大学は【コロナ退学】を避けるために【強い繋がり】を作るべきだ #たのしい大学
朝日新聞に、この様な記事が出ていました。
記事の内容をよく読むと、
「631大学の中の人に、影響がありそうな事項を聞いたところ、30%が「退学・休学の増加」と答えた」
という話で、まだ、予想の範囲に過ぎません。
(ちなみに一番影響がありそうと答えた学校が多かったのは「学生募集」
大学の最大の関心事が何かがよくわかりますね)
とはいえ、私が多くの大学生に話をしていても、その予想は現実のものとなりそうです。
これを避けるために、そして、学生の未来のために、大学は何をすればよいのか、考えてみました。
大学生が退学したがる理由を考えるにあたって、大学生が大学に求めるモノを4つあげてみます。
1.授業・学問、2.施設・設備、3.コミュニティ、4.学位
まずは、1.授業・学問から検証してみましょう。
2020年後期、オンライン授業はあたりまえになった
コロナ禍により、大学に通学しての授業が減り、オンラインでの授業が増えています。
これに関しては、賛否が分かれています。
オンラインの授業の質が低い、すべての授業で出席代わりにレポートが出されるので大変すぎるなどが、否。
オンライン授業意外とと悪くない、通学しなくてもいいから楽という意見が、賛。
私の感覚だと、5,6月は否の方が多かったのですが、後期に入り、先生も学生もオンライン授業になれてきて、賛の学生が増えてきました。
実際、オンラインでも登校でもOKの授業には、7-9割の学生がオンラインで授業を受けます。
オンライン授業は当たり前になり、不満もそれほど多くなくなりました。
もちろん、講義が不満で中退する人もでると思いますが、これがメインにはなりそうもないです。
問題は、大学の関係者が「大学の本分は勉学である!勉学に問題がないなら改善の必要はなし!」と、現状を改善しようとしなくなることです。
では、何を改善すればいいのでしょう?
改善すべきはコミュニティ
2.施設・設備は、大学が閉鎖されて使えないことがほとんどですが、これに関しては仕方がないとしかいいようがありません。美大や工学系の学部なら、実習できないなら中退を考えることもあるでしょうが、文系の大学生が図書館が使えないから中退を考える事はないでしょう。
4.学位に関しては、今、重要なものです。
コロナ禍で経済が悪化し、就職が難しくなる中、大学を中退するのはデメリットが大きいです。1-3すべてが不満だけれど、大卒になるために頑張っている人も多いでしょう。
残るのが、コミュニティです。
友人や教授などとの人間関係を作りたいという希望。
とある大学でアンケートを取ったときにも、大学に一番期待してたのがコミュニティです。
そして、現在一番失望しているのもコミュニティでした。
つまり、経済的な問題を抜きにすると、このコミュニティ作りが、大学がやるべき最大のポイントなのです。
ある大学の取り組み
私が関係しているとある大学では、このコミュニティ作りの実習を計画しています。
それは、1年かけて、学園祭でビジネスを体験するというグループワークです。
1年生と2年生がチームを作り、ビジネス企画を作り、資金調達を行い、マーケティングリサーチ、協力企業探し、宣伝、製品製造、動画作成、看板作成、学園祭の販売、株主総会までやるという長期のプログラム。
週に1回オンラインで授業を行いビジネスの基礎を習いながら実習を行う。学生同士は、毎日LINE等で密にコミュニケーションをとり、要所要所で実際に会って作業をするなかで、小さいコミュニティを作ります。
別チームとのコラボも可能なので、チーム同士で交流も計れますし、学園祭では一体感を味わうことができます。
これは、ひとつの例ですが、大学が今やるべきことは、強制的に学生を小さいチームにわけてなにか目標設定をする。
そして、そのチームに、教員が助言を出しながら、目標に向かって行動をさせることだと思うのです。
一緒に目標に向かって努力した仲間とのコミュニティ。
これは、部活でも、クラスのイベントでも、得られるものですが、オンラインのクラスではなかなか得ることができません。
登校すれば隣の人と話をしたりしてゆるい繋がりをつくることができるのですが、オンラインではそれができないため、強制力をもって強い繋がりをつくり、そこからゆるい繋がりを創っていく必要があるのです。
強い繋がりがあれば、オンラインでも孤独になりません。
ぜひ、多くの大学で、強い繋がりを作る仕組みを導入して欲しいなと思っています。
それが、コロナ禍でも #たのしい大学 の第一歩です。