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大炎上した監査が海外からの抜き打ちレビューに当たった時のこと

てりたまさんがXで、炎上プロジェクトと検査(レビュー)への対応の話とについて触れていたのを見て、私も昔とんでもない目にあったことを思い出しました。20年くらい前の話ですので実務的な参考にはならないかもしれませんが、私が監査法人に勤めていたときの経験としては、最も印象深いものの一つですので、今回はその話をしたいと思います。なお現在とはルールや慣習が色々と異なるので、信じられないような点も多々あるかもしれませんが、その辺りも含めて楽しんでいただければと思います。また、私の記憶を頼りに書いておりますので記憶違い等で事実と相違する部分もあるかもしれないことをご了承下さい。


合併初年度で大混乱

これからお話するクライアント、これを仮にA社と呼びましょう。 A社は二つの別々の法人が合併して、年度の途中でできた新しい法人でした。当初の予定では10月に新法人が設立され、会計監査もすぐに開始する予定でしたが、システム統合の遅延やその他にも色々な事情があったのか、3月決算なのに、会計監査が開始できたのは2月からでした。
A社は本社が東京ではないうえに、全国の、しかもかなり僻地に拠点があり、主要拠点10か所を期中監査で回ることにしていました。その結果、インチャージだった私は2月に8回出張に行くというトンデモスケジュールをこなすことになったのでした。しかし、この期中往査の最中にもまだ会計システムの統合が完了しておらず、記帳できていない仕訳は統合後にまとめて投入する予定という、極めて不安な状況のまま、期末監査の時期を迎えることになりました。

「現預金がxxx億円合いません!」

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