見出し画像

中国雲南省のおもひで その18〜日本語学習者と接しての雑感

こちらは2019年8月〜12月にかけて滞在していた中国雲南省でのおもひでを振り返る記事です。第1回はこちらからどうぞ。

いままでの記事はこちらのマガジンから読めます。

続き。今回は文字ばっかりです。


雲南省にいる間、ご縁がありまして、日本語の学習会に何度か参加したことがありました。日本語ネイティブの日本人として、日本語学習者たちと交流してほしいとのことでして。

その学習会に参加していたのは、ほとんどが大学生ほどの若者たち。話してみると、アニメ・マンガ・ゲームはもちろん、ドラマ・映画・音楽に至るまで、さまざまな日本のエンタメコンテンツに興味があり、そこから日本語に関心を持ったという学習者が多いようでした。

「カードキャプターさくら」だの、「スラムダンク」だの、「コナン」だの、「NARUTO」だの……彼らの口からは、日本人にとってもおなじみの作品名がポンポンと飛び出します。新垣結衣さんや三浦春馬さんや芦田愛菜ちゃんが好きと言った人も、また声優さんやジャニーズが好きと言った人もいましたね(嵐の大野くん人気が高かったような気がします)。初音ミクがめっちゃ好きって人もいた。

日本のエンタメコンテンツの強さを思い知ったような気がしました。どうも日本にいると、アジアのコンテンツはK-POPばかりが世界で評価されているように感じてしまいますけれど、日本のコンテンツだって大きな力があるんだなと。

こんなにも普通に、日本ではないところで、自分が好きな日本のコンテンツの話ができるとは思ってもみませんでした。オタクやっててよかったと思った。

ちなみに、「中国のエンタメコンテンツも最近勢いあるじゃん!」と中国人に伝えると、わりと首を捻られることが多かったです。実際、原神しかり、魔道祖師しかり、中国産の強いコンテンツは増えてきていると思うんですけどね。

日本語学習者の女の子に、「日本のアニメがとっても好きで、日本でそういう仕事がしてみたいんです!実際いくらくらい稼げるんでしょうか!」って聞かれたときにはちょっと正直困ってしまった。。あんまりいっぱいは稼げないよおとしかお伝えできませんでした。よいものを作る人がたくさん稼げる世の中になってくれよなと思います……。

ちなみにこちらは雲南省の映画館で見かけたアーサー・ヒライさん。漢字で平井って書かれるとまじで誰やねんってなりますね。


日本語学習会には、わたしよりだいぶ年上のおじさんも参加していました。なんでも、仕事で必要だから独学で日本語を学んだのだとか。独学とは言いつつも、普通に日本語でおしゃべりできちゃうので、いや〜強いなと思いました。外国語で喋るのって、読み書きするよりもハードル高いと思うんですけどね。

どうやって日本語を学んだのかお尋ねすると、ドラマや日本の歌謡曲で覚えた、とおっしゃいます。百恵ちゃんとか明菜ちゃんとか、こちらも聞き覚えがありすぎる名前がポンポン出てくるものだから面白かった。

この方が、わたしと夫をカエル料理屋さんにに招待してくださったことがありました。ここで出てきたお料理については、以前もnoteに書きましたね。

このお店で酒を飲みながらカエルさんをつついていると、その方は上機嫌に、われわれにこう尋ねました。

「『北国の春』という歌を知っていますか?」

エッ、そりゃあもちろん知らないわけがありません。なにせ千昌夫はわがふるさとの県の有名人でございます。知っているし歌えますよ、とお伝えすると、その方は目を輝かせてこうおっしゃいました。

「わたしと一緒に歌ってもらえませんか?」

……え、いま、ここで?と聞き返すと、めっちゃ笑顔で頷かれます。なるほど。わかったわ。じゃあ一緒に歌いましょう。

ここは中国最南端の省、雲南省。食っているのはカエル。響くはワイとおっちゃんの「北国の春」。雪どけもせせらぎもこの地には縁遠すぎるだろ。

歌い終えて満足げなおっちゃんは、ニッコニコで白酒を掲げ、「両国の友好に乾杯しましょう!」とおっしゃいました。

はっはっは。干杯〜〜〜

白酒はこわいので、わたしはビールに逃げました。めでたしめでたし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?