世界で一番美しい分子図鑑②
前回の続き。
クリスマスの日、サンタさんから『世界で一番美しい分子図鑑』をもらった息子。
もちろん早速読み始める息子。
しかし。
サンタさんは中身を見なかったんでしょうね。難しすぎる、、、!!
中学高校で習うような分子を想像していた。酸素分子とか水分子とか、アンモニアだとか、もっと教科書みたいなのを想像していたのだが、全く違った。
『身の回りにあるもの』を中心に、それがどんな分子構造なのかが書かれたものだった。ベンゼン環どころの騒ぎではない。
それでも息子は夜寝る前の本にチョイスする。難しすぎて、すらすら読めない母。
でも。それでも読み進めると、やはり面白いのである。
最近、読んでいる項目が『添加物』。
息子の離乳食を始めた頃に、ママ友が「うちはオーガニック食材しか使っていない」と言っていて、「添加物や農薬はそんなに悪いものなのだろうか?」と調べたことがあった。ざっと調べた私の見解は「そんなに騒ぎ立てるほど悪いもんでもない」ということ。詳しい事はよくわからない。でも、いろんな厳しい検査を通した結果「まぁ問題はないだろう」ってことである。と私は認識している。
『世界で一番美しい元素図鑑』の、【硫黄】のページにも書かれていた。
『園芸用品店では、袋入りの硫黄粉末が土壌のpH調整用に売られています。(なぜか一般に硫黄は悪名高い「化学物質」ではなく「有機物質(オーガニック)とみなされています。ちょっと理解しかねますね。)』
と。(著者の感想が盛りだくさんな説明も、この図鑑の、いろんな意味で(笑)面白いところの1つだと思う)
硫黄さえも、オーガニックなら、「オーガニック=体に良い」とも言い難いんじゃないだろうか。。
そして『世界で一番美しい分子図鑑』の第10章【天然のものと人工のもの】には、こう書かれている。
『主な合成甘味料は、どれも科学、規制、世論の攻撃を受けた歴史を持っています。ところがステビアのような天然の植物からの抽出物は、しばしば無条件で受け入れられます。人々は、有害性が証明されない限り「天然だから大丈夫」と考えますし、規制当局の吟味もあまり厳しくありません。(中略)新たに発見された合成化合物への不安感は、見慣れないキノコや規制外のサプリへの不安感と全く同じで、不確実性によるものです。合成品が本来的に天然品よりも危険だと言うことは全くありません。』
また、食品の着色料について書かれたページには
『多くの「食品着色料」は、実は「ある食べ物に由来する色」を他の食べ物に入れているのです。害があるかもしれませんが、それはもともとそうなのであり、元の食べ物に入っている時と有害性は同じです。元の食べ物にそれが入っている点に文句を言う人はいません。』
と、書いてある。
例えば、にんじんから抽出された色をグミに着色して、「このグミの鮮やかなオレンジは体に悪い!」としたらば、抽出元となったにんじんが体に悪い、ということになる。(という解釈で良いのかしら、、、?)
なるほどなぁと思った。合成だとか天然だとか、そこまで強く気にした事は今までない。ただ息子が食べるものとなるとちょっと気にするかな、ぐらい。
でも、こうして改めて図鑑で読むと、確かに天然だからいいってわけじゃないよなぁと改めて思う。
家には『キノコの図鑑』もあるのだが、図鑑の最初のページに「自然に生えているキノコを、素人が図鑑で勝手に判断して食べる事は非常に危険です」的な注意書きも書いてあったし、食べられないキノコはものすごくたくさんある。中には、ある時まで食用とされていたキノコが、実は毒性が強く、食中毒の報告が相次いで出てきた結果、現在では非食用きのことされているものもあるらしい。
天然のものがどれだけ安心かとか、合成のものがどれだけ危険かとか、最終的には、個々の価値観とか判断に委ねられるものなんだろうし、この図鑑の言っていることが全て正しいとも限らない。そんな中で、私はこの図鑑の言っていることが結構しっくりくるなと思った。
安全か危険か、よりも、この分子図鑑を読んでから、『食品成分表』を見るのが楽しくなった。私にとってそっちの方が大事かな(^^)
まだ続きます。
(本当に書きたいことまでなかなかたどり着かない💦)