホライゾン2』産という力の入れよう。
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その他、最初に挙げた"版図"の様に、既存の動きを別次元に押し上げるカード等も挙げればきりが無い。
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こういうの欲しかったでしょ?
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ホラ、もっと使いやすいの作ってあげたよ。
それまでにプレイヤーがモダンというカードプールの中で育ててきた素敵なデッキやアイデア達を、魔改造して押し付けてくるような下品さに眩暈がしそうだった。
話は少し変わるが、僕はEDHを(今考えると)割と早い時期からやっていた。
デッキを考えるのが楽し過ぎて一時期気が狂うほど遊んでいたが、公式が統率者を推す様になり、”統率者用のカード”を大量に作り出してから急激に冷めた記憶がある。
沢山の制約の中から、不器用だが各ジェネラルにジャストフィットした宝石の様な1枚を探して、それでデッキを埋め尽くすのが楽しかったのに、統率者セットで"何でもありの汎用カード"や「どーだ、こういうのが面白いんだろう?」と言われているかの様な"押しつけがましいシナジー"を大量に作られ、退屈になってしまった。
プレイヤー間で盛り上がった結果、公式に目をつけられたフォーマットは大量のオリジナルカードで焼け野原にされる。
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愚痴を書いてしまった。
ただ、長くカードゲームをやっていると似た様な事は良くある話で、
例えば僕は『デュエル・マスターズ』というカードゲームでは『戦国編』と言われる時期の細かいアドバンテージを取り合う環境を愛していたけど、続く『神化編』『覚醒編』のぶっ放し環境も遊んでいたし、一度離れて復帰した『エピソード3』や『ドラゴンサーガ』環境も、最初はインフレに驚きうんざりしながら、でも、なんだかんだで楽しくデッキを考えたりしていた。
何より、その環境から始めた現役のプレイヤーは、インフレ後のカードパワーを基本としてそのゲームを捉えているので不満など持っておらず、純粋にその環境のゲームを楽しんでいるのである。
そんな彼らに、懐古主義者が外野から文句を言うのは野暮だと思っている部分がある。
同じ様に今のモダンも、"はじめからそういうもの"として考えれば楽しい環境かもしれないし、"今、モダンを知った人"から見れば、派手なカードと様々なデッキが群雄割拠する面白いゲームに見えている可能性がある。
好きだった場所が無くなってしまった悲しさはあるけれど、それに囚われて実際にプレイもせずに決めつけて批判するのも少し違うと思い、一度デッキを考えて大会に出てみる事にした。
まず、先ほど挙げていた『モダンホライゾン2』のカードについて考える。
あまり高額カードを使いたくないという前提がある為、こういう時は酸っぱい葡萄として考える事にしている。
無理矢理批判的にカードを見る事で、使わない理由やそれに対する戦い方を見出そうとするのである。
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《敏捷なこそ泥、ラガバン》
《稲妻》で落とせばいいし、クリーチャーを立てれば何もできないだろう。
最序盤のターンさえ凌げば、さすがに3マナ以上のカードの方が強い。
デッキを無理に高速化させてこいつのフィールドで戦うよりは、ある程度対策をしながら少し後ろのゲームスピードで、よりインパクトのあるカードを使いながらゲームした方が良い。
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《残虐の執政官》
出されても即死はしない。
迅速に処理をすれば次が出てくるのにはラグがあるだろうし、その間に殴り切ったり、失ったアドバンテージを補うことが出来れば、《エムラクール》とかを出されるよりはマシだろう。
そもそも、踏み倒しカードをカウンターすればいい話では?
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《各色のエレメンタルサイクル》
"想起"で出される分にはアドバンテージを失っている。
"想起"で使用させて、そこからリソースのゲームに持ち込みたい。
唯一、《激情》での多面処理でアドバンテージを取られる可能性があるので、タフネス2以下を並べない構造にしたい。
ぼんやりとそんな事を考えた結果、太いクリーチャーで圧力をかけ、アドバンテージカードを多めに入れて、少し対応気味に動く様に組んだ【ドメインZoo】なら楽しく戦えそうな気がしてきた。
方向性が決まったところで、まずはデッキの中心になるカードを決める。
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《ラガバン》の前に立ちふさがり、
《残虐の執政官》が出る前にライフを詰め、
《激情》で多面処理されない。
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アドバンテージをイーブンに出来る除去。
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こういう対応するカード入れてるビートダウン使ってると、
相手と対話してる感ある。
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そして、アドバンテージを取れるカードを入れる。
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そんな訳で、せっかくだから使いたいので入れた。
《コラガンの命令》で回収すれば、気分は"エターナルコマンド!!
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カウンターに強いのが良い。
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パワー4だから《頑固な否認》に対応してるし、
除去に対応して3ドローした後《コラガンの命令》で回収したら最高の気分だ。
さらに、対応するカードで隙間を埋める。
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ライフ回復はアグロに、それ以外ではパワー4にして"獰猛"の種に。
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最低限1ドローついてるし、トークンを出せば《残虐の執政官》のケアも出来る。
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あと、バウンスは踏み倒しに強い。
ついでにトークンや破壊不能にも強い。
そんな感じで適当にカードを選んでいき、デッキを組んだ。
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お試しでやるモダンなのでなるべく安く。をモットーにカードを選んだ。
土地に関しては、『タルキール覇王譚』と『ラヴニカ』関連のブロックで狂った様にドラフトしていた日々が役に立った。
「米や野菜は実家から送られてくるので0円!!」みたいな節約術感あって参考にならないかもしれない。
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サイドボードもふんわり決めた。
どんなデッキがいるかよく分からなかったから、コンボパーツを落としながら殴れる《罪の収集者》や、基本的にどんなクリーチャーでも除去できる《はじける破滅》を入れて丸くした。
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ビートダウンデッキとして、除去やカウンター、コンボパーツを弾きながら、
場に残って圧力になるのが偉い。
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呪禁、破壊不能すら突き抜ける。信頼性の高い除去。
作った翌日に大会に出た。
初めてのモダンなので普通の3回戦の大会が良かったが、その日開催していた大会がスイスドロー5回戦+上位8人でSEのやつしかなかった。
「まぁ、5回デッキを試せるからいいか…。」と思い参加したところ、なんかtop4まで行った。
《コラガンの命令》と《刻まれた巫女》がエレメンタル相手にリソースのゲームをしたり、《残虐の執政官》を《反射魔導士》で処理したり、除去やカウンターを《罪の収集者》で落としたりして、思った様に事が運んで気分が良かった。
あと、これは完全に偶然なのだが、《ラガバン》を採用していないメリットとして相手の《レンと六番》があまり脅威にならないのも有利に働いた。
あくまで【ドメインZoo】という元々強いベースがあっての物だが、考えて入れたカードがそれなりに機能し、少しカードが欠けていてもそれなりに戦える事が分かって良かった。
ちなみに、負けたゲームは【なんかゴブリンがストームみたいにチェインするデッキ】と、【青黒ライブラリーアウト】だった。なにそれ、すごい。
その後、何度かたまにモダンの大会に出て遊んだりして今に至る。
勝率こそそれなりではあるが、好きな感じのデッキで勝った負けたが出来て楽しい。
デッキは今、こんな感じになっている。
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対策カードにアクセスしやすくする為に《帝国の徴募兵》を入れた。
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エレメンタル相手に《静翼のグリフ》
踏み倒し相手に《封じ込める僧侶》
《血染めの月》を割る《薄れ馬》など、
《帝国の徴募兵》でサーチ出来るクリーチャーを中心にサイドボードを選んだ。
あとは、サイトークンをまとめて流す《軍団の最期》とか。
ちなみに今のモダンに対する気持ちとしては、「今使っているデッキを気に入っているから。」という理由のみで楽しいが、「色々とデッキを考えて試してみよう。」というモチベーションはあまり無い。
(正確には、一瞬あってちょっと試したが、すぐに弾けて無くなった。)
やっぱり、カードパワーの押し付け感は結構あるので、諸手を挙げて他人に勧められるフォーマットでは無い気はする。
派手なゲームが好きで、最近モダンを知った人とかは楽しめると思う。
鋭利になったデッキ同士で斬り合う感じには中毒性を感じる。
でも、僕は今も《ロウクスの戦修道士》で殴っていた頃のレガシーの様な牧歌的なmtgに憧れているので、それが出来る場所を常に探しています。
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《炎渦竜巻》で相手の盤面だけリセットして殴ろう!!
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《剣を鋤に》
《燻し》
《不忠の糸》
ほとんどの単体除去を受けない、
スーパークリーチャーだ!!
それを求めて、最近パイオニアもやってみました。
突然パイオニアで神秘の蛇が使いたくなってデッキを組んだ。
— しきいのあかざわ (@Low_Shikii) March 4, 2023
調整の為大会出てみたら楽しかったのでもうちょい試したい。
サイドのクアンドリクスの命令が結構強い。
白単人間2-1
緑単2-1
奇怪な具現1-2
クロック立てられてないところでのコーマが辛すぎた。
青緑ドラゴン(シミックフラッシュ?) pic.twitter.com/oAbbKmH42V
続く。