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魯肉飯は、なぜこんなに美味しいのだろうか。
魯肉飯を始めて食べたのは、大学4年生の卒業旅行。
友人と二人で行った初めての台湾の記憶は、現地の人の温かさと臭豆腐の香りと、歩き疲れて食堂で食べた深夜の魯肉飯の味。
もう12年も前の話。(げ、小学校を卒業してしまうほどの年月が経っていることを改めて感じてちょっとダメージがデカい)
旅行会社の折込チラシで安い!近い!という理由だけで決めた。
特に行きたい場所もないけれど、「卒業旅行には行かないと!!」という不純な気持ちで航空機に乗り込んだ。
屋台が立ち並び、なんとも言えない独特な香りがする街を二人で練り歩いた。
今思えば、あの香りは何かのスパイスの香りだったのかもしれない。
行先だけを決めて向かったのは、有名観光地の 九份。
英語も通じない駅のチケット売り場。
乗り方が分からない特急列車。
今どこを走っているのかも分からない、田舎道を走る路線バス。
無事に着くことよりも、来た道を戻ることが出来るのかの方が心配だった。
無事に到着した九份は、突然漂ってくる臭豆腐の強烈な異臭の印象しか残っていない。赤提灯が並ぶ坂道を友人と二人、鼻をつまんで歩いた。
疲れ切って帰って来た深夜の台北。宿までの帰り道でおばちゃんがしている小さな食堂を見つけた。路肩に置いてあるパイプ椅子と少し傾いた机で食べた魯肉飯の味は異国なのにほっとする味だった。
魯肉飯(ルーローファン)を作ろう
私の思い出話もそこそこに、吉井流魯肉飯の作り方をご紹介します。
まずは材料のご紹介
【4人前】
豚バラ肉 500g
玉ねぎ 100g
小麦粉 大1
ニンニク(みじん切り) 10g
生姜(みじん切り) 20g
ごま油又はサラダ油 35g
【A】
水 2カップ
黒酢 大1
砂糖 大3.5
醤油 大2
酒 大2
スターアニス(八角) 1~2個
【B】
五香粉 2g(お好みで)
オイスターソース 大2
お好みトッピング
ゆで卵
チンゲン菜や小松菜などの青菜
作り方
①豚バラ肉は太めのパンツェッタ状にカットする。
②粗みじん切にした玉ねぎに小麦粉をまぶし、揚げ焼きする。
③ごま油でにんにく、しょうがを香りが出るまで炒める。(ニンニクから入れるとGOOD)
④③へカットした豚バラ肉を入れ、焼き色がつくまで炒めたら、揚げ焼き玉ねぎを投入し混ぜ合わせる。
⑤【A】をすべて入れて煮込む。最初強火で沸騰させたら中火~弱火まで落として(40~60分)。
※こまめにアクを取りましょう。
※お好みでゆで卵を一緒に入れてもGOOD!
⑥仕上げに、【B】を入れてさらに5分ほど追加煮込み。
ポイントは、やっぱり玉ねぎ!!!
カレーと同じですね。美味しい魯肉飯にするには、しっかりじっくり甘い香りが出るまで玉ねぎを揚げ焼きにしましょう。
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五香粉を作ってみよう!
やっと、スパイスのお話しです。(笑)
五香粉(ウーシャンフェン)とは、中華でよく使用するミックススパイスのこと。五とあるので五つのスパイスが入ってる訳ではなく、五は「複雑」という意味があり、「複数のスパイスの香りがする粉」という説が有力なよう。
五香粉で使われるスパイス
・クローブ
・フェンネル
・シナモン
・スターアニス
・ホアジャオ(花椒)
・陳皮
ご覧の通り、スパイスカレーでもよく登場するスパイスが目白押し。
でもぜひ、嗅いでほしい。
カレーとは全く違う、ひと嗅ぎで「あ、中華だ。」と思わせるアイデンティティの確立した香り。
スパイスの文化が混ざり合い、そこから独自の文化を育てているのが分かる。実に面白いスパイスの歴史と大陸の食文化の変遷。
五香粉は田舎のスーパーでも市販品が販売されているメジャーなスパイスミックスですが、せっかくなので自分で作ってみようではないか!
パウダースパイスを使っても、もちろんOKだが、ホールスパイスから作ることも可能!少量の場合は、私は乳棒と乳鉢を使って粉砕しているが、グランダーを使う方が断然楽ちん。(笑)
配合比
クローブ 2
フェンネル 2
スターアニス 2
シナモン 2
陳皮 1
ホアジャオ 1
ホアジャオは香りは最高だが、たくさん入れると痺れるような辛さがあるので少なめに。辛いのが苦手な人や子供でも食べられるように!
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陳皮とは、みかんの外皮を陰干しして乾燥させたもの。
あるとないとでは香りの華やかさが全く違う。
無農薬栽培で育てられた柑橘の外皮を乾燥させて使用している。
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魯肉飯が教えてくれたスパイスのおもしろさ
スパイスって本当に面白い。
ほとんど同じものを使っているのに、配合を変えたり、1つだけ特徴的なものを入れるだけでたちまち別の国へ飛んで行ってしまう。
魯肉飯を食べると、あの頃の無鉄砲な自分、あの街の香りと、旅の中で助けてくれたたくさんの台湾の方々を思い出す。
私にとってホッとする味。
ぜひ、作ってみてください!
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