何かを始めるのに遅いは、ある
挑む者は20代で死ぬ。そういうイメージが、黄金時代に若き日々を過ごした先鋭的なクライマーの間では珍しくなかったらしい。先日参加した田中幹也さんのトークイベントで、そんな話を聴けた。
僕は、結論としては、30代後半になってから山を始めてよかったと思っている。学生時代は演劇部にいて、10代後半から30代前半は演劇人として過ごし、人間集団の負の側面をずいぶん見て、演劇に対して苦々しい思いを抱きながらの劇団解散となった。もし山岳部に入って集団の中で扱かれていたら、山を嫌いになってい