プラチナプリントの再開
2025年はプラチナプリントに力を入れます
この原稿を書いている今は2025年の正月です。
本年の抱負、目標みたいなものを改めて考えたりしています。
一つだけ、昨年より決めていることをまず実行することからスタートしましょう。
それは「写真展」でございます。
「プラチナプリント」で行こうと思っています。
作品は「み熊野の」のシリーズです。
具体的な部分はこちらでも書いています(ご参照ください)
とは言え、道具はもう失っており
実を申しますと、このプリントを制作していた頃の道具類はもう失っております。一つには、奉納による一区切り。二つ目は、コロナ禍において作業場がなくなったことがございます。
本作品シリーズは、写真家・森谷修の願いである奉納を目的としていました。芸能や工芸は、神に捧げてきた古来からのあり方がございました。私自身は自分の出世には興味がなく、むしろ捧げ物としての作品に強く惹かれ、写真家としての一つのゴールのように思っていたわけです。
歴史に残る品々が奉納され国宝となっているものまである熊野本宮大社の宝物の中に混ぜていただく名誉、大袈裟な物言いで恥ずかしいのですがまさに一世一代のという感じに入れ込んでおりました。
2018年の奉納で、一区切り。お金も使い果たし、作業場としてお借りしていた印刷会社さんの一部屋もコロナ禍における会社の解散と共になくなった次第です。
あえて、新規に1から構築する良い機会
面白いもので、自分の中での区切りはついていながら、まだやるべきことはあるんじゃない?とお話が舞い込むことが続きました。
ホビージャパン社「Cameraholics」誌面、それから先日書き記しましたDNPの長期展示、熊野の世界遺産センターでの展示などがそれにあたります。
結果的に実現はしませんでしたが、ある国の大使館経由での海外公式案件・4K映像作品・三重県美術館での大規模展示など、私の財力都合で逃した話は数限りなく。
森谷修のプラチナプリント第2章
これらのことは、ざっくり言いますと写真の使命の中で私がこだわった「残す」ということの他に「伝える」「広める」があるんだぜと、繰り返し言われてきたようなものかもしれません。
そして、私が色々考えるより、究極ただ「写真のプリント」さえあれば、作品が勝手に行きたいところへ行くんだぜとも言えそうです。
なので、もう一度、プラチナプリントを制作いたします。
一度ゴールしましたので、第2章。
一旦以前のものをクリアのして、再度、新たなコンセプトで制作をいたします。
せっかくですので、道具から手作りをして、ゼロからテストをし直して、
さらに工程の全てをこの場で皆様にお知らせしながらやっていこうと考えています。
この工程は、より馴染みやすい「サイアノタイプ」にも通じますので
高価な金属であるプラチナはハードルが高いと思われる皆様にも参考になるかと存じます。