想像していなかった未来
子どもが小学4年の時に始めたのがキッカケで、初めは送迎だけと考えてた習い事の剣道。 子2人と妻が先に習い始め、その半年後ぐらいに自分もやりたくなったのが、5年ぐらい前で、40代からのスタート。
武道なんて空手とか興味はあったけど、剣道は全くの素人。
道着から防具やらの装着に、文字通り着られるところから始まった。
右も左も、作法すら分からなかった自分だったが、子と一緒に稽古に励めていたのは、いま思い返すと幸せな時間だったように思える。
習いたて
習いたてのころは、初めから道着着用という訳ではなく、私服の状態で、竹刀を持っての素振りから始まるのだが、竹刀の持ち方や、足捌き、竹刀を持っての構えなど、何が何だか分からない状況が続く中、当時、教わっていた70代の先生が2人いらっしゃり、見よう見まねでやらさせて貰っていた。
また… 剣道用語も独特な響きがあり、蹲踞(そんきょ)など、漢字の読みから入らないと分からない始末。今だに取っ付きにくいと感じる。
合わせて素振りの種類を覚えるのに苦労する。
そんな状況の中、半年後ぐらいに胴着着用の許可を先生方から頂くのだが、胴着を購入するべく防具屋へ向かう。
当時、消費税が上がるタイミングがあり、その前の購入を先生方から促され、そのタイミングで家族分、まとめて購入。それなりの金額で青くなる。
奇跡的に、自分の分の防具や胴着は、お譲りがあり、それで間に合わせたのだが、その防具等を授かったのが、我が父であって、聞くところによると、先生をやられていた方から、体力的に着れなくなったのでとのことで、寄贈され受け取ったようだ。 その防具を現在も使っているが、持ちも良く、頑丈で、胴を打たれても痛くない。しかし重い。古き良き防具とのことで、気持ち良く使わせて頂いてます。
そんなこんなで、習いたての生徒数は、小学生高学年の女の子2人、男の子2人ぐらいで、寂しいものだったが、我が家のように、そこにプラス4人になったのと、我が家に触発されたのか、通ってある生徒の父親が道場にい入ってこられ、生徒数もボリュームが上がり、自然と活気が湧いてきた。
昇級審査
どのジャンルでもそうだと思うが、剣道にも、格付け的なものがあり、
昇級審査というものがある。
6・5・4・3・2・1と級が上がり、
それ以降が、初段・弐段・三段・四・五・六・七・八と上がる。
その父親さん達と私達夫婦は、初心者からでも1級から受審することが出来、昇級審査に向けての稽古が始まる。
審査内容は、実技と形(かた)。
初心者からスタートするには、日頃の基本稽古からの蓄積と、難関が形。
形は、木刀による基本技稽古法というものがあり、9種類の形がある。
そして二人一組での審査になる為、掛かり手と受け手で、内容が違う。
よって9✖️2で18種類、形を覚えなければならない。
覚えるだけならまだしも、身体に染み込ませなければならない為に、ハードルが高い。 なんでもそうだが、本番は緊張する。
そこをクリアした者が、級や段に合格する。
そうこうしている内に、現在、二段取得しており、今年の8月に三段を受審したが、まさかの実技で不合格。 今までストレート合格だっただけに、落選することを知る。
その審査前の八月初旬に、前触れもなく、
道場の代表が亡くなる。
代表の急逝
その日は、稽古の日だったので、いつも連絡をしていた先生のグループLINEが無反応。 先生方からの話も、何日か前から連絡をするも反応がないとのことで、嫌な予感がし、ご自宅へ向かう。
ご自宅へ到着。
チャイムを、鳴らしても応対なし。
玄関を開け、声掛けするも、応答なし。
部屋に入ると、先生の姿が見え、再度声掛けするも、無反応。
身体からの呼吸確認もなく、一先ず救急車を呼ぶ。
救急隊から連絡が入り、警察の方に引き継ぐとのこと。
俗に言う、第一発見者を経験する。
代表は、70代の独身。
もしもの時の連絡先も不明。
途方にくれた。
不動産へ連絡し、契約時に親族の連絡先があるとのことで、不動産を通し、親族と連絡が取れるようになった。
警察からの取り調べもあり、バタバタと、その日は終わった。
翌日、警察から現場報告と死因の説明。
話を聞くと、親族の意向もあり、通夜なし葬儀なしとのこと。
その後、親族との連絡をコチラからは取り辛く、1ヶ月ほどが経ち、
連絡がないねぇ… と思っていたら突然連絡が入る。
今から遺品整理をするとのことで、剣道関連の品を引き取ることに。
足の踏み場もない、と言う表現があるが、間取りは2DKぐらい。
部屋の三分の一は、ゴミ系で下が埋まっている散々な状態と異臭の中で遺品整理。未だに、たまにフラッシュバックする。
量にして2部屋分ぐらいの剣道関連の道具を整理。
ミニバンタイプの車2台で運んだ。
何日か後に関係者を集め、形見分けへ。
使えそうにないものは、家庭用ゴミ袋で、約20袋分。
その日の打上げだったろうか… 次期代表のご指名が私に入る。
参加者は、現在指導をしている、
代表と長きに渡り行動を共にしていた70代の (仮名)赤木先生、
私と同い年で、高校まで剣道をしていた40代の (仮名)青木先生、
最後に私と同じパターンで剣道を始めた 30代の (仮名)黒木先生の計4名。
おもむろに今後の道場の話になり、実質、パワーバランス的に赤木先生の発言が強く、その方から次期代表のご指名を頂いた。
まさかの展開に、のけぞってしまったのだが、その時は丁重にお断りをし、次期代表の件は、一旦保留となる。
別口で、代表の後任候補にも上がっていた、
本道場OBの50代の (仮名)黄緑先生もおり、
赤木先生が、後日、黄緑先生にお願いしてみるとのこと。
私は胸をなでおろした。
青木先生と黄緑先生は、道場での先輩後輩の中で、今後の動向を話し合った結果、黄緑先生の身体的な問題もあり、黄緑先生が代表後任とはならず、これまた保留になったのだが、青木先生も、私推しを黄緑先生にしたため、それなら私に後任を、との話になったらしく、私も、ぐうの音も出ないと言えば良いのか… そんな心境になり、黄緑先生が、そうおっしゃるならと、腹を括り、そのまま為されるがままに、新しい代表になることを決意。
新代表の爆誕
急がば回れ状態で、急遽、道場の保護者会にて、新代表の報告と諸手続き。
道場といっても、稽古場を持っている道場ではなく、
公民館のサークル活動の一環とし、公共施設の小学校と中学校を使用しての活動なのと、別に地域の◯区の剣道連盟にも属さないといけないやらで、
現在、パニック状態……。
…と言うわけで、
私の、想像していなかった未来は、剣道・道場の代表になったことでした。
まさか私が道場の代表になるなんて…。
現在進行形で、ザックリではあるんですが、こんな状況なんです。
そんな展開で、まだ浮き足立ってる状況ではありますが、来年の二月には、昇段審査もあるので、前回落選の経験を活かし、次こそは形まで行きたいと思います。実技で落選は屈辱でした。が、そこに集約されてると思うので、
自分を見つめ直し、三段合格を目指します。審査は2月です。頑張ります。
剣道は、気軽に出来る武道ではないですけど、
礼儀や作法に、日本の美が詰まってます。
ようやく、小学校高学年の生徒達に、ヤル気が出てきたので、嬉しいです。
なんでもそうですが、過程が楽しいです。
運営の方も前向きに頑張らないとなと思いつつ、
前向きになれない時もありますが……。
道場の生徒:15名
稽古日:火・水・金
合間見て、活動報告が出来ればと思います。
こんな私ですが、応援して下さい。
誰か助けて… と言いたいぐらい、
衝撃的な、想像していなかった未来でした。
最後に
長文になりましたが、ご拝読、ありがとうございました。
また note プラットホームを通じ、今回の企画を目にしてから、
私の物語を投稿しよう、挑戦してみようと思い立ちました。
今の今まで、こんな投稿は、人生で初でした。
このような機会を頂き、マイナビ様とnote様に改めて感謝申し上げます。
また… いつも私の投稿をみて下さってる皆さま、
スキのリアクション等、励みになっており、
通知を見る度、アドレナリンが出るのか、ハッピーになります。
応援して頂いて、感謝してます。
簡単ではありますが、ご挨拶とさせて頂きます。
ありがとうございました。