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【解説】6月といえば夏越の祓!いや、祓(はらえ)ってなんなんだ!


めくるめくめぐるの世界へようこそ、書店員vtuberの諸星めぐるです。
京都に住っていた諸星にとって、6月は水無月というお菓子が恋しくなる季節です。

この6月に神社の鳥居をくぐってみると、大きな草の輪っかがあるのをご存じですか?

「あれなんだ?」
そう思った方、
「いいや知ってるし!」って方
たくさんいると思います。

今回の読む配信はそんな大祓に先立って、そもそも「祓」ってなんぞや?
について解説していきます!

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祓とは


そもそも、祓(はらえ)とは、古代では、「祓」というと、
を除く浄化の儀式を指すことが多い。
物忌み、禊は本来この祓の中に属していて、最後に祓を行うことで平安に保つとされていた。


罪ってなに


さて、ここでいう罪とは、単に世間一般の犯罪のことをさしてはいない。

時代とともに変遷するが、恐怖を抱かせる反社会的行為・疾病・災禍などのことをいう。
これは人間である以上、致し方のないことだが、やはり集団生活を送る上でやってはいけない「独りよがりな言動」も含まれる。
この「いけない」と分かっていてもしてしまうわがままな言動を、神道では”罪”と捉える。

天つ罪・国つ罪(あまつつみ・くにつつみ)と呼んだりもするが、どちらがどういう罪なのかは不明である。
自分の行為とは無関係であってもいつの間にか心身に蓄積してしまうので、「積み」と説明されることもある。
どんな善人であってもこの「積み」が重なり、祓い除かないと災厄を引き寄せる原因になるといわれている。

そもそもの元凶スサノオちゃん


穢れってなに


穢れはというと、自然発生的な現象により、物事の清浄、心の静ひつを乱すものを指す。
病や市、出血に触れることで心が乱れることで穢れが蓄積されていく。

という、これまた不可避なものである。


そう、生活をするうえで罪穢れから逃れることなどできないのである。
しかし、神道は「清浄・正直の宗教」。
それは、「清浄」でなければ、神様の如何なる恩頼(みたまのふゆ)も御利益も決して現れる事が無い。
そのため神道は「清浄」を最も重んじ、その最高の神事が「大祓」となる。



中臣祓ってなに


中世には、僧侶・陰陽師・神職を中心とする宗教者たちが祓の儀式を行うようになる。
この時には、大祓詞と密接に関連する祭文である「中臣祓(中臣祭文)」を用いて祓を行っていた。
6月12月の晦日に行う大祓の時には代々中臣氏が司る役目なのでこう呼んだ。
奈良時代以前から存在したともいわれ、1200年以上の歴史をもつとても古い祝詞である。
言霊の力を信じている当時の日本人にとって、祝詞の中の祝詞とも言われるほど完成度の高い文体で、文学的にも高く評価されている。

また、恒例の大祓式以外にも様々なお祓いで用いられることから「万能祈願祝詞」とも言われることがある。
作者不明の不思議な祝詞である。
めちゃくちゃかみ砕くと、日本の仏教・浄土真宗の「南無阿弥陀仏」ってことです。

「茅の輪神事」(夏越の大祓)

不可避の罪穢れを祓うことは必須事項であった。
この浄化の儀式、年に2回行う必要がある。
その一つが6月晦日に行われる全国の神社で行われる「夏越の大祓」(なごしのおおはらえ)である。

その由来は、奈良時代に編集された備後国風土記(びんごのくにふどき)の逸話が関係している。
武塔神(ムトウノカミ)が、南海の神の娘と結婚するために、南海を旅している途中、蘇民将来(ソミンショウライ)、巨旦将来 (コタンショウライ)という兄弟のところで宿を求めたところ、弟の巨旦将来は裕福であったにもかかわらず宿泊を拒んだのに対し、兄の蘇民将来は貧しいながらも喜んで厚くもてなした。


その数年後、再び蘇民将来のもとを訪ねた武塔神は「もし悪い病気が流行ることがあった時には、茅の輪を作り腰につければ病気にかからない」と教えた。
そして実際に疫病が流行したときに、巨旦将来の家族は病に倒れたが、蘇民将来とその家族は茅の輪で助かったという。

この言い伝えから「蘇民将来」と書いた紙を門にはっておくと災いを免れるという信仰も生まれました。

こんなかんじで伊勢のしめ縄にもみられる蘇民将来


茅の輪も当初は風土記に示されたとおり小さなものを腰に付けるというものだったが、しだいに大きくなり、江戸時代初期には大きな茅の輪をくぐって罪や災いと取り除くという現代の形の神事になった。

これこれ、これが茅輪(ちのわ)


ちなみに、諸星のおすすめ「夏越の大祓」は上賀茂神社です。

百人一首にも詠まれている夏越の大祓(夜に行われます)、めちゃ大規模なので見に行ってみてね!

「師走の大祓」

もう一つの浄化の儀式は12月の大みそかに行われる。
こちらは「師走の大祓」(しわすのおおはらえ)・大祓式と呼ばれる。

大祓式とは、日常生活の中で知らず知らずに犯した罪や過ち心身の穢れを身代わりとなる人形(ひとがた)に託し海や川に流して祓い清める神事を指す。このため、夏越の大祓でも行われるぞ。

師走の大祓では、新年を間近に控えた1年の総括としてのお祓いになる。

これが人形

いかがでしょうか。
今回はここまで!
また次回の配信や読む配信でお会いしましょう。

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それではみなさん、さよなら×3

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