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第66回 大きな夢より小さな行動を
「悟り世代」という言葉を聞いたことはありますか?
明確な定義はありませんが、一般的には1980年代後半から2000年代前半に生まれた世代を指すそうです。
この世代は、ワークライフバランスの重視やジェンダー平等の推進といった、社会的な価値観の変化を牽引してきたとも言えるでしょう。
また、最近では「FIRE(経済的自立と早期退職)」を目指す人たちが多い印象があります。
これは、この世代が安定志向や堅実なライフプランを重視する傾向にあることを反映しているのかもしれません。
一方で、年上の社会人の先輩方から「最近の若者は夢がない!」といった余計なお世話の声を浴びせられることも多い気がします。
この「夢がない」という指摘、果たして本当にそうなのでしょうか?
私たちの世代は、夢を押し付けられた世代ともいえるのではないか、とも思ってしまいます。
この「夢の押しつけ」に対して、私はずっと違和感を覚えてきました。
「夢を持つ」こと自体がゴールになっているように感じるからです。
しかし、夢を語るだけで終わってしまうのでは本末転倒です。
大事なのは夢を「叶える」ことであり、それに向けた具体的な行動だと私は思います。
私の父はよく、新しく始めた習い事や目標を周囲に話していましたが、ほとんどが三日坊主に終わっていました。
この経験から、私は「夢や理想を語るだけの人」にはあまり共感ができません。
人は誰かに目標や挑戦を認められると、それだけで満足してしまい、まるで目的を達成したかのような錯覚を起こしてしまうことがあります。
そのため、私は「不言実行」の姿勢を大切にしています。
自分が挑戦することはまず黙って行動に移し、成果が現れはじめた段階で初めて周囲に話すようにしています。
もちろん、周囲に宣言して退路を断つ方法もあります。
これはプレッシャーを動力に変える手段として有効です。
目標達成の方法は人それぞれで、どちらが正しいというわけではありません。
ただ、私にとっては、誰にも気付かれずにしれっと行動する方が性に合っています。
ここで改めて考えたいのは、「夢を持つこと」自体の意味です。
悟り世代は、社会保障費の増額や収入格差、終身雇用の崩壊といった現実に直面し、「無理に大きな夢を掲げるよりも、今の現実をどう生きるか」が重視される時代を生きています。
これを「夢がない」と批判するのは、少し的外れなのではないでしょうか。
夢を語ること自体に価値を置くのではなく、自分なりのペースで行動し、結果を出すことにこそ意味があると思います。
夢を見ること自体を否定しているわけではありません。
ただ、確実な行動を重ね、小さな成功体験を積み上げることで、初めて見えてくる夢もあるのではないでしょうか。
それにしても、夢を持つことも語ることも難しいなんて、人生は苦行です。
私も年が明けたら、目の前には売上目標という現実的な課題がありますので、それを達成するためにも、一歩ずつ行動を積み重ねて、サラリーマン人生を突き進んでいきたいと思います。