本を出します
てりたまさんの『会計士監査現場の教科書』が、発売前から重版が決定するなど大きな話題を呼んでいます。それに便乗する形、というわけではありませんが。私も中央経済社様から書籍を出させていただくことになりました。すでに原稿もほぼ完成しており、あとは装丁を決めて製本、という段階で、発売は8月下旬を予定しています。
書名と本の内容
書名は『わかる!使える!うまくいく! 内部監査 現場の教科書』となります。「現場の教科書」がてりたまさんと丸かぶりですが、ある程度偶然です。別々に書名を検討していて、ふたを開けてみたら「現場の教科書」シリーズのようになりました。もともとはやはり中央経済社から出版されている𠮷田延史先生の『フローチャートでわかる 経理・財務現場の教科書』が、良いタイトルだなあと感じたところから、拝借させていただきました。やはり、現場で働いている人に役立つ本を出したいと思っていたので、とても納得感のある書名にできたと思っています。
内容はまさに、内部監査に従事する方に広く役立つ書籍を目指しました。内部監査部門に配属されたばかりの人が、まず何をしたら良いのかに始まり、どういった社内の資料を見ておくべきか、実際の内部監査で行う作業や報告書の作成方法といった、入門書的な内容から、良い監査指摘を出すための工夫や考え方、さらには海外のグループ会社に内部監査部門を設立する場合に気を付けることといった部門運営上の課題まで幅広く扱っています。内部監査部門は少人数の部門であることが多いので、上級管理職的視点を多くの人が持つ必要があると考え、少しレベルの高い話まで取り込みました。
執筆開始までの経緯
昨年8月に勤務先を退職し、9月ごろに、当時既に週3回のnote発信をされていた、てりたまさんとお話しする機会がありました。そこで刺激を受け、自分でも何か書いてみようと思い、10月にいくつか内部監査やキャリアに関するnoteを書いて有料で販売してみました。幸い、好意的な反応が多く、note社からもインタビューの依頼を受けたりもしました。この記事とXでの発信が中央経済社様の目に留まったようで、最初は「会計人コースWeb」にエッセイを書かないかという依頼を、同社編集者のSさんから頂きました。その時に掲載していただいた記事は下記になります。
https://note.com/morningstar0212/n/ne44eaa0daf7d
この記事を載せていただいてすぐに、Sさんから今度は本を出さないかという依頼を頂きました。将来的に、仕事やキャリアの総括として書籍を出せればという漠然とした夢はありましたが、この時点ではそこまでは全く考えていなかったので、大変驚きました。また、内部監査関連の書籍では需要が少ないのでとても出版には割が合わないのではとも思っていました。書籍の初版は一万部程度という話を読んだことがあり、内部監査の専門書が一万部も売れるとは全く考えられませんでした。そのあたりをSさんにお話しすると、初刷は千部程度からあるとのことで、「千部なら、Xで一生懸命宣伝すれば何とかなるかも」と気持ちが動きました。中央経済社としても内部監査関連の書籍があまり多くないので、内部監査部門にはじめて配属された人などをメインターゲットに、「内部監査をする人がはじめに読む本」というコンセプトで、社内の承認を頂きました。それと並行して、内容の概要を固めるために、目次の作成を行いました。10章構成で200ページ程度という形を決めて、8月刊行を目指し、いよいよ執筆開始となりました。
世の中、お金を払ってでも本を出したいと思う人は山のようにいる中で、依頼を頂けること自体が大変ありがたいことです。とはいえ報酬も気になるところです。最初の著作では印税はもらえず、書いた本を印税の代わりに数十冊もらえるだけ、とか、印税の%が最初のうちは非常に低いなどの話を聞いたことがあったのですが、初刷から、刷った部数に応じて、世間で言われている標準程度の%で払っていただけるとのことで、この点にも大変感謝しています。
実名か匿名か?
さすがに実務書ですので、Xのハンドルネームで出すわけにもいきません。それっぽいペンネームという手も一瞬考えましたが、潔く本名で出すことにしました。というわけでXでは身バレすることになります、この点、結構まだドキドキしています。とはいっても、Xでのフォロワー数(2024年7月現在で約22,500名)に比べれば、リアルな知人の数なぞ数十分の一なので、気にするほどのこともないのかもしれません。
著者略歴には、名前だけでなく、これまでに勤務した企業名も記載しました。色々考え方はあるところでしょうけれど、内部監査のような企業ごとの特殊性が高い業務について述べる以上は、著者がどんな会社で働いていたのかは、かなり重要な情報だと考えたためです。但し、書籍の方にはSNSのアカウント情報は記載しませんでした。本をお渡ししたり購入いただくリアルの知人などにわざわざSNSアカウントを晒すこともないかと思ったからです(笑)。
おわりに
書籍の内容そのものや、どういった人に読んでほしいか、執筆時の苦労やエピソードなどは、また別の機会にnoteなりXなりでお伝えできればと思います。8/17(土)の22時から、Xのスペースにててりたまさん、闘魂さんたちとお話しする時間もいただきましたので、そこでも色々とお話しする機会があると思います。