年収300万円から脱出する「転職の技法」」出版記念イベント


今回は5月13日(土)に開催された、リベコの代表理事・森田昇さんの『年収300万円から脱出する「転職の技法」」出版記念イベント』についてご紹介します。
 
「社員がやる気をなくす瞬間」の著者である中村英泰さんの司会でイベントが行われました。先ず、森田さんによる出版記念講演、その後、編集を担当された日本能率協会マネジメントセンターの東寿浩さんとの対談、そして最後に森田さんと中村さんの対談と続きました。
 
森田さんの講演では、転職10回の遍歴、「転職の技法」の類書比較、出版企画書の遍歴について話されました。
 
転職10回の遍歴では、期間、業界、職種、年収等が詳細に語られました。新卒の際には出版社かIT業界か迷った末IT企業に就職しましたが、入ってみるとブラック企業だったとのこと。その後、競馬等「やりたいこと」を求めて勤めた会社もありますが、「できること」から外れると次に移るということの繰り返しでした。
 
類書と比較して、体裁上は年収を上げることにこだわった本となっています。売れている転職本では、仕事の軸をずらさないと年収は上がらないと言っています。しかし、それで本人は活躍できるのか? という点に森田さんは疑問を感じました。そこで今回のご著書では、ちょっとだけスライドする「ちょいスラ転職」を提案されました。
 
出版企画の遍歴は東さんとの対談の前振りの位置付けです。最初に前著の出版社であるあさ出版に数本の提案をしましたが、読者が得る価値がないとの理由で不採用になりました。
 
その後樺沢紫苑さんの出版企画コンテストに参加された際に、編集者の東さんが関心を持って下さったのです。この出版企画の遍歴を通じて、尖った企画でないと採用されないということを森田さんは改めて感じました。そんなことは御自身でも普段からおっしゃっているし、1冊目のときにも分かったはずなのですが、企画書ではなかなか尖れなかったとのこと。
 
続いて東さんとの対談です。転職市場が活性化している中で、出版社としては転職の本を出したいという気持ちはありますが、裏を返すとレッド・オーシャンでもあるのです。東さんにとって、転職をこんなに何度もするのかという点が新鮮に映り、しかも再現性があるように感じられました。そのため、読者が知りたい最大公約数的な所は押さえながら、この本独自のものを盛り込むことができそうと感じたのです。「年収300万円から脱出」という言葉は、目立ってなんぼという考えから付けられました。
 
森田さんの経験を豊富に盛り込んだ今回の本に対し、東さんには辞める時にあんなことを言われたという辺りは、読者の共感を呼ぶだろうと感じられました。
 
最後に森田さんと中村さんの対談です。中村さんの本のように社員がやる気をなくしたら、森田さんの本をそっと差し出し、ちょいスラ転職を勧めたら良いとのこと。
 
フリーで働いている人には自分のポートフォリオに名前を付けることがパーソナル・ブランディングになると中村さんは言います。森田さんは前著「売れる! スモールビジネスの成功戦略」を出すことで、キャリアコンサルタントの世界において、意図通りのブランディングができました。しかし、今回の本はブランディングの意図が全くなく、「商業出版をやってみたい」が先ずあり、そこからどういう本なら仕事につながるのかをぼんやりとしか考えなかったと森田さんは語ります。
 
ちょいスラ転職をするための勇気のしぼり出し方は? 周りに行動している人がいる環境に身を置くこと、それが自然と行動したくなる秘訣だそうです。
 
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(仲井圭二)


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