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以前の記事への補足

以前上げた記事へのコメントに、ちょっと適当に返答してしまったままでいたので、改めて返答したいと思う。

「生は避けるべき苦痛が存在する。生まれなければそのような苦痛を味わわずに済む。もちろん生まれなければ快楽を享受することもできないが、生まれなければ快楽の不在による影響を受けることもないので、それは生まれないことのデメリットにはならない」

前の記事へのコメントから抜粋

上記の言葉は、快苦の非対称性の説明ではある。これは、存在と非存在とを同一線上で対比したものであるうえに、反出生主義それ自体は「人間を新たに生み出すべきではない」と結論しているものなので、反出生主義の立ち位置として『「生物の至上目的が一個体としての苦痛(不充足)の回避」ではない』とするのは少々無理筋だとわたしは考える。
わたし個人としては、快苦の非対称性そのものに異議を唱えるつもりはないが、なんらかの理屈(この場合は快苦の非対称性)に基づいて行動の指針を決定づけるのであれば、そこに意志なり目的意識なりがないと言うことは難しいと考える。快苦の非対称性が真実であったとしても、しょせん真実はただ真実であるに過ぎないから。

以上がわたし個人の見解である。

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