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中国雲南省のおもひで その14〜うまいメシたちの記憶
こちらは2019年8月〜12月にかけて滞在していた中国雲南省でのおもひでを振り返る記事です。第1回はこちらからどうぞ。
いままでの記事はこちらのマガジンから読めます。
そういうわけで続きです。今回はメシの話。
外国かどうかにかかわらず、知らない土地で楽しくやっていくために必要なのは、うまいメシと、好奇心を刺激される要素なのではないかと思っています。
そういった意味では雲南省はとってもいいところでした。メシはうまいし、面白いことばっかり起きるし。
そういうわけで、今回は雲南省のうまいメシの記憶を振り返ってみようかなと。とりとめのない感じにはなると思うのですが、どうかお付き合いください。
雲南省を代表する料理といえば、以前の記事でも触れました、米线(ミーシェン)。お米を使った麺ですね。もともとは貴州省で考案された料理だったそうですが、雲南産のお米で作った方が断然おいしかったものだから、雲南の名物料理として広まったのだとか。
なかでも有名なのは过桥米线(グオチャオミーシェン/かきょうべいせん)。何回か食べたんですけど、どうやらわたしは自分では写真を撮っていなかったようで……写真は夫のTwitterから拝借してます。
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鶏油が浮いた熱々のスープに、別の皿に用意された米线や色とりどりの具材を入れ、いい感じの頃合いになったら食べるというもの。見目美しく、味も上品です。
「过桥米线」の「过桥」とは「橋を渡る」という意味。このちょっとユニークな料理名には、こんな由来があるといわれています。
雲南省南部蒙自県の南湖にある小さな島は、科挙の試験を受ける書生が集中して勉強をするには適した場所で、ある書生がこの小島で科挙に備えて勉強に取り組んでいた。書生の妻は食事を作って運ぶのだが、夫はすぐに食べないのでいつも冷めてしまう。ある時、鶏を土鍋で煮込み夫の元へ届けたところ鶏油が浮いていて、長い時間が経過しても料理は熱さを保っていた。そこで米線を入れたところ、夫はとても美味しいと喜んで食した。夫が喜んだので、妻は度々この料理を作り、小島への橋を渡って夫の元へ運んでいた。後に夫は科挙に合格し、妻が届けた米線のおかげで合格できたと語られるようになった。
そんな素敵な逸話を持つお料理、过桥米线。雲南で食べられる米线のなかでも、やっぱりちょっと特別感があるお料理だな、と思います。
米线はほかにもいろいろ。個人的なイチオシは、时鲜食客というお店の包烧米线(バオシャオミーシェン)です。
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アルミホイルで包み焼きにした米线。これがねーーー熱々ピリ辛でとってもおいしいんですわ。雲南に戻れる日が来たら真っ先に食べに行きたい。
雲南ならではのお料理には、こんなものも。
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タイ・ラオス系の文化を持ち、雲南省西双版纳(シーサンパンナ)などに住む傣族(タイ族)の民族料理、手抓饭(ショウジュアファン)。漢字を見ればなんとなく察せられる通り、基本的には手掴みで食べるお料理です。
衛生面を考慮しているのでしょう、ちゃんとしたレストランではビニール手袋を出してくれるので、それを装着して食べます。手掴みに抵抗がある人向けにお箸もあるので、箸で食べても大丈夫。
黄色いところは、パイナップル果汁で味付けしたご飯。菠萝饭(ボールオファン)といいます。
パイナポー飯とはいったいどんなエキゾチックな味がするんだろう……と思いながら、恐る恐る口にするとですね。
……あのね。概ね、甘い赤飯とおんなじ味がしたんですよね。日本の東北地方および北海道らへんでよく食べられる、甘い金時豆を使ったアレです。傣族の味覚にすごい親近感覚えちゃった。
ここからは雲南ならではの料理ってわけではないのですが、印象深かったものをいくつか。
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水晶でできている鍋らしい。下のIHから発せられる光によって、鍋自体が発光しているように見えるんです。とってもつよそう。
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具材は自分で好きなのを選んで入れる感じ。これは土豆粉(トゥードウフェン)という、じゃがいもでできた麺を突っ込んでみたさまです。うどんのように見えますが、じゃがいもならではのつるつるもっちりした食感は独特。とっても気に入りました。日本でも食べたいので流行れ。
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こちらは新疆拌面(シンジャンバンミェン)。新疆ウイグル自治区のお料理です。うどんっぽい麺にトマトベースの肉野菜炒めをかけたやつですね。
飲食店街で見かけた新疆料理店にて、ようわからんまま注文したものだったんですけど、これがうまいんですわ。酸味とスパイスの香りがたまらんの。
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こちらも同じお店で頼んだ新疆料理、大盘鸡(ダーパンジー)。鶏とじゃがいもとピーマンの炒め煮です。ただ、これはもともとウイグル地域に存在した料理ではなく、漢民族が持ち込んだ食文化と現地の食文化が融合して生まれたものなんだとか。いろいろ考えさせられるところはありますが……これもめちゃくちゃ旨い。
このお店の店主さんがまたいい人でね。どこから来たの?と話しかけてくださったので、日本からですよーって答えたら、なんだかすっごく喜んでくださって。で、「これは俺からのサービスな!」って言って、一品ごちそうしてくれたんです。
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手抓饭。こちらも傣族のもの同様手掴みで食べるものなんですが、味は全く異なります。傣族の手抓饭は酸味が効いた印象ですが、こちらはクミン香るスパイシーな感じ。食欲をそそります。
新疆拌面も食って大盘鸡も食ったのに手抓饭も出てきちゃったもんですから、我々の腹はパンパンでございます。苦しい。しかし旨いのだ。苦しいのにそこそこ食えちゃうのは、スパイス類のなせる技でしょうかね……。
いやはや、おいしかったです。ごちそうさまでした。