今は小さな娘ふたりに、将来伝えたい15のこと
今、14歳になる娘と、11歳になる娘がいる。
その子たちが大きくなるまでに、大事なことを伝えられないと困ると思い、ブログに書いてみることにした。ふたりの娘が思春期を乗り越えて、大きな壁に当たった時、もし読んでもらえて、何かのヒントにでも繋がれば嬉しい。読み返してみると、ほとんど「ほぼ日」に書かれていることだったり、色んなところからのパクリだったりもする。でも、大事なことは大事なことなのだ。
今、ふたりはお風呂に入っている。
1、人と心でつながることは楽しい
まず、ひとつめは 最も大事なことだ。人と心を通わせるのを恐れないでほしい。時には傷つくこともあるだろう。ズタズタに引き裂かれることもあるだろう。それでも、人と心で通じ合うことはとても楽しく、素晴らしいことなのだ。小さい君は、それを誰よりも知っていた。もし、忘れてしまっていたとしたら思い出してみてほしい。
2、人は人と出会うことでしか成長しない
迷ったら人に会うこと。君は真面目な性格だから、1人で考え込んだり、他人に頼ることが苦手な大人になっていると思う。1人で閉じこもっても、決して良い方向には進まない。色んな人に会ってほしい。そして、もし君が会ってほしいと願われる側の人間になっていたとしたら、相手の痛みや課題をしっかり聴いてあげてほしい。人を喜ばせる積み重ねこそが生きている証にもなっていく。自己肯定感を自分なりにあげられる方法を持っておこうね。
3、いっぱい後悔すること
そして、後悔を恐れないでほしい。コテンパンに打ちのめされてほしい。心の痛みを知ることは悪いことばかりではない。その分、君は誰に対しても強く優しくなれる。最近では後悔を防ぐ為の手段に溢れている。ネットに聞けば何でも教えてくれるし、前例もたくさん載っている。でも、それで分かった気になって途中でやめることはしないでほしい。成功しても失敗しても、必ずやり遂げること。そして、後悔がある限り成長し続けることを付け加えておく。
4、人に好かれれば9割はうまく行く
相手の第一印象は悪くても構わない。まずは、自分から好きになる努力をしよう。そのためには、「期待すること」と「共通点を探すこと」が大事。悪いところを探してはいけないよ。どんな人にも良いところと悪いところがある。その中から、良いところを引き出すこと。まずは自分の心を開いて、相手の目を見て話そう。社会性は持たなくても良いので、そこの所はバランス感、大事。
5、伝えること
伝えるといっても、ひたすらあの手この手で語り続けることではないんだ。むしろ、ひたすら聴くこと。聴き合うことが大切だと思っている。聴き合いの中から愛着が生まれてくる。良く聴ける人間になってほしい。話す2:聴く8くらいが丁度よい。
6、つまらないことでイライラしない
・怒っている人は「困っている人」
→何に対して困っているのか考えよう。君に解決してほしいのだ。自分も怒ってしまったときは、一体何に対して困ったから怒ったのかな?と一歩引いて考えてみてほしい。
・うるさいアドバイスは「相手の悲鳴」
→相手は君に聴いてもらいたいことがある。相手は苦しんでいる。
・ケンカするのは「役割期待」がずれただけ
→お互いに期待していたことが、ほんの少し違っていただけだ。話し合えば誤解はとける。
7、認めるとは「弱さを出す」「甘える」「謝る」
相手を認めよう。そして、認めるとは自分の弱さをさらけ出すこと。認めることができなければ、それ以上の深い関係は築くことができない。これは本当に勇気のいること。
8、インターネット上で悪口を言わないこと
君が大きくなった時代には、ますますネットで毒を吐くコストが高くなっていることだと思う。それは形に残り、人を不快にさせる効果しか生まないだろう。スッキリするのは自分だけだ。そんな時は、絵本のように深い穴を掘って叫ぶしかない。ネットの悪口は百害あって一利なし、と教えておく。 それは、いつか君の足を自分で引っ張ることになる。
9、何度目かの人類という考え方
手塚治虫の火の鳥というマンガに、ロビタというロボットが出てくる話があるので、機会があったら読んでみてほしい。たしか未来編。それを読むと、もし人類の文明が、過去に何度も滅亡を繰り返していて、今が何度目かの人類だった場合、私たちはこのまま同じ未来に向かって進んでいってもいいのだろうかと考えるかもしれない。ちょっとうまく説明できないけれど、宇宙のはじまりから終わりまでを考えて、自分が死ぬという事実、地球が太陽に飲み込まれてしまう瞬間を思い描いて、途方も無い空虚感に襲われた時は思い出してみてほしい。ちょっとは救われるかも。
10、分からないものを分からないまま持ち続ける力
なんでもかんでも結論を求めるというのが現代人の悪い癖になっている。少なくとも、分からないままでいい、決めなくても良い、今はまだ解決を求めないという前提から語り合う「保持力」とでも呼ぶべき力を高めてほしい。今は解決できない問題でも、お互いに真正面から語り合い、じっくりと時間をかけることで必ず前進することができる。もし、くじけそうになった時は山に登ってみてほしい。森に入ってみてほしい。周りを見渡すと人間が予測可能な範囲なんて極々限られていることに気がつくと思う。人間社会は、人間が正確に認識でき、論理的に説明できることを前提に作られているが、実際の世界は、想像以上に複雑で人間の理解力や認識力を超えていることを受け入れてほしい。
11、大事なことを煮詰めると「誠実」と「貢献」になる
これは確実に、ほぼ日というサイトに載っていた言葉。単純に誠実と貢献が生きる上で大事な要素だということ。ひとつ付け加えておくと、全て分かりきったような言い方で進んでいるものは激しく疑った方がよい。お姉ちゃんが生まれてから間もなく、君たちの運命をも少なからず左右した大きな地震がおき、色々な嘘が表に現れた。それまでは国や大企業から言われたことを鵜呑みにしていた世間の目が覚めた瞬間だった。もう同じことは繰り返したくないと思う。
12、モロビのように薫り高くたくましく
これは森吉小学校の校舎に掲げられていた言葉。君たちが過ごした北秋田市旧森吉町の町の木がモロビだ。家の前にも立っているから分かると思う。旧石器時代から続く人々の暮らし、なだらかな森吉山の懐で育まれたモロビの心を受け継いで行ってほしい。先祖代々つながれてきた命、自分が今ここにいる意味を考え続けてほしい。
13、意識することは深い呼吸と朝の早起き
究極の姿。これは将来やりたいと思っているんだけれど、できるかどうかは分からない。深い呼吸と、早起きだけを心がけると生きることがスムーズになるような気がしている。メモ的に書いておく。シンプルに、シンプルに暮らしていきたい。
14、地域活性化とは隣りの人の悩みが分かるようになること
今、目指してやっていること。 地域活性化なんて言葉は死語になっているかもしれないが、地域がこれからも発展していくためには、自分の周りにいる人を幸せにし続けることが大事だと思う。君たちが大人になったときに、この地域が消滅していないと良いのだけれど……。
15、人間性は雑用をやると分かる
これは、とあるセミナーCDを借りて聞いたこと。確かに、これまでの人生を振り返ってみると、雑用を真面目にやる人間は、他のことでも頼りになる。雑用をサボる人には要注意。
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それでは、そろそろ眠たくなってきたので、おやすみなさい。
また来世で会いましょう。