本を出します その2
8/17(土)の22時から、X(旧Twitter)で仲良くさせていただいている闘魂さん@sohmato_visionと、てりたまさん@teritamadozoにお声がけいただき、Xのスペース(リアルタイムの音声配信機能)を使って色々と執筆の話をメインにお話しさせていただきました。そこでお話しした内容と一部重複するかもしれませんが、執筆についてのあれこれ第2弾です。なお、書店に並ぶのは8月末ごろになると聞いております。すでに各社での予約は開始しています。
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また、10/19(土)に出版記念セミナーを開催することになりました。対面参加は既に売り切れておりますが、Web視聴は販売しております。書籍を購入いただいた後でも追加料金550円で視聴可能になりますので、お手に取っていただき、ご興味あればご参加いただければと思います。
本を書いてみたいと思った動機
前回のnoteにも書きましたが、将来的に、仕事やキャリアの総括として書籍を出したいという漠然とした思いはありました。この十数年は、内部監査の仕事をメインにやってきたわけですが、日本企業の内部監査の水準を少しでも高めるような仕事をしたい、という思いを持っており、その手段の一つとしては書籍を執筆するのはとても良い方法だと考えていました。そこにお誘いがあり、懸念していた販売部数についてもそこまで心配しなくても良いと言っていただいたので、タイミングとしては少し早いと思ったものの、喜んで引き受けることにしました。
執筆に当たって心掛けたこと
執筆前には当然ながら類書を確認しましたが、著者の思いが前面に出すぎているものや、過度にIIA(内部監査協会)の理論に寄りすぎているものなど、この仕事を始めてやろうとする人にはあまり向いていないものが多いように感じられました。そこで、初めて内部監査部門に配属された人が、社内で何をまずは確認したらよいか、会社ごとの手法のどういった部分をよく見る必要があるか、をできるだけ分かりやすく説明することを心掛けました。
また、内部監査部門への配属をことさらにネガティブにとらえるような記述をしたうえで「そうではない」とか、過剰に内部監査部門の専門性や独立性を強調している書籍も散見されますが、そういった記述も避けて、会社の他の仕事と同じようにどう取り組んでいけば良いか、という視点を重視しました。
読んでもらいたい方
①内部監査部門に配属された方
内部監査部門に配属されて日が浅い人を想定してそういう人たちが少しでも仕事を進めやすくなるアドバイスができれば、というのが最優先でした。また、内部監査部門は比較的少人数の会社も多く、配属されたと思ったら、部門長として部門運営や他部門との折衝などを行わなければならないケースも考えられます。そうした場合にどのようなことを考えなければならないか、という視点も盛り込むようにしました。
②内部監査部門でそれなりに経験を積んだ方
それなりに経験を積んだ人に物足りないと思われるのは残念なので、私の経験の中から、有用で他社でも応用が利きそうなものを織り込みました。正直、配属されて日の浅い人には難しい内容も一部含まれていますが、長い間手元に置いて参照していただけるような書籍を目指しました。
③公認会計士の方
特に監査法人勤務の公認会計士の方は、「内部監査=J-SOX(の経営者評価をやる人たち)」と思っている人がとても多いです。実際、内部監査部門はJ-SOXの経営者評価を実施するケースは多いですし、やることも似ているので混同するのも当然なのですが、やはり「内部監査」とJ-SOXは別物です。このあたりを、三様監査の担い手の一角である監査法人の会計士の方にも十分に理解してもらいたいと常々思っており、ぜひ、手に取って内部監査への理解を深めていただきたいです。
④監査役や取締役など、企業の役員の方
特に監査役・監査委員といった役割の方は、手足となるスタッフを持つことが少ないので、内部監査部門との連携は非常に重要になります。内部監査部門がJ-SOXの業務プロセス統制ばかり見ているようだと、社内に問題が起きたときに監査役等として適切な対応ができなくなる可能性もあるので、自社の内部監査部門にどのような役割を担ってもらうかは、監査役等が真剣に考えておくことであり、本書はその助けになります。また、社長やCFOといった経営陣も、内部監査部門の正しい使い方を理解するために、ぜひ本書を手に取っていただきたいです。
執筆の進捗
2023年の11月に最初に執筆の打診を頂き、大まかな章立てを出したのが11/21でした。これにOKをもらい、だいたい2024年4月中に原稿を書き上げれば、8月ごろに出版できるだろうというのが当初お伺いしたスケジュールでした。どのような感じで書くのが良いのかを確認するために、第1章を書き上げて編集者のSさんにお送りしたのが12/18でした。
第1章のあと、年末年始に自分や家族が体調を崩したりで全く進まない時期があり、第2章まではかなり時間がかかってしまいました。このままではスケジュール通りの出版ができなくなるので、第3章以降は基本的に10日で1章のペースで書いていこうと決め、なんとかそれをほぼ守ることができました。ただ、こちらに文章を書くというリソースを完全に取られた感じで、執筆が本格化する前には結構書いていたnoteは、内部監査関連のテーマは開店休業状態となり、エッセイ的なものを月に1本程度書くのがやっととなってしまいました。
苦労したこと
どうしても、自分に深い経験のある領域とそうでない領域では書きやすさに差が出てしまいます。内容の深度としてはこの程度で良いのか、ということは、得意分野については書きすぎて難しくなるリスクが、経験の薄い分野については、当然触れるべき内容を漏らしたり、誤ったことを書いてしまうリスクが高くなります。そのあたりに気を配ってバランスを取るのにはかなり苦労しました。
また、関連性が深いけれど、内部監査とは別の業務としてとらえるべきと私が考えている、J-SOXについての記述をどの程度行うかにも悩みました。実態としては内部監査部門と名の付くところにいる人の業務のかなりの部分をJ-SOX関連業務が占めていることは分かっているのですが、そちらはそちらで、浅野雅文先生 @masafumiasano の「内部統制の仕組みと実務がわかる本」などの素晴らしい書籍を見てきちんと学んでいただく必要があると思い、私の方では初めてJ-SOX関連業務を行う人が知っておくべき最低限の記述を行いました。
今後のこと
とりあえずセミナーを行うことと、打診レベルでいくつかの講演のご相談を頂いている以外は、出版関係ではこれといった予定はありません。いわゆるスタートアップなどのための内部監査の書籍を書いてみたいという思いもあるのですが、どうしてもJ-SOXを優先せざるを得ないとなると、私が一人で書くのもちょっと厳しいと感じています。その他、専門的な領域の内部監査を突き詰めるとなると、これもより詳しい方と共同でないと、なかなか良いものが書けないのではないかという懸念と、そもそもニーズがあるのかという問題もあります。ただ、今回の書籍がある程度売れたうえで、何らかのお誘いがあれば、当然前向きに考えたいです。
研修のご相談等ありましたら、XのDMもしくはms.cpaciaoffice@gmail.com までご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。