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「よんもじ」Vol.2 SUMMER 感想

おかげさまで第2弾を発行することができました!
俳句7句+エッセイ(おすすめの一冊)のネプリです。
メンバーの俳句を1句だけ紹介して、感想を書いていきますね。

池田 奈加
口癖が移った青嵐のせいで

吹き乱れる風に混じって誰かの口癖が自分の中に入ってきた。
そんな、遊び心を感じる句です。

「青嵐のせいで」「移った」と風のイタズラのように書いているけれど、口癖をマネてみたのは自分の意思のはず。相手をよく観察して、そのうちその人の様に振る舞いたくなって。
そんな甘酸っぱさやドキドキを感じるのは「青嵐」という季語の爽やかさの効果でしょう。
素直になれないいじらしさを感じる句です。

藤田亜未
ブロックを抱えて眠るソーダ水

直前まで夢中で遊んでいたんでしょうね。
気が付いたら寝ていた、遊んでいたブロックを抱えたままの姿勢で。

富安風生の〈一生の楽しきころのソーダ水〉のような、こども時代の尊さを感じる句です。

亜未さんのエッセイ、「おすすめの一冊」は『ライオンのおやつ』小川 糸 とのこと。
俳句にも全ておやつの名前が入っています。
美味しい俳句たち♪

西川火尖
葬りにゆかねば薄い日傘差し

「葬」という黒を連想させる言葉と、陽の光の白を連想させる「薄い日傘」の対比が印象的です。
「ゆかねば」という強迫観念の様な言葉、一体何を誰を、葬りに行くのでしょうか。
顔を隠す様にさす日傘、なんだか犯罪めいた香りがします。でもその日傘薄いんですよね。お天道様は見ている、のでしょうか。
実は深刻に考えているのは本人だけの様な雰囲気も。色々と想像させる句です。

2022年6月17(金)までコンビニにてプリントできます。
是非お手に取ってみてください!

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