「よんもじ」Vol.11 AUTUMN感想
俳句テーマは「月見」エッセイテーマは「スポーツ」です。
どこからか太鼓の音や無月の夜
藤田亜未
この時期って秋祭りの準備で太鼓の音が聞こえてくることって多いと思います。
姿は見えないものに耳を澄ますことは、見えない名月に思いを馳せる「無月」という季語に通じます。太鼓ってお月様みたいですし。
今日のこと花野に埋めてあげるから
相田えぬ
花野に埋める、埋葬のように感じるこの言葉。「今日のこと」を無かったことにしてあげる、という優しさと、埋めて無かったことにするという恐ろしさ。「あげるから」という言葉には相手のためのようであり、本当は自分がそうしたいのだ、という気持ちを感じます。
遅延金とる月光の精算機
西川火尖
野外の駐車場を思い浮かべました。追加料金って高く感じますよね。悪いことをした訳でないのに「遅延金」という言葉が罰金のように感じます。月光に悪事を照らされているような、焦りを感じる句です。
去る宿の寝巻きを畳む秋の朝
諸星千綾
自句自解
旅行の最終日の朝って、しんみりした気分になりますよね。「寝巻きを畳む」という行為に惜しむ感じを託しました。旅行の浴衣、実際には畳むというより丸めるという感じにしてしまいますが( ˊᵕˋ ;)
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