第43回 ポジティブすぎる言い換えへの違和感
私にはどうしても受け入れ難い言い換えがあります。
ちょっと旬は過ぎているワードですが、「セカンドパートナー」や「卒婚」といった、事実を無理やりねじ曲げたような言葉です。
「セカンドパートナー」は不倫、「卒婚」は離婚のことです。
一夫多妻制が認められている国なら「セカンドパートナー」も問題ないのかもしれませんが、日本では不倫はあくまで不倫。
それをあたかもポジティブなもののように表現するのには、どうしても納得がいきません。
元貴乃花親方夫妻が言ったことで話題になった「卒婚」についても、離婚が「卒業」だとはあまり思えません。
熟年離婚が一時期話題になりましたが、我慢してきた側にとっては新しいスタートなのかもしれません。
しかし、結婚は学校とは違い、互いに選び、築き上げるものです。
それを「卒業」と軽々しく表現するのには違和感を感じました。
とはいえ、独身の私が何を言っているのかと思われるかもしれませんが、やはり「パートナーを一生愛し続ける」というのは大変なことなのだと思います。
最近、リアルでもネットでも結婚に関するネガティブなイメージが蔓延しているように感じます。
旦那さんや奥さんに対する不満ばかりを耳にすることが多いです。
もちろん、あえて幸せなことを言わないのは謙遜の一環かもしれません。
日本では「ノロケ話」を控える風潮もあります。
しかし、私はもっと幸せな話を聞きたいと思っています。
もちろん、酷いパートナーがいるのも事実です。
そして、離婚しやすい環境が整ったことは正しい方向だとも思います。
暴力や不倫を繰り返す相手と一緒にいられないのは当然です。
しかしだからこそ、私は夫婦仲良く、幸せな家族がもっと増えるといいなあと思ってしまいます。
結婚やパートナーシップに対するネガティブな見方ばかりが目立つ現代ですが、幸せな家庭やパートナーシップもたくさんあるはずです。
それをもっと広く感じられるようになれば、社会も少し明るくなるのではないかと思います。
恐らくもう結婚しない私としては、明るい家庭を築く皆様の邪魔だけはしないように、ひっそりと生きていきたいです。