ワインの売り方

私はよくワインを飲む。この前の健康診断のとき保健師さんに飲酒の頻度を聞かれて、週2-3くらいかなと答えたけど、よくよく近々の飲酒状況を1つ1つ振り返ってみたら、週4-5くらいで飲んでた。そのほとんどがワインだ。

ワインを飲むのはもちろん美味しいからだけれど、色々なことを考えるきっかけになるからでもある。

大学ではフランス文化を学んでいたこともあって、ワインが美味しいと初めて思ったのは、ゼミの先生のお勧めのレストランで飲んだお勧めのフランスワインだった。銘柄とかは何も覚えていないけれど、それまで時折友人と飲んでいた、スーパーでビールと一緒に買って、コップに注いで飲んでいたモノとの明らかな違いに衝撃を受けたことを今でも覚えている。

ワインを日常的に消費している今は、フランスワインよりもチリワインをよく飲むことが多い。フランスワインももちろん美味しいけど、グラスを工夫してワインをきちんと選べば安いチリワインも味わえる。テーブルワインとして飲んでいるので、基本的にネットスーパーで定期購入している。


定期的に頼んでいるのこれ。

ただ、これが時折欠品する。ネットスーパー曰く人気商品らしい。
そのときには仕方なく、近くのコンビニに行って同じようなワインもしくはフロンテラを調達することになる。

近くにはコンビニ4つほどがあって、そのときどきでどこかにいくのだけれど、そこのワインはたいていうっすら埃をかぶっている。おそらく在庫が捌けていないのだろう。ネットスーパーでは欠品しているなかで、コンビニではおそらくあまり売れていないのだ。

確かにコンビニの利用者の酒類を購入する層のなかで、ワインを1番に買おうとする人は少ないように思える。ビールとか、酎ハイとかが売れてそうだ。

正確に把握していないけど、ビールだったら200円前後、酎ハイだと150円前後だろうか。コンビニでフロンテラを買うと確か7-800円するので、ビールや酎ハイと比べると3-5倍くらいする。他の酒類と比べると高いのだ。

一方でフランスワインで2500-4000円くらいイタリアワインで1500-3000円くらいかかることを考えると、700-800円はだいぶ安い。

同じワインでも、何と比較されるかで評価が全く変わるのだ。

テーブルワインとしてフロンテラを飲む私としては、欠品も嫌だけど、埃をかぶって売られているのも少し悲しい。だから、最近はコンビニに寄ったときに埃をかぶりつつあるフロフロを見つけると、欠品の可能性もあるからと言い聞かせて、ついつい助け出してしまう。

そう思い返してみると、健康診断での返答と実際との差分は、ワインを救う善意分だったのかもしれない。そういう日はワインを飲もうを強く思っている訳ではないから、飲んだ記憶が希薄になるからだ。はたまた、その日飲んだワインのアルコール分は善意で相殺されるというか。

そんな日は、自分で輝く場所を選べなかったフロンテラをワイングラス越しにみて、自らに反問してしまう。
お前は自分が輝ける場所を自分で選べるけれど、その場所をきちんと選べているか、と。

好きなワインの売り方や自分自身の売り方、悪化しつつある健康状態まで、ワインは様々な気づきを与えてくれる。そこでの思考は酩酊している頭にはうっすらとした記憶しかとどめないけれど、身体にはしっかり刻み込まれ、いつか私を助け出してくれるに違いない。


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