コーヒー屋になるまでの話。⑥
移住を決意、道は決まった。
2016年7月2日〜7月4日の期間、福岡県糸島市に移住先検討のための旅行に出かけた。旅の帰り道にこの地に移住することを決断した。
糸島へ移住前に4回ほど訪れました。(夫は会社の面接があったので5回来ています)この決定打になった7月の旅の前に1度、その後2回。移住前にこういった事情でまぁまぁお金がかかるのは言うまでもないですね。
移住したのはなぜか
よく聞かれます。私は暖かい土地に住んでみたかったのです。ただそれだけ。
地元である北海道札幌市のことは好きです。家族も友達もいる。
私も夫も札幌で生まれ育ち、30年以上の時間を過ごしました。
でも仕事を変えるとなった時、住み慣れた土地に居続ける必要はないと感じました。土地を変えるなら今しかない。
どの土地に開業すればコーヒー屋がうまく行くのかは、私たちにとって一番大事ではなかったのです。
どこに住みたいのか。これが一番大切でした。その結果札幌ではなかったのです。
なぜ糸島を選んだのか
これもよくよく聞かれます。糸島が気持ちよかったからです。
旅で訪れた時、気候も海の色も、人の温かさも気持ちよかった。
他の候補地を検討しませんでした。迷いだしたら時間が足りないし、またいいところが見つかったら引っ越せばいいと思ったから。
他の土地がどうかは見ていないので知りませんが、糸島の人たちは地元の人も移住の先輩達も皆応援スタンスでした。移住や開業に否定的な発言をする人はいなかった。そのことが嬉しかったのもあります。
移住先が決まったことで色々具体的に動き出すことができる。
とてもワクワクしました。
7/5の日記には「今の日々よりも自分たちが自分らしく生きれるといい。」と書いてありました。
自分でお店をやる上で、経営上の不安や悩みが大きすぎて「自分の感情」が置いていかれがちになります。
でもどうして開業しようと思ったのか。それは気持ちが先行していたはず。個人の飲食店や小売店を始める人のほとんどは「自分でお店をやったほうが明らかに儲かる!」と言う動機ではないはず。
どうしてやりたいのか、何をやりたいのか。いつも自分に問う必要があると思います。
そしてこの動機こそが、自分のお店の色でありコンセプトに繋がっていくのです。そこに共感してくれる人が未来のお客様です。
お店の建物や内装、使う道具や食器、HPのクオリティ、商品一つ一つの完成度、どれを取っても正直大手企業の打ち出すものにはかないません。それらすべてを完璧に仕上げたい人は、組織の中でやるべきだと思います。自分でやると必ず規模は小さくなります。
自分でやることの最大の強みは、誰にも止められないことです。お店の名前はこれにしよう。コンセプトはこれでいこう。今日はSNSでこんな発信をしよう。こんな商品を作ってみよう。誰にも文句を言われません。自分で思いついたことを即試せる。すごく刺激的なことです。お店に共感してもらうことは自分に共感してもらうこと。組織に属していては得られなかったであろう感動があります。(ただしマイナス評価も然りですので、他人の評価が気になりすぎる人は辛いかもしれません)
お店をやってどうなりたいのか。
「今の日々よりも自分たちが自分らしく生きる」
移住先を決めたことと一緒に日記に書いてありました。
現実問題と感情。どちらにも重きを置かないのが私の自営の形です。