遠賀郡団の “馬場 直由樹”さん
出版社にて温泉雑誌の編集に携わった経験をベースに遠賀エリアを中心とした福岡北部エリアで、ヒト・モノ・コトを紹介する情報発信サイトを運営し、主体的サービスをクリエイトする地域活性化を実践されている馬場直由樹さんにお話を伺いました。
馬場さんプロフィール
出身地: 福岡県遠賀郡芦屋町
活動地域: 中間・遠賀・北九州エリア中心
経歴: 西南学院大学商学部商学科卒
職業および活動: 一般財団法人 中間ゼネラル office 侍 代表
座右の銘:おもてなし
記者 よろしくお願いします。
馬場直由樹さん(以下、馬場): よろしくお願いします。
「関わる人の主体性を大切にしたクリエイティビティ溢れる街づくりを」
Q:馬場さんは長らくコピーライティング、取材、執筆、チラシ製作、企画、商品開発、販促などに関わってこられたなか、何がきっかけで「遠賀郡団プロジェクト」を始められたんでしょうか?
馬場 そうですね。雑誌「月刊・温泉博士」の編集長を経て独立し、フリーライターをしていた頃は、興味のあることは考えるより実行あるのみという感じでした。独立して実感したのは“仕事を得るためには、"待つより自分で生み出すほうが早い”ということです。博多織や博多人形など伝統工芸士を取材する仕事では、取材して記事にすることから始まり、デザイナーと工芸士をマッチングして、そこから一緒に商品開発もやって、売るための販路を開拓するところまで関わる流れになっていったんですね。
小さなカフェでミニライブイベントを企画するなら、奏者の出演交渉からチラシ制作、PR、集客、チケット販売、司会までやります。企画書を作るのが苦手な人がいたら資料の作成代行を請け負うとか、モノづくりは得意だけれど売るのは苦手という人がいたら販売促進やプロモーションをやるとか。大手企業まで一緒にプレゼンや営業に行ったりもしましたよ。人が困っていることの中に何が必要なのか、埋まっていることを引き出す能力が培われたんでしょうね。解決してくれるのを待つのではなく、それを自分たちで作っていく営業スタイルが自然に確立されたんですね。
記者 なるほど。そのスタイルを遠賀エリアに活用して、地域活性化につなげようと思ったんですね。
Q:どんな心のあり方や認識の変化があったからなんですか?
馬場 この「遠賀郡団」は一般財団法人中間ゼネラルが運営しています。起業支援をする「なかまチャレンジショップ夢まるしぇ」の管理運営、遠賀町の山林を活かしたアウトドアパーク事業の構想があります。すでにあるこれらの事業も踏まえて、どんな新規事業をスタートさせればスムーズに流れるか?という問いから生まれたのが、この地域活性化グループ「遠賀郡団」を作ることでした。私は遠賀郡芦屋町出身で、遠賀地域にたくさん仲間がいます。それが例えば、小学校の同級生だったり、仕事の仲間だったり。外に何かを求めるのではなく、今自分が持っているものを軸に、その人たちと何か一緒にできないか?それが中間・遠賀・北九州エリアで「遠賀郡団」をやろうと思ったきっかけです。
個人事業主から中小企業の経営者まで30社の会員企業の人たちに主旨を伝えると、「自分に何ができる?」という好反応が返ってきました。法律、介護、不動産、建設、行政書士、農林水産業、アウトドアレジャー、クリニック、広告代理店、飲食店、整骨院、サロンetc….. というように多種多様な業種から集まっていただきました。比較的広域で、しかも多業種から会員を募ったというと、何だか大変そうに聞こえますが、実際はそんなにパワーは使いませんでした。元々知っている方々であるということもありますが、「自分に何ができる?」と自発的に考えてくださる方ばかりなので、私たちがその自主性をフォローすれば、いい流れができたからだと思います。
「広域・多業種」「自主性・自立」というキーワードの他に、もう一つ重要なことがあると思っています。それは「余白を残すこと」です。100の完璧でなく50くらいでスタートしていくのが長く続けるコツだと思っています。参加するメンバーや地域の方々にとっても、最初からあらかじめ用意されていることばかりでは楽しさが半減するのではないでしょうか?これから自分たちで作っていく雰囲気も大事にしたいと考えています。地域活性化は半年や一年で結果が現れるとも考えていません。地道な活動を覚悟しています。
記者 今、AIが発達して人間から多様な仕事を奪っていく時代だと言われています。
Q:そんな中で、人間の存在意義までもが問われていますが、人間にしかできないことって何だと思いますか?
馬場 AIがどんどん参入してきて、業務の効率化、最適化の流れがくるのは当然のことだと思います。けれどもAIにはできない分野もあると思っています。それが人間のホスピタリティやクリエイティブな分野だと思います。AIからしたら無駄や回り道と思えること、それこそが人と人が出会って、異質な分野を組み合わせ、融合するからこそできるAIのイメージ予測範囲を超えた人間にしかできないクリエイティビティだと思います。
記者 すばらしいですね!!
Q:そんな馬場さんはこのプロジェクトを通して、どんな美しい時代を創っていきたいですか?
馬場 関わってくれた人たちが自分たちで無理なく楽しめて、そこに人が集まってくれるような場所を作りたいです。そこで(遠賀や中間で)起業もしたい、という気持ちになってくれれば、賑わいも増えるし、人口も増える。地域活性化が起こり、少子高齢化の問題も解決するきっかけになると。私の理想は、力を抜いて自然と、呼吸をするように街が元気になっていくことです。それが私が創りたい理想の時代です。
記者 なるほどですね。お話を聞いてると、馬場さんは時代が変わっても普遍的に変わらない価値を提供しているように感じました。
Q:馬場さんにとっての変わらない価値とはなんでしょうか?
馬場 創造的な部分だと思います。AIにディープラーニングさせたデータから、因果に縛られて導き出すのではなく、AIにはできない新しいものを創っていくことだと思います。先にお話したホスピタリティとも通じますが、人間の裏にある細やかな心の動き、状態を察して提供できるサービスをクリエイトしていくことです。それはAIには真似できないと思うんです。介護で例えると同じ83歳のおばあちゃんでも望むものは全員違う訳ですよね。そこにどこまでも繊細に寄り添える心のしなやかさは人間にしか生み出せない価値だと思うんです。人を相手にする介護や福祉の仕事は、クリエイティブな仕事だ!と思います。介護ロボットにしてもらう仕事と、人間がする介護サービスと、棲み分けが進むだけで、介護や福祉の仕事の需要は増え続けると思います。
記者 馬場さんの優しさに心を打たれます。馬場さんのような人が広がっていけば、主体性を大事にした民間主体のAll win地域活性化も加速度が上がりそうですね!! 本日はお忙しいところありがとうございました!!
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馬場さんの活動、連絡については、こちらから↓↓
HP:https://general0201.wixsite.com/ongagundan
Facebook:https://www.facebook.com/naoyuki.baba.7
【編集後記】
インタビューの記者を担当した風見と古川です。
行政に依存するのではなく、民間から持続可能な地域活性化を共に創っていきたいと感じました!!
インタビュアー:Morphie Blog:https://ameblo.jp/morphie/
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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36
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