スクラムガイド2020を読んでみた
この記事は mediba Advent Calendar 2020 の20日目です。
はじめに
2020年11月18日(水) にスクラムガイドが2020年版へアップデートされました。前回が2017年版でしたので3年ぶりのアップデートとなります。
11月18日(水)当日は Scrum Inc. 主催の Scrum Guide 2020 のイベントに参加しながら、同タイミングで公開された スクラムガイド2020日本語版 を読み進めていました。
今回は、スクラムガイド2017からスクラムガイド2020への変更点を中心に、いくつか気になったところを紹介します。
スクラムガイド2020で気になったところ
目次
最初に気になったところは目次です。スクラムガイドの目的や定義、理論から始まり、スクラムチームとスクラムイベントへという内容で、シンプルな印象です。
スクラムの価値基準
・確約(Commitment)
・集中(Focus)
・公開(Openness)
・尊敬(Respect)
・勇気(Courage)
勇気(Courage) が2番目から5番目になったのが気になりましたが、特に大きな意味はないでしょう。
スクラムチーム
開発チームという概念がなくなり、スクラムチームの1チーム制となりました。またスクラムチームは同じ目的を共有することが明確化されました。
スクラムマスター
サーバントリーダーからスクラムチームと組織に奉仕する真のリーダーへ。真のリーダーとは、スクラムマスターがチームの確約(コミットメント)の達成に責任を持つことで、結果的にサーバントリーダーになると理解しました。
スプリントプランニング
Why / How / What のトピックがあり、Why から始めることに価値があると理解しました。
プロダクトゴール
プロダクトロードマップに近い意味だと感じました。プロダクトゴールを積み重ねることで、プロダクトビジョンに近づくと理解しました。
デイリースクラム
3つの質問が指示的な内容となっており、デイリースクラムが形骸化してしまうアンチパターンを回避して、スプリントゴールを達成するため継続的にカイゼンする場だと理解しました。
スクラムの作成物
3つの作成物に対する確約(コミットメント)を明確化し、より高い成果を出すことが目的と理解しました。
作成物 / 確約(コミットメント)
・プロダクトバックログ / プロダクトゴール
・スプリントバックログ / スプリントゴール
・インクリメント / 完成の定義
自己組織化よりも自己管理
自己組織化は大事だけど、自己管理はもっと大事と理解しました。
「スクラムガイド2020を読み解いてみようの会」 に参加しました
1ヶ月程前になりますが、ふりかえり実践会 主催のイベント、スクラムガイド2020を読み解いてみよう に参加しました。
日本で唯一のレビューアである Ebacky(エバッキー) さんが参加し、レビューアとしての貴重なお話を聞くことが出来ました。
・ソフトウェア開発以外の業界も対象とする方針。開発よりもビジネス寄りへ。
・スクラムガイドは世界が対象なので、言葉に気をつける必要がある。
・スクラムの主戦場はビジネス、今後はスクラムとアジャイル、XPなどで一定の距離が広がりそう。
・スクラムガイドは入門書である。完璧は求められておらず、重箱の隅をつつくよりも、どううまく使うかが大事。
・スクラムガイドは観光ガイドと同じ。観光ガイド通りに観光することはなく、必要なところだけ使う。
ソフトウェア開発以外のビジネスの場に、スクラムを適用しやすくしていることに驚きつつ、最後の観光ガイドのところは非常に分かりやすい例えだなーと感じました。
最後に
スクラムガイド2020を読んで気になったところや自分なりの理解を紹介しました。全体を通じて、誤解を招きやすいところを明確化した内容 となっていると感じています。
既にスクラムを実践している(つい最近までの)所属チームの場合は、スクラムの運用を大きく変更する必要はなさそうです。変更するところがあるとすれば、スクラムマスターがスクラムチームの確約(コミットメント)の達成に対して、今まで以上に責任を持つところでしょうか。
確約(コミットメント) については、絶対に約束を守るのではなく、全力を尽くす という理解が良さそうです。
今回スクラムガイド2020をじっくり読んでみて、改めて感じたことは スクラムマスターカッコいい❗ ということでした。
スクラムチーム内では結果に責任を持つことで、サーバントリーダーシップだけでは乗り越えられない状況を打破します。状況に応じてリーダーシップの形を変える必要があるでしょう。
またスクラムチーム外では組織に影響を与えます。スクラムだけでなく、時にはアジャイル開発のマインドセットを浸透させる必要もあるでしょう。
そんなことを考えながら、スクラムマスター・ジャーニー(自分なりのスクラムマスターを見つける旅)を楽しんで行きたいと思います。
参考
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