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「二月の勝者」を読んで、中学受験産業は脅迫ビジネスだと理解しました

中学受験の結果がでて、おじさんのFacebookにはその悲喜こもごもであふれています。

大前提として、「努力をして、成果を出した」っていう成功体験があると、その後も努力を続けられるので、そういう点では中学受験を頑張ったという経験は価値があると思います。
受験生えらい!頑張った!

私の心の底からのエール

それを踏まえて、中学受験漫画、2月の勝者をちょっと読んでみました。

ああ…なるほど…。
中学受験産業とは、受験生の親を脅迫して150万円(基本料50万円+夏期講習とか100万円)払わせている脅迫産業なんだな…。(佐野厄除大師と一緒)

そして、その脅迫メソッドは、嘘とホントのギリギリダークグレーっていうか黒な感じだったので、検証してみます。

センター試験は記述式になります!→なりませんでした


こちら、主役の塾講師が、春期講習を申込させるために保護者に対して説明をしている場面。

二月の勝者 2巻
二月の勝者 2巻

2018年に描かれた漫画を2022年に読むと、当時「予定」だったものがどうなったか検証できて便利ですね。

センター試験の次の共通テスト、実際にはどうなったでしょう?

センター試験になかった記述式のテストが、国・数で導入されます。
→されませんでした。

英語は「読む」「聞く」に加え「書く」「話す」も加えられ、外部委託も予定されています
→「読む」「聞く」だけです。外部委託もされませんでした。

そもそも、50万人くらい受ける試験で「話す」を評価するってどんだけ時間と人がかかるんだよ!って話で実現されるわけないってこの先生もわかっていたはずですが、そういうことは一切出さないわけですね。

まあ、これは、元々文科省が発表していたことを使ってるので、グレーということにしておきましょう。

共通テストの対応は、公立高校ではできない! → できます(経験者談)

そして、この試験に関して

公立高校の生徒が「今の学校の授業だけでは、(新センター試験=共通試験の)問題とけない」と言っていた」といって、私立中高一貫校行かないと大学入試終わりだと脅しをかけてきます。

でも、私、都立高校卒(その後早稲田大学理工学部卒)だからわかるんですけど、普通にとけますよ。

だって、センター試験がマークシートだからって、私立大学や国公立二次試験の試験は記述式ですから。普通に記述式の対策もしてますよ。

っていうか、ずーっと記述式の対策をしてて、マークシート対策なんてセンター直前にちょっとやるくらいでしょ。

この共通試験の問題を解けないってのは、単に目標とする大学のレベルが低いだけで、学校の授業のレベルとは関係ありません。あと、最新の対策を知りたきゃ、駿台予備校でも代々木ゼミナールでも普通に教えてくれます。

こんな感じで、微妙に問題をすり替え、限りなく嘘に近い証言を出すことで、親御さんの恐怖心を引き出しているわけですね。限りなく黒に近いグレーです。

難関私立大学合格者数大幅削減! → 入学定員は増えてます

最後に、

文科省の指示により、難関私立大学合格者数大幅削減!だそうです。

しかし、難関私立大学の入学定員数を調べてみると、基本増えてるんですよね。

明治大学なんて、1年で1000人も入学定員が増えてる。

じゃあ、なんで、合格者数は減っているのか?これには、理由があります。

私立大学は、合格者を出しても併願しているから全員入学してくれるわけではありません。(早稲田の理工受かったけど、東大の理2も受かったから東大行く人とかたくさんいます)なので、全ての大学で定員より多くの合格者をだしています。

しかし「思ったよりキャンセルする人が少なかった」ってこともあり、定員よりも大幅に入学者が増えてしまうこともありました。
そんなときは、大学は「ま、いっか」と全員受け入れして、翌年辻褄を合わせたりするんです。

が、文科省が「それは、ダメ」と言い出して、定員よりも大幅に多く合格者を出すことをやめたんです。そのかわり、補欠合格の人数を増やしたんです。

この「難関私立大学合格者数、大幅削減!」

は、「補欠合格者数、大幅増加!」とセットなんです。
そして、入学定員数は増加しているです。

この塾の先生は、ここまで数字を調べているのだから、当然このグラフも見ているはずです。(ググれば速攻で出てくる)

にもかかわらず、意図的に「大学定員は増えている」を言わずに「合格者数削減」だけを言っている。

これは、完全に、黒です。

黒い情弱脅迫ビジネスはいつまで続くのか?

中学受験って、こうやって、受験生の親を騙して脅迫し、年間150万円を払わせるビジネスであるようです。
とはいえ、このビジネスがいつまでも続くものとは思えません。

それは、子供の数が減っているからです。

今年の中学受験する子供(12歳)の出生数は107万人ですが、2021年生まれの子供は80万人。

実に26%減。

あらゆる「レアものビジネス」がそうですが、
「レアものの価値は、その商品を手に入れたいけど手に入れられない人の数で決まる」
ので「手に入れたい人の数」が減ると、価値が下がります。

受験産業がこうやって黒いプレゼンで「手に入れたい人の数」を増やしていくのにも限界があるはず。なにせ、子供とその親の数が2割以上減るんだから。

そして、彼らは賢いので、おそらく「12歳人口が何万人以下になったら撤退」というラインを引いて、すでに撤退の準備をしていると思います。

代々木ゼミナールが、大学浪人生の減少を見越して、2014年に7割の校舎を改装して、ホテルや貸し会議室に事業転換したように。

そう考えると、2018年に中学受験の裏側を公開する漫画が始まり、2021年に地上波ドラマで流れたというのは、中学受験産業の終わりの始まりを告げているのかもしれませんね。

繰り返しますが、「努力をして、成果を出した」っていう成功体験があると、その後も努力を続けられるので、そういう点では中学受験を頑張ったという経験は価値があると思います。

受験生えらい!頑張った!

でも、これから受験させようか考えている親御さんは、ちょっと考えた方がいいかもしれません。

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