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第54回 採用活動と婚活には共通点があった?
採用活動と婚活は似ているのではないか?ということに気がついた、という話をしよう思います。
私が所属している営業部では、新しい営業部員が入社せず、仕事が回らない状況が続いています。
今の状態は、まるで三河屋のサブちゃんのように、能動的な営業ではなく御用聞きに徹しているだけです。
一刻も早く営業部員を補充したいのですが、採用が思うように進んでいません。
私を含めて、現役営業部員も面談に積極的に参加して採用活動を行っているのですが、なかなか成果が出ていないのが現状です。
私の理想の人材は、若くてエネルギッシュな20代の社員です。
ところが、先日行った面談では書類の内容が薄く、受け答えも頼りないものでした。
書類には、「顧客のニーズに応える」や「常に顧客のメリットを考える」などの表現が並んでいましたが、どれも抽象的で具体性がありません。
書類を見た段階で理想には程遠い印象を受けましたが、面談ではその薄さをカバーするためにできるだけ質問を投げかけました。
「どうか、良い奴であってくれ!」と願いながら、候補者の長所を引き出そうと努力しましたが、虚しくも不採用が続いています。
私が求めているのは、経験は浅くても、若くて向上心があり、空気を読んで周囲と協調できる人物です。
決して高望みしているつもりはないのですが、理想的な候補者にはなかなか出会えません。
そこで、ふと気づいたのです。
「これって婚活に似てる…?」と。
婚活市場では、20代の可愛い女性を求める40代男性と、年収1000万円以上で星野源似の男性を求める30代以上の女性がひしめき合っています(非常に偏った個人的な意見です)。
いずれも自分が最低条件だと思っているものが、実は非常にハードルの高い要求だったりするのです。
自分でも、最低限の条件を掲げているつもりが、実際にはかなりの高望みをしているのかもしれない…。
そんなことを考えながら、候補者を見ているうちに目が厳しくなり、気づけば「この前の人の方が良かったな」と思うことも増えてきました。
採用も婚活も、妥協点が必要です。
理想通りの人材に巡り会えるのは本当に稀なことです。
だからこそ、求める条件の「足し算」ばかりを考えるのではなく、思い切って「引き算」を意識することが大切だと感じています。
デメリットを飲み込み、譲れない本当に必要な条件を見極めていかなければなりません。
以前は「なんでこんな人を採用したの?」と文句ばかり言っていた立場でしたが、実際に採用活動に参加してみて、優秀な人材を見つけることの難しさを痛感しています。
本当に必要な条件とは何か?
足し算ではなく、断腸の思いで削る「引き算」を意識しながら、これからも仕事に取り組んでいきたいと思います。