Moro☆

モロホシです。 元「船団の会」。現在「猫街」「すはえ」「よんもじ」「子連れ句会」で俳句をしています。 主に俳句の感想を投稿していきます。 よろしくお願いします♩.。

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モロホシです。 元「船団の会」。現在「猫街」「すはえ」「よんもじ」「子連れ句会」で俳句をしています。 主に俳句の感想を投稿していきます。 よろしくお願いします♩.。

最近の記事

「よんもじ」Vol.11 AUTUMN感想

俳句テーマは「月見」エッセイテーマは「スポーツ」です。 どこからか太鼓の音や無月の夜 藤田亜未 この時期って秋祭りの準備で太鼓の音が聞こえてくることって多いと思います。 姿は見えないものに耳を澄ますことは、見えない名月に思いを馳せる「無月」という季語に通じます。太鼓ってお月様みたいですし。 今日のこと花野に埋めてあげるから 相田えぬ 花野に埋める、埋葬のように感じるこの言葉。「今日のこと」を無かったことにしてあげる、という優しさと、埋めて無かったことにするという恐ろし

    • 「よんもじ」Vol.10 SUMMER感想

      俳句は当季雑詠、エッセイは「こどもの頃の遊び、趣味」です。 助っ人に田歌教わる青年部 相田えぬ   助っ人の気さくな人柄、青年部の真面目さが浮かんできます。田歌と一緒に田植えの楽しさも教わっているのでしょう。    エッセイは「遊び相手」。 えぬちゃんの話には今もよく妹さんが出てきて、そんな二人の昔話にほっこりすします。 注文を聞く新人や柿若葉 藤田亜未 新人の緊張感が伝わるようです。レストランの窓の外に柿若葉がキラキラと輝いているシーンが浮かびました。 エッセイ

      • 「よんもじ」Vol.9 SPRING 感想

        今回は、俳句「わがまち自慢」、エッセイ「おすすめスポット」というテーマで作成しました。 春祭あるよあるよと誘はれし  西川火尖 「あるよあるよ」という響きが妖精のささやきのように感じられた。春祭のふわふわとした楽しさが表れている。 エッセイは、大人の目線とこどもの目線を対比していることで、橋本の魅力がとてもよく伝わってくる。 栞には進学先や卒園式 藤田亜未 同じ場所で毎日過ごしてきた時間、それには終わりがあり、ひとりひとりに違う未来があるのだ。同じ小学校に行く子、違

        • 「よんもじ」vol.8 WINTER 感想

          灯を過るとき煙見ゆる寒夜かな  若林哲哉  今回ゲストとして参加してくださった若林哲哉さん。 灯→煙→寒夜の移動から暖かさが失われていく様子が字から見てとれる。 場面の色も赤→白→黒と移りかわっていく。 最後の寒夜が印象深く残るのは、煙のシーンという1拍があるからだろう。 冬がとても丁寧に描かれている。  ゲストとしての参加を引き受けてくださった若林さん、その後北斗賞の受賞が決まり、忙しい日々を送られていたと思うが、予定通り冬号に原稿をくださった。今回は恐れ多くも贅沢に

          よんもじVOL.7 autumn感想

          今回は「好きな食べ物」で7句、エッセイは「お気に入りの店」で書いています。 好きな句を一句ずつ紹介していきます。 隣席の人見て決める秋メニュー 藤田亜未 期間限定メニュー、気になるけど定番メニューの方が失敗がないんじゃないか、悩んだけど隣の人のテーブルにある秋メニューを見たら決断した。 そんな風に秋メニューを捉えた。 秋メニューが魅力的に表現されている。 秋麗やタルトタタンは誘惑す 相田えぬ タルトタタン、リズムをとっているような名前が楽しい。 ご機嫌な感じが秋麗に合

          よんもじVOL.7 autumn感想

          彗星書架 第3号 感想

          今回のテーマは「サラリーマン」でした。 会議のち会議で二百十日かな 松本てふこ だんだんと忙しくなってくる様子が伝わります。 台風が来ることも多い二百十日という季語に不穏な空気とこれから起こる波乱も感じるような・・・ 白きもの皆汚れたる晩夏かな みやさと 盛夏の、汚している時には気づかなかったものが、晩夏で浮かび上がってくるような、激しさと汚さを突き付けられたような句です。 八月の始末書先輩と連名 西川火尖 共犯にさせてしまった罪悪感と悪いことに巻き込んでしまった

          彗星書架 第3号 感想

          よんもじVOL.6 SUMMER感想

          俳句は「願いごと」エッセイは「誰かの願いを叶えた話」と発行日の7/7にちなんで、七夕(秋の季語ではありますが)を意識したテーマで書いております。 夏陰に笑っていたことだけ残る 相田えぬ 誰もいない夏陰から笑い声が聞こえてくるようです。 もうその瞬間は訪れないということが「いた」「だけ」という言葉から感じ取れます。 人ではなく、夏陰というものが宿す誰かの思い出。 夏陰の持つ暗さと生命感溢れる感じによく合います。 銀漢を渡りたくない仔猫かな 藤田亜未 壮大な銀漢を前におび

          よんもじVOL.6 SUMMER感想

          「彗星書架」おさななじみ感想

          BL俳句を詠む「彗星書架」の第2号ネプリを読みました。感想を書かせていただきます。 さう言へば見たことなくて裸足かな みやさと 顔はよく見ますよね。 手も好きな人なら見るかもしれません。 でも素足ってちょっと仲がいいくらいじゃ、なかなか見ない。それにサンダル履いたり、ペディキュアを塗ってお洒落を楽しむことが多い女性より、男性だと余計裸足を見る機会が少ないのかも。 見たことがないんじゃなくて、意識して見たことがないってこともあるのかもしれないし。 体の一番下の裸足にまで目

          「彗星書架」おさななじみ感想

          「よんもじ」vol.5 SPRING 感想

          春惜しむまもなく電車まいります 相田えぬ  時間の移り変わりを感じさせる「春惜しむ」の季語に、肉体を移動させる「電車」を出してくるところがおもしろい作品。  「電車まいります」という駅のアナウンスの様な言葉も、まだ春にいたいのにせわしなくどこに連れて行かれるような感覚を思わせます。  上と下とに二つに分かれる、流れるような言葉の構成も句に合っています。 花明かり小さな魔法瓶の湯気 西川火尖  花明かりの薄寒さ、暗さの中に見つける小さな温かさにとても惹かれます。 「魔法

          「よんもじ」vol.5 SPRING 感想

          「よんもじ」vol.4 WINTER 感想

           昨年の春号から始まった「よんもじ」おかげさまで春夏秋冬すべての号を刊行することができました。ありがとうございます😊 🍀ということで今回は4人の共通の友人、✨久留島 元さん✨がスペシャルゲストとしてご登場‼️ 俳句7句とエッセイを寄稿いただきました✨ 今回はそんな「よんもじvol.4」から一句ずつとりあげ、感想を書いていきます。 名物は時雨楽しむミルクティー ゲスト 久留島元さん  外の情景を感じられるティータイムが素敵です。ミルクティーと時雨の水分の組み合わせも面

          「よんもじ」vol.4 WINTER 感想

          谷さやん さん『谷さやん句集』感想

          さやんさんは、元「船団の会」会員で、今はネット句会でご一緒させていただいている方です。 さやんさんの楽しくて明るい俳句が好きで、今回、朔出版さんから出されたこの句集にも素敵な俳句がたくさん載っていました。 その一部と感想を書いていきます。 【 空席と思えば帽子漱石忌 】 ほのかに感じる人の気配がいいですね。 時候や天文の季語を合わせてしまいそうですが、漱石忌とあることで、より空席に存在感が出ています。 【 牡丹雪へこたれそうな長電話 】 思わず苦笑してしまう句ですね。

          谷さやん さん『谷さやん句集』感想

          「よんもじ」Vol.3 AUTUMN感想

           今回の俳句テーマは「いきもの」、エッセイテーマは「おすすめのレシピ」です。  俳句の鑑賞の後に、それぞれのオススメレシピを作ってみたTwitterのリンクを載せています。 藤田亜未 蟷螂や意地悪そうに鎌揺らす  蟷螂と出くわした時の緊張感が、「鎌揺らす」という小さな動きから伝わります。蟷螂側にはそんな意図はないんでしょうが、「意地悪そうに」から恐怖感も感じます。  調べたところ、蟷螂のカマはエサとなる虫をしっかりと捕まえるためのもので、人間がケガをするほどの強さはな

          「よんもじ」Vol.3 AUTUMN感想

          「よんもじ」Vol.2 SUMMER 感想

          おかげさまで第2弾を発行することができました! 俳句7句+エッセイ(おすすめの一冊)のネプリです。 メンバーの俳句を1句だけ紹介して、感想を書いていきますね。 池田 奈加 口癖が移った青嵐のせいで 吹き乱れる風に混じって誰かの口癖が自分の中に入ってきた。 そんな、遊び心を感じる句です。 「青嵐のせいで」「移った」と風のイタズラのように書いているけれど、口癖をマネてみたのは自分の意思のはず。相手をよく観察して、そのうちその人の様に振る舞いたくなって。 そんな甘酸っぱさやド

          「よんもじ」Vol.2 SUMMER 感想

          塩見恵介さん『隣の駅が見える駅』感想

          2022年3月25日ツイート分の転記です。 ~心地よい繰り返しの効果~ いつも句集を読む時、特に気に入った句には付箋を付けていくのですが、この句集を読み終えて付箋の句をまとめたら、同じ言葉が繰り返されている句がたくさんあることに気づきました。 チューリップ兄より優し兄の友 お兄さんのお友達に遊んでもらって楽しかったのでしょう。兄姉の友達って大人に見えるんでしょうね。そしてそんな優しい友達がいるお兄さんもきっと優しい人なのでしょう。 兄という存在がいて、さらに妹(弟)の

          塩見恵介さん『隣の駅が見える駅』感想

          「よんもじ」Vol.1感想

          2022年3月13日ツイート分の転記です。 ネクタイを貸され遅春の会議室 西川火尖 「借りて」じゃなくて「貸され」に相手のおせっかいや愛情を感じます。 きっと、ちょっとそそっかしい感じの社員なのかな。 「社長もくるんだからネクタイ締めとけ」と渡されたんでしょうか。会議には出ない、違う部署(毎日きちんとネクタイしている営業部とか)の同期だったり?でしょうか。 ちょっとイメージしてみたんですけど、ネクタイという身体に近い物を貸してくれて、しかも目の前で解いて渡してくれるって、

          「よんもじ」Vol.1感想

          西川火尖さんの第一句集『サーチライト』感想

          2022年1月16日ツイート分の転記です。  西川火尖さんは1984年生まれということで、就職氷河期世代の終わりくらいでしょうか。 私とほぼ同世代(と言わせてください)ですね。なので、同世代として共感できるテーマが多くありました。 なので、素敵な俳句が多くある中でもそういった俳句に焦点を絞ってご紹介していきたいと思います。  まずご紹介したいのは、理想通りの働き方を手に入れた訳ではないけれど日々実を削って働き、そんな生活に誇りもある、そんな雰囲気を感じた俳句です。 もちろ

          西川火尖さんの第一句集『サーチライト』感想