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昔あった、あと少しで上場廃止の危機だった時の話

経営のセンスは、仲間といくつもの「修羅場を共にくぐり抜け、成功体験を共有してきた」ことで磨かれてきた。

という社長の言葉を前回記事に書きました。

そうしたら、この記事を読んでくれた若者が「じっさい、どんな修羅場をくぐってきたんですか?」と質問が。

たしかに気になりますよね。

でも、修羅場とは失敗しかけた話のことなのでなかなか胸張って書きづらいのですが(笑)、いくつかある中で実際僕も経験した修羅場の話を少しだけしたいと思います。


<上場廃止の危機>

もうかなり経ちますが、すんでのところで連結決算をしめることができず、危うく上場廃止になりかけたことがあります。

当時、通期決算2ヶ月ほど前に主に決算業務を担っていた経理メンバーが急な諸事情で立て続けに辞めなければならなくなり、それまで決算業務をやってきたメンバーが一気にいなくなってしまいました。

決算がしまらなければ、上場廃止になる恐れがあります。

まさに会社存亡の危機で、二度とこんな事態に陥らないよう得意の仕組み化で対策を打つことも大事ですが、あまりにも急や偶然が重なってしまったため、しかも期限が期限です。

すぐに社長から僕を含め社長特命執行部のメンバーが集められ、「この事態をなんとかして切り抜けたい。助けてくれないか」と。

これを受け、「当然です。やったりましょう」と全員が団結。

経理の人材採用に動いたのはもちろん、それでは間に合わないので少しでも進められるよう、財務経理においてはド素人の社長特命執行部のメンバーが書店で宅建の本を買って徹夜で猛勉強しました。

本当に夜な夜なみんなで会社にこもって売掛買掛の計算から一つずつ本を見ながら見様見真似でやっていたのを今でもよく覚えてますwとにかく大変でしたが、毎日が文化祭前夜のようで今思えば楽しかったな、と。

つまり、当時を共に乗り切ったメンバーは、財務経理ド素人の状態から上場企業のグループの連結決算までを2ヶ月でやり切る経験をしているわけです。

もう二度とこんな事態はごめんですが、この時のおかげでより苦境の乗り切る自信がつき、チームとして深い信頼関係を築けたとも思います。

<時代の変化と修羅場>

先ほどのような修羅場はそうそうありません。

社長の小渕も「これが失敗したら会社が潰れるってのが本当の修羅場で、人とお金に余裕が出てきてからの転換点は修羅場というほどのものではない」と述べています。

とはいえ、読みを外せば結果が何十億円下手したら何百億円も変わるというシーンは数年に一度訪れます。

たとえば、ガラケーからスマホへの転換を読みきれず倒産したIT企業もたくさんあるはずです。

反対に「これからは〇〇の時代だ」と盛んに喧伝されたにも関わらずまったく流行らず、そこに賭けていた企業が潰れた事例もあります。

こうした読みは非常に難しく、GoogleはGoogleグラスで失敗していますし、Amazonのジェフ・ベゾスも絶賛していたセカンドライフ(当時評価額が1億ドル以上だったバーチャル空間であれこれできるサービス)も今じゃほとんど忘れ去られています。

GoogleやAmazonならともかく、こうした読みの失敗は小さな企業にとってはまあ大きなダメージです。

そういうレベルの変化が次々訪れるIT業界で5、6回メイン事業を転換して成長を続けている。

そこが役員たちの小渕さんへの信頼になっている面もあると思います。

日頃の信頼があっての「俺たちなら苦境を乗り越えられる」という自信ですし、社長に頼られた時の誇らしさ・嬉しさでもあります。

<修羅場に強い組織はどう作るか?>

社長の言う通り、修羅場は数年に一度はやってくるものです。

では、修羅場に陥ったとき、強い組織とはどんなものか?

たとえば、CROOZのように、絶対に必要な仕事を担う経理やエンジニアのような人材が急に頼れなくなったとき、負け戦モードにならず、1から勉強してでも穴を埋めなんとか事態を収めるような人材や組織をどう作ればいいのか?

そのことについては、以前うちの「社長特命執行部」という仕組みについての説明で詳しく記しました。

気になる方はぜひ読んでみてください!

<今回のワーク>

毎回恒例、
テーマに合致した若手起業家向けのワークです。
これらは、内容を体験的に理解してもらうための実践的なものです。ぜひ、いくつかでもチャレンジしてみてください。

・修羅場を通して得られたものを言語化してみよう
・修羅場が訪れたとき全て伝えて頼れるメンバーがいるリーダー像はどんなものか考えてみよう。日頃どんな発言や振る舞いをしているだろう?

それでは、また次回お会いしましょう!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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