「PDFは何が良い?」「X-4でお願いします」について
印刷用データのPDF入稿について「X-4で」っていうと、
結構な頻度で「RGB含めて良いの?」って聞かれる。
いやいやそうじゃ無い。
印刷用データを入稿するのにはこれだけの前提があってね、っていうエントリーです。
※注:弊社の基準なので、他所のお仕事とそぐわない部分があるかもしれません、ご容赦ください。
まず、PDFを書き出すよりも前の部分。
●Ai ドキュメントのカラーモード
CMYK一択
●Ai アートボードの設定/Indd ページサイズの設定
仕上がりサイズ推奨
●RGBオブジェクト・RGB画像
許容しない
●リンク画像の実効解像度
300ppi以上が望ましい
高すぎる実効解像度は不要・容量の無駄
QRコードその他例外は多くあるので、一概には言えない部分も
●分版状況・不要特色の除去
徹底した確認を推奨
印刷に使用しない色は使わない
●オーバープリント設定
ノセイキ出力では必須
●ヌキ指定オブジェクトの自動ノセ対策(99%とか+1%とか)
ノセイキ出力指定なら要らないものだけど、お守りとしてなら
※古い因習・おまじないへのアンチテーゼとして
●テキストのアウトライン化
一切不要(PDFへの埋め込みをサポートしない等特殊なフォントを除く)
●アピアランスの分割・統合
不要と考える
●リンク画像
.epsを積極排除 保存形式.ai/.psdの優先選択 を推奨
ここまでで、ようやく前提終了。
その上で、X-4入稿を推奨。書き出しプリセットのパラメータを文字に起こすとこんな感じ。
●準拠規格
X-4:2010
●単ページor見開き
単ページ
●各種Box設定
アートボード・ページサイズと裁ち落とし幅が適正であれば
アプリケーションデフォルトままで
●トンボ(オブジェクトトンボ)の有無
有り
カラーバーやページ情報は不要
(元データのアートボードとの関係)
●画像の圧縮・ダウンサンプル
圧縮は無しorZIP
ダウンサンプルは無し(※)
●カラー変換
変換しない
●フォントサブセット
デフォルトまま100%
※使用画像は適正解像度になっている前提でこのように書きましたが、止むに止まれず、大きな画像をそのまま使わざるを得ない状況なのであれば、PDFのデータ容量が肥大化してしまいます。この場合は適宜ダウンサンプルを設定してください。(500ppi以上の画像は350ppiに落とす、など)
長いよね、冗長っすよね。うんわかってる。
でも、ほんとは「X-4で」と一緒にこんだけの情報量を言いたいのです。
質問者が聞きたい内容と、回答者が理解把握してほしい情報。
この不均衡を解消できる説明力(ぢから)が欲しいものだす。
※部分 2019.10.10.追記